狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

歴博「集団自決」展示文の変更の顛末

2011-01-06 16:06:26 | ★集団自決

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今朝(6日)の沖縄タイムス一面トップは、「歴博展示問題」が大きく飾ると思ったが、比較的地味なあ扱いの左トップであった。

軍強制・関与明記せず

歴博「集団自決」要因言及

そして第二社会面のトップがこれ。

歴博「集団自決」説明文

「事実抜け落ちている」 体験者ら怒りの声

軍強制・関与 明記せず 歴博「集団自決」要因言及  沖縄タイムス 2011年1月6日

展示見直し公開
 【千葉】沖縄戦の「集団自決(強制集団死)」のパネル説明文から日本軍関与の表現を削除していた国立歴史民俗博物館(佐倉市、平川南館長)は5日、沖縄戦関連の展示内容を見直し公開した。「集団自決」について、手りゅう弾の配布で示された軍人の指示や米軍に対する恐怖心、投降を避けるべきだとした一般の観念などを住民の意思決定の要因として挙げたが、焦点だった日本軍の強制、関与の表現は明記されず、沖縄側が求めた進展はなかった。

 沖縄戦などをテーマに、昨年3月に第6展示室「現代」を開設した同博物館は、軍関与削除に対する県内外の批判を受け、展示内容の修正を決定。学外の学識経験者などを交えたリニューアル委員会で4度にわたり協議し、見直した。

 これまでは「戦場の民間人」の項目に盛り込まれていた「集団自決」を見出し付きで取り上げ、「集団自決」を招いたさまざまな要因に言及したとしている。米軍の恐怖をあおり、投降を禁ずる軍の布告を同時に掲示した。

 また、沖縄戦特有の「住民の戦力化」と「軍・官・民共生共死の一体化」を指摘。日中戦争以降に国民総動員体制や皇民化政策が強化された「戦時体制下の沖縄」、防衛隊や学徒隊の動員など住民を戦力にしていく「防衛構想と実態」などの項目を新たに加えた。市町村史などの証言資料を来館者用図書室に設置した。

 平川館長は「現在の学界の研究状況を十分反映していないという意見から、展示意図が十分に伝わっていないとの反省に立ち再検討した」と言い、今後も検討し、改善を続けるとした。

 沖縄戦に詳しい高嶋伸欣琉球大名誉教授は「軍関与、強制が明記されず、期待はずれだ。『追い込まれた』という記述が削られ、強制された集団死という『集団自決』の位置付けをトーンダウンさせる内容になった」と批判した。

                                                                        

そもそも「歴博展示問題」とは何か。 

琉球新報の説明にようるとこうなっている。

<用語>「集団自決」歴博展示問題
 2010年3月、国立歴史民俗博物館(歴博)が、沖縄戦の「集団自決」(強制集団死)に関する展示で、当初予定していた旧日本軍関与の記述を取りやめた。理由として歴博は軍命の有無が争点となった大江・岩波訴訟などを挙げた。県民の反発や修正の申し入れを受け、リニューアル委員会が展示内容の修正を議論していた。

これはあくまで表面上の説明であり、その実相は上告中の「集団自決訴訟」の最高裁判事判断に圧力を加えるため、沖縄2紙と被告応援団が因縁をつけた法廷外闘争の一環に過ぎない。

「集団自決」の「軍命に有無」に関しては、2007年3月の高校歴史教科書に関する「軍命」を削除するという文部省検定意見を契機に議論が白熱化してくる。 折りしも係争中の「集団自決訴訟」も相まって原告側(軍命なし派)と被告側(軍命あり派)の各々応援団が法廷外でも大論争となる。

中でも2007年9月29日に行われた「11万人集会」は、3万足らずの参加者を11万人に水増しする誇大報道の沖縄2紙の圧力に怯えた当時の福田内閣が、「関与は認める」という妥協をした。

ちなみに藤岡信勝拓大教授は当時から、日本語の意味のあいまいな「関与」を認めるのは「トリックである」として反対をしている。

【正論】集団自決と検定 拓殖大学教授・藤岡信勝 “トリック報道”で世論誘導
 

だが依然として「軍命と強制は削除」という検定意見は有効のままである。

一方の「集団自決訴訟」は一審、二審とも原告側の名誉毀損請求は退けられ原告側の敗訴に終わった。

ところが「集団自決訴訟」の最大の争点である「軍命(強制)」に関しては、被告側が「軍命が立証することができず、事実上原告側の勝訴であり、原告の名誉は回復されている。

