今回は大有研で大阪で農業をしながら、生産・加工・販売を通じて頑張っている生産者さんを訪問するイベント。参加者は全員で13名。飛鳥ワインさんは観光農園ではないので、あまり多人数でお伺いするとご迷惑になるので丁度良い人数となりました。
まずは、ワインの製造工程を見学させて頂きました。
葡萄収穫後、約1週間かけて自然発酵した後、搾られます。画像の機械は一回に2.5tの葡萄を筒の両側から圧をかけたり、緩めたりしながら3時間ほどかけて搾ります。出来上がりは、2/3の量になるそうです。(後で特別に飲ませて頂きましたが、まだアルコールは感じることはありませんが、ジュースというよりは酸の優しいビネガーという感じでした。これをソースに使えたら、新しい感覚の味が作られるでしょうね。)
白ワインは15度で発酵させて2週間。その後-2℃で貯蔵して、約二週間ほどかけて酒石酸を結晶化、沈殿させて取り除きます。
赤ワインは少し高めの25度から30度以下で発酵。さらに皮や種子を取り除いたものだけを、マロラティック発酵をさせてリンゴ酸を乳酸に変えて、味をまろやかにする工程が加わります。
デラウェアを発酵させているところを、特別に拝見させて頂きました。
日本酒ほど発酵時に炭酸はでないようですが、やはりCO2は発生していますね。飛鳥ワインさんはこの地域で多く作られるデラウェア、若いうちに収穫してフレッシュな風味を活かした新作のワインも製造されています。ちなみにこのワイン名は青デラワインといって、今年の国産ワインコンクールで銅賞に輝いています。
工場見学後、実際に葡萄畑へ案内してくださいました。
急勾配をトラックの荷台に乗っての移動。なぜか、とってもウキウキしてしまうのは、私だけでしょうか。
生のまま食べさせて頂きました。皮が生食用のものよりかなり分厚いですが、甘みをかなり強かったです。収穫時期になると葡萄の房を隠す葉を取り除き、糖度を上げます。最終的に葡萄の糖度は20度を超えるそうです。
試作で栽培されている山ソーヴィニヨン。ソーヴィニヨン・ブランと山葡萄をかけあわせたものです。適度な酸味と甘み・風味があって、一度これで出来たワインを飲んでみたいな、と思いました。他にも、リースニングやマルベックなども試作されていました。絶えず進化を目指していますね。
再び工場に戻り、数種類のワインを試飲させて頂きました。さっきも書きましたが観光農園ではないので、特別な配慮をして下さりました。参加者の皆さんもいろいろと飲み比べが出来て、喜んで頂けたようです。
普段はとても物静かな飛鳥ワインの仲村さんですが、この日は参加の方の質問にとても丁寧に対応してくださいました。そして仲村さんの奥様を始めスタッフの方々も、忙しい中いろいろと対応してくださったこととても嬉しく思いました。本当に有難うございます。
飛鳥ワインさんを後にした後は古市に戻り、大阪府南河内農業及センターの嶋野さんから大阪の葡萄栽培についてお話を聞かせて頂きました。
大阪でデラウェアが広まった経緯や葡萄栽培の現況・高齢化や品種改良への取り組みなどををご説明してくださいました。葡萄栽培において、大阪は本当に全国的にも有数の生産地なのですね。(デラウェアに関しては、全国で3位の出荷量を誇ります。)
半日という短い時間でしたが、このイベントに参加してくださった方が大阪の農の現状や頑張りを感じていただけたようなので、開催側としてほっと一安心の内容となりました。