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  ALBA所属 ひよっこナレーター の 上々↑↑ライフ

『屍者の帝国』

2015-10-09 07:51:30 | Go!Go! わたし ~鑑賞編~
原作は2009年3月に弱冠34歳で早逝したSF作家・伊藤計劃による未完の絶筆。
遺族の承諾を得て円城塔がこの原稿を引き継ぎ、2012年8月に同タイトルを冠して刊行されたもの。

 『 屍者の帝国 』

Project Itoh
3部作のうち1作目。
もっとも2作目に予定されていた作品が制作会社破産により中断。
3作目が繰り上がり公開となるという。なんだかな。

さて『屍者の帝国』。
まずは徹底的に構築された世界背景に引きずり込まれる。
これを比較的すんなり受け入れられるか否かで、上映時間2時間の向き合い方が変わる。
つまり「観客を選ぶ作品」。
人によってはおそらくはかなり難解で、事実数人お手洗いに立ったほど。
残念ながら彼らが自ら作った空白は、更にストーリーをとっつきにくくしてしまうというのに。
脚本にしても画にしても、キャストさんの演技にしても。
そして人物配置にしても。
見事な程完成されてて隙がない。本当に見ごたえのある作品だと思う。

そしてその実、物語の根幹を支えるのは、そこに在る彼らのあまりに孤独な魂の悲鳴。
映画館の客席で、号泣。

主人公ワトソンの血を吐くような叫びは、盟友に先立たれた円城塔氏の叫びそのもの。
私にはそう聞こえたのです。


あ、この作品「も」ですけど。
エンドロール中に席立ったらダメですよ。




・・・本当はね。

2作目に予定されてた「虐殺器官」の予告編を見て、初めて興味を持ったのです。
よりによってこれが頓挫したというのは個人的には悲報以外の何物でもなく。
繰り上がり公開になる「<harmony/>」も観ます。
そして「虐殺器官」がちゃんと完成・公開されますよう、祈る。

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