「仔猫をうちに迎えるときは、まずそっとしてあげましょう」
育猫書にそう書いてあった。
怯えてキャリーから出てこないかも知れないから、出てくるまでそっとしてあげて
あまり構い過ぎないこと。
ばるは、拍子抜けするほどにあっけなくキャリーから飛び出した。
そのまま即お部屋探検モードに入る。
仔猫の好奇心はすごい。
あちこち匂いを嗅いで、あちこちに自分の匂いをつけて歩く。
トイレはすぐに覚えた。ゴハンも完璧。
あれこれ考えた「事態」は、ほとんど現実に起こらなかった。
だがしかし。
にゃんこベッドだけは、思うようにならなかった。
猫は寝心地の良い場所を自ら選ぶ動物で、ばるが選んだのは他ならぬ私のベッドだった。
・・・当然、ばる用ベッドは用意済み。無駄。
その夜、私は自分のお腹の辺りに妙な痛みを感じて目を覚ました。
ばるが母猫のおっぱいを飲む仕草で、私のお腹に吸いついていた。
ブリーダーさんの所にいた時、すでにばるは母猫とは一緒じゃなかった。
でもまだ3ヶ月の仔猫だ。
あの感覚を何と言って表現すればよいのだろう。
後悔と、感動と、何やら色んなモノが入り混じった感覚。
私はあの時、間違いなくばるの【おかあさん】になったのだ。
あの子が虹の橋へ行ってしまって1年と3ヶ月。
探しても探しても、逢えない・・・。
育猫書にそう書いてあった。
怯えてキャリーから出てこないかも知れないから、出てくるまでそっとしてあげて
あまり構い過ぎないこと。
ばるは、拍子抜けするほどにあっけなくキャリーから飛び出した。
そのまま即お部屋探検モードに入る。
仔猫の好奇心はすごい。
あちこち匂いを嗅いで、あちこちに自分の匂いをつけて歩く。
トイレはすぐに覚えた。ゴハンも完璧。
あれこれ考えた「事態」は、ほとんど現実に起こらなかった。
だがしかし。
にゃんこベッドだけは、思うようにならなかった。
猫は寝心地の良い場所を自ら選ぶ動物で、ばるが選んだのは他ならぬ私のベッドだった。
・・・当然、ばる用ベッドは用意済み。無駄。
その夜、私は自分のお腹の辺りに妙な痛みを感じて目を覚ました。
ばるが母猫のおっぱいを飲む仕草で、私のお腹に吸いついていた。
ブリーダーさんの所にいた時、すでにばるは母猫とは一緒じゃなかった。
でもまだ3ヶ月の仔猫だ。
あの感覚を何と言って表現すればよいのだろう。
後悔と、感動と、何やら色んなモノが入り混じった感覚。
私はあの時、間違いなくばるの【おかあさん】になったのだ。
あの子が虹の橋へ行ってしまって1年と3ヶ月。
探しても探しても、逢えない・・・。