日本の断熱手法は、グラスウール断熱で行う事を基軸として設定されています。
多くの断熱工法がありますが、そのどれにも一長一短があります。
各施工業者は、自分の実践している断熱方法を一番と考えて施工しているのでしょう。
グラスウール断熱材は、布団と同じで「乾燥した空気を静止させる」事で断熱します。
この乾燥し続けさせるのを誰が担保するのが大きな問題です。
日本は高温多湿な地域であり、壁体や床下に充填したグラスウール断熱材を乾燥したままに保持させる事は、とても難しいことです。
私が工務店を創業した当時の断熱材は、このグラスウールしかありませんでした。
そのグラスウール断熱材が湿気を含んで垂れ下がる事象を多く見て来ました。
高名な先生の研修会に参加し、質問もしてみましたが、湿気を吸わせるのは施工精度に問題があるからで、貴方がしっかりと施工しないのが要因だとの指摘です。
私は自分自らが、地下足袋を履いて現場に赴き、足場に上がって施工を行っていました。
大学の先生の指摘に沿って「乾燥したままで保持する事」を最優先に施工したものです。
それでも垂れ下がり事象があり、ついに断熱素材の在りようを問うようになりました。
試行錯誤を経て、乾燥した空気の静止させる断熱材から脱皮して、樹脂スプレー断熱工法を開発しました。その工法は、平成5年、5年がかりで日本初の公的認定を交付されました。
その後は、堰を切ったように数多のウレタン樹脂断熱工法が出回るようになりました。
現在は年間に何万棟ものスプレー発泡施工断熱の家が建っていますが、樹脂の発泡倍率を膨らし粉的な添加物を入れることで何倍にも押し上げ、安価にした断熱法が大半です。
発泡倍率を上げると断熱力と強度が低下して、構造体との密着強度が殆ど無くなります。
私達のファース工法は、硬質ウレタンの独立気泡率を96%(軟質は40%前後)にし、20ミリくらいの断熱層を形成させ、表面のスキン層を何枚も重ね合わせて厚さを保ちます。
地震にも強く、湿気を通さないため「#ファースシリカ」で調湿も出来るようになりました。
写真はファース工法の断熱施工が終わった現場を撮りました。
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