
大沢在昌著、光文社刊
短編集一作を含めた12冊目の新宿鮫シリーズの最新作です。「新宿鮫X 絆回廊」から8年振りの作品です。今回はボリュームが増えました。鮫島の周囲に変化が起きますが、暗闇の中の入り組んだ迷路を手探りで辿る醍醐味に変わりなく、ワクワクしながら読める作品でした。鮫島は鮫島だ、ということでしょう。
このシリーズを読んでいつも感じるのは、その時々の犯罪事情とその背景を存分に取り入れて物語を作り上げていることです。本作では、暴対法によるヤクザのしのぎの変化や歌舞伎町の外国人犯罪集団の移り変わりなどを違和感なく織り込みつつ、人の心の在り方や絆の様相を登場人物達の設定に盛り込んでいます。また、立場や考え方の違いで、世界の見方が変わり、対立を生むことも鮮やかに示しています。シリーズが終わってしまったかと心配しましたが杞憂でした。新しい上司が次回作以降でどの様に絡むのか楽しみです。
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URL => https://ja.wikipedia.org/wiki/大沢在昌
https://ja.wikipedia.org/wiki/大沢在昌#新宿鮫シリーズ
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評価は4です。
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