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毎日新聞世論調査:政権浮揚、不発 民主党内に悲観論
菅直人首相が「最強の態勢に」と意気込んだ内閣改造は政権浮揚効果に乏しく、毎日新聞が14、15日に実施した緊急世論調査の内閣支持率は29%にとどまった。社会保障と税の一体改革を担う与謝野馨経済財政担当相の起用は「評価しない」が過半数を占め、枝野幸男官房長官の評価も二分。24日召集の通常国会へ向け、自民党は「与謝野氏問責」もちらつかせて攻勢をかける構えで、11年度予算案審議の行方はさらに混とんとしている。【平田崇浩、中田卓二】
「内閣改造した結果を若干でも前向きに捉えていただいていることはよかった」。福山哲郎官房副長官は15日、内閣支持率が5ポイント上がったことを前向きに評価した。菅首相は同日、福山氏らを首相公邸に呼び、通常国会の施政方針演説では社会保障と税の与野党協議を呼びかけることを確認した。民主党の岡田克也幹事長らには「丁寧な国会運営で分かりやすい議論の場をつくってほしい」と指示した。
首相が年頭に「政治的な生命をかける」と発言したのが社会保障と税の一体改革。その具体化を与謝野氏と元財務相の藤井裕久官房副長官に託した。藤井氏は15日、NHK番組で「仮に消費税(引き上げ)をやらせていただくときには(世論の)納得がなければいけない」と強調した。
しかし、世論調査では民主党支持者でも4割近くが与謝野氏の入閣を評価しておらず、党内には与謝野氏の増税色に対する懸念もくすぶる。与謝野氏の古巣、自民党とたちあがれ日本も反発を強めており、与野党協議についても「できるわけがない」(民主党幹部)との悲観論が広がった。
もう一人の目玉閣僚、枝野氏は仙谷由人前官房長官の「脱小沢」路線を引き継ぐ役割を担う。世論調査では小沢一郎元代表に強制起訴時の離党を求める声が77%に達し、菅首相は離党勧告も辞さない構え。しかし、枝野氏起用の評価も期待したほどではなく、小沢グループからは「(菅首相と岡田、仙谷、枝野3氏の)4人組でたらい回ししているのを国民は見抜いている」との批判もあがる。
結局は「国会審議のとげを抜く『問責改造』。最強の布陣なんかじゃない」(若手議員)。野党の「問責カード」に対抗しようにも、支持率が上がらなければ「衆院解散カード」は使えない。枝野氏は15日のBS朝日の番組で「解散・総選挙は全く考えていない」と言い切った。
「(改造は)失敗だった。これから大変だぞ」。民主党の参院幹部は予言した。
◇攻勢野党、与謝野氏に照準
「与謝野氏が菅政権のネックになる」。自民党幹部は15日、通常国会で与謝野氏に照準を合わせて政権を追及する考えを示した。同日のTBS番組では、山本一太参院政審会長が「個人的に言うと最初から問責を出したい」と与謝野氏に対する問責決議案提出にまで言及。野党は勢いづいている。
自民党は、年金改革や消費税率引き上げなどを巡って与謝野氏の主張と民主党の政策の矛盾を突き、閣内不一致をあぶり出す戦術を検討。自民党時代に民主党マニフェストを酷評した与謝野氏の「変節」や、菅首相の任命責任も問う構えだ。
石原伸晃幹事長は15日、東京都内で記者団に「信頼関係を放棄した人(与謝野氏)が先頭に立ってもだれもついていかない」と述べ、社会保障と税の一体改革に関する与野党協議に応じない考えを明らかにした。
野党は次期衆院選を「できるだけ早く行うべきだ」との回答が49%に上ったことにも強い手応えを感じている。自民党の谷垣禎一総裁は談話で「国会では問題点を厳しく突き、(衆院)解散・総選挙に追い込みたい」と強調。公明党の山口那津男代表も「常在戦場の気持ちを強く持っていく」と語った。与謝野氏を一本釣りされたたちあがれ日本の園田博之幹事長は「菅内閣ではだめだということ。徹底的に追及したい」と対決色を強めた。
ただ国会での与野党対決を支持する意見は30%にとどまり、強気一辺倒では逆に野党が世論の批判を浴びかねない。自民党幹部の一人は「一喜一憂しない。これからだ」と語った。
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◇全国世論調査の質問と回答◇
◆菅内閣を支持しますか。
全体 前回 男性 女性
支持する 29 (24) 28 30
支持しない 49 (56) 56 45
関心がない 22 (20) 16 25
◇<「支持する」と答えた方に>支持する理由は何ですか。
民主党の首相だから 20 (25) 19 20
指導力に期待できる 5 (4) 4 5
政策に期待できる 10 (8) 12 8
政治のあり方が変わりそうだから 64 (61) 62 65
◇<「支持しない」と答えた方に>支持しない理由は何ですか。
民主党の首相だから 3 (5) 3 3
指導力に期待できない 33 (37) 35 31
政策に期待できない 35 (31) 32 38
政治のあり方が変わりそうにない 29 (27) 30 28
◆どの政党を支持していますか。
民主党 20 (21) 21 19
自民党 21 (18) 24 19
公明党 5 (5) 4 6
みんなの党 6 (9) 9 4
共産党 3 (2) 3 3
社民党 1 (1) 1 1
国民新党 0 (0) - 0
たちあがれ日本 1 (0) 0 1
新党改革 - (0) - -
新党日本 - (-) - -
その他の政党 0 (0) - 1
支持政党はない 42 (44) 37 45
◆首相は、参院で問責決議を受けた仙谷由人官房長官を交代させました。この人事を評価しますか。
評価する 53 56 51
評価しない 39 40 39
◆首相は後任の官房長官に枝野幸男幹事長代理を起用しました。この人事を評価しますか。
評価する 44 43 45
評価しない 46 52 42
◆首相は元たちあがれ日本の与謝野馨氏を経済財政担当相として入閣させました。この人事を評価しますか。
評価する 37 36 38
評価しない 55 60 52
◆自民党は、国会開会に向けて政府・民主党への対決姿勢を示しています。国会で与党と野党の関係は、どうあるべきだと思いますか。
互いに対決すべきだ 30 36 25
双方譲り合うべきだ 64 59 68
◆次の衆院選はできるだけ早く行うべきだと思いますか。
できるだけ早く行うべきだ 49 56 45
早く行う必要はない 45 41 47
◆もし今、衆院選が行われるとしたら、比例代表でどの政党に投票したいと思いますか。
民主党 25 28 23
自民党 30 31 29
公明党 6 5 7
みんなの党 11 13 9
共産党 3 3 3
社民党 1 1 1
国民新党 0 0 0
たちあがれ日本 2 2 1
新党改革 0 0 -
新党日本 1 0 1
その他の政党 11 9 12
◆民主党の小沢一郎元代表が政治資金規正法違反で強制起訴された場合、小沢氏は離党すべきだと思いますか。
離党すべきだ 77 70 81
離党する必要はない 18 25 13
◆09年衆院選で民主党が掲げたマニフェストについて、修正すべきだと思いますか。
修正すべきだ 78 79 78
修正する必要はない 15 16 15
(注)数字は%、小数点以下を四捨五入。0は0.5%未満、-は回答なし。無回答は省略。カッコ内の数字は前回12月18、19日の結果。
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◇調査の方法
14、15日の2日間、コンピューターで無作為に選んだ電話番号を使うRDS法で調査。有権者のいる1508世帯から、1073人の回答を得た。回答率は71%。
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