では、今回世間を騒がした歴博展示問題の結果、一体何がどう変わったのか。

次稿では「集団自決論争」では全く反対の立場に立つ産経と朝日2紙を引用して論考してみる。

つづく

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コメント

沖縄県が安保研究機関 設立へ 基地問題を論議

2011-01-06 07:37:05 | 金武町流弾事件

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 安保研究機関 設立へ 基地問題、県が方針2011年1月4日               

 県は年明けから、沖縄の米軍基地問題を含めた日本の安全保障問題全般などを議論する研究機関の設立に向けた具体的な調査、検討に着手する方針だ。
 仲井真弘多知事は11月の知事選に際し、災害対策などを含めた「総合安全保障の研究機関」構想に言及しており、公約の普天間飛行場の県外移設に向けた取り組みを理論面から支えるシンクタンク的な役割も期待している。
 研究機関は県が2000年の沖縄サミットなどを踏まえ、稲嶺前県政時から推進してきた学術・研究の交流拠点構想も踏まえた取り組み。アジア・太平洋地域における地理的優位性などを生かし、安全保障分野などでの国際的な研究機関の設立を目指している。
 行政組織や外郭団体としてではなく、当面は外部の有識者らを交えた緩やかなネットワークとしての発足を想定。11年度に具体的な調査を開始することを検討している。
 仲井真氏は知事選後のインタビューで「総合安全保障の研究機関だ。役人だけではなく、オープンシステムでやりたい」と説明。基地・安保問題のほか大規模災害や疫病、食糧、エネルギー問題なども網羅する構想を披露している。
 一方で研究機関には普天間の県外移設実現に向けた県の施策を戦略的にも支える役割も担わせたい考え。
 12月28日の会見で仲井真氏は「米軍や自衛隊など日本の防衛システム、具体的な基地のありようを絶えず見直してもらえば、沖縄の基地問題はわれわれが期待する方向への動きが出るのではないか」と期待を示した。
 さらに「県外移設はそういうものも横目でにらみながら展開しないと、なかなか簡単ではない」と指摘。安保研究所構想を、年明け早々に策定する方針の県外移設実現のための行動計画とも関連付けて議論していきたいとしている。(与那嶺明彦)

                                                                 
                                                                      ☆

国防・安全保障は国の専管事項ではあるが、大規模災害や疫病の蔓延のような直接人命に関わる案件の他にも昨年の宮崎口蹄疫の例のような地域の産業に大打撃を与えるような案件も含む総合安全保障の研究機関なら県が取り組んでもおかしくは無い。 ましてや沖縄県は覇権国家中国の侵略にさらされる国境の県である。 

基地問題は一にも二にも安全保障の問題であり、間違ってもゴミ処理場移設等と同じ視点で論じるべきではない。

したがって普天間移設も国防・安全保障の論議を抜きにしては単なるイデオロギー論争になってしまう。

 安全保障研究所の設置については、仲井真知事がこれまで何度も投げかけてきたこの言葉を論議しようということ。

 「米軍は沖縄を守るためにいるのではなく、日本全体の安全保障、アジア太平洋地域の安定の点からいる。日本全国で、解決をお願いしたい

基地問題、言い換えれば国防問題は、その近隣住民だけで考えるべきではなく、日本国中の安全保障の問題として捉えるべきである。

議論を尽くせば自ずとわが国の国防上、どの場所に移設するのがベターなのか結論が出てくるはずだ。

沖縄県民は稲嶺名護市長や伊波前宜野湾市長のような極左思想に染まってはいない。

■安保論議を避ける沖縄紙■

沖縄2紙を始め沖縄の「識者」の論調は概ねこうだ。

「日米安保を破毀し、米軍基地を撤去。 自衛隊の沖縄配備は反対」・・・。

これでは旧社会党の非武装中立そのものである。

敵国の侵略にはどのように対処するかと問われると、「話し合いをすればよい」とくる。

さらには「侵略させないように外交努力をすればよい」、と結論付ける。

これでは議論にはならない。

 沖縄紙は安保論議を避け、民意が変わったことには頬被りをして、ただひたすら「県外移設を」と仲井真知事に釘を刺し続けている。 

沖縄の民意は11月の知事選で変った。

県知事選で圧勝した仲井真現知事の普天間移設の公約が対立候補と紛らわしい「県外を要請する」をいいことに、伊波候補を支持していた地元マスコミも、またマスコミ御用達の「識者」の面々も、民意が変ったことに気がつかないそぶりを続けている。

そして、「県外移設」が民意であるかのように大合唱するさまは、まことに異様な風景である。

沖縄内外の左翼組織を大動員して支援した伊波候補が大差で敗退した後、県内2紙は、民意が変った事実を糊塗するため、サヨク「識者」を動員して「言い訳」のための特集を組んだ。

ニュースとしての鮮度は落ちるが、琉球新報が知事選直後の12月2日に掲載した「識者の分析 中」は、その典型なので抜粋引用する。(太字強調と段落変更は引用者)

現職再選を読む

’10知事選 識者の分析 中    佐藤学 (沖国大教授) 

県知事選挙結果を、菅政権も、また米国政府も、安堵して受け止めていると報道されている。 米国主要紙は、再選を果たした仲井真弘多知事ならば、菅政権が交渉することができ、辺野古新基地建設が可能となるというような見方をしており、また日本の全国紙の中にも、県民の意思は日米安保支持であり、そのための県内移設を進めるべきだという選挙分析をしているものがある。 これらの見解は、沖縄県民の意思は、どのようにでも捻じ曲げることができるという、傲慢不遜で愚劣な、沖縄を隷属的位置にしか見ない思考を如実に表している。 
彼らは県知事選挙という、民主政治における最も公的な手段で明確に表された「県外移設」主張すら、その正当性を認めるつもりがない。 1月の名護市長選挙、2月の県議会での全員一致の決議、そして9月の名護市議会議員選挙と、公的な手段で県民は辺野古を受け入れない意思表示をしてきた。

今回、主要両候補が辺野古以外を求める選挙になったことで、これ以上ない形で、県民の意思は表明されたのである。国は、来年度で期限が切れる沖縄振興計画に次ぐ政策を交換条件として、辺野古を強要してくる。それが「交渉」である。もし、より有利な振興策と辺野古新基地受け入れの交換をすれば、沖縄は恒久的に隷属的地位に置かれることになる。政権交代以来の県民の意思表示は、すべては「金目当て」であったと判断されるのだ。

今後の仲井真知事の責任はこの上なく重い。また、辺野古反対を明確に主張し、2度の県民大会の共同代表を務め、知事の「県外」主張の生みの親となった翁長雄志那覇市長も、同様の責任を負うことになる。もし、仲井真知事が、そのような交渉・交換を想定し、「県外移設」主張が選挙に勝つための方便であったかのような決定をすれば、それは県民を愚弄し、沖縄の将来を破壊することにほかならない。

軍事的に必要の無い海兵隊代替基地の建設を止めさせるためには、嘉手納空軍基地が、既に応分以上の負担である事実を突きつけるべきである。それは保守知事だからできる「交渉」ではないか。それにより、本来、基地強要とは無関係である沖縄振興計画を、沖縄の自立のためという、本来の姿に戻さねばならない。(政治学)(琉球新報2010年12月2日)                                                    

                                                 ☆

 >1月の名護市長選挙、2月の県議会での全員一致の決議、そして9月の名護市議会議員選挙と、公的な手段で県民は辺野古を受け入れない意思表示をしてきた。

民意はその証拠が今回の県知事選における伊波前宜野湾市長の敗退であり、名護市民の仲井真候補支持である。

 民意は時の流れとともに変る。

名護市民の直近の民意は昨年11月の県知事選であり、

県知事選で沖縄県民は勿論、名護市民の民意は変わっている。
 この事実をこの「識者」は直視できないのだ。

 

>今後の仲井真知事の責任はこの上なく重い。また、辺野古反対を明確に主張し、2度の県民大会の共同代表を務め、知事の「県外」主張の生みの親となった翁長雄志那覇市長も、同様の責任を負うことになる。もし、仲井真知事が、そのような交渉・交換を想定し、「県外移設」主張が選挙に勝つための方便であったかのような決定をすれば、それは県民を愚弄し、沖縄の将来を破壊することにほかならない。

県民は鳩山妄想で一年間も熱狂させられ、名護市長選、市会議員選で大きく揺れ動いたが、11月の県知事選挙で伊波洋一氏の「日米安保否定・親中国」という極左思想をを知るに及んで、悪夢から覚醒し、現実路線の仲井真候補を選択したのだ。

>軍事的に必要の無い海兵隊代替基地の建設を止めさせるためには

離島奪還の機動性を持つ海兵隊が「軍事的に必要ない」かどうかの議論は措いても、「海兵隊不要論」で保守系有権者を取り込み、県民大会まで開いて、結局は「日米安保反対、米軍基地撤去」に切り替えたのが左翼勢力の作戦だったが、これは時間の経過とともに県民の良識に見破られてしまった。 

それが知事選の結果である。

 再度いう。 沖縄の民意は変わった。

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