今朝の沖縄タイムスは合計6面を使って安慶田告訴劇で大発狂。
■一面トップ
安慶田氏 前教育長を告訴
前教育長「受けて立つ」
知事「大変由々しい」
■二面トップ
県政混乱 遠のく解決
「喚問会費の意図か」
県幹部・議会指摘相次ぐ
■三面トップ
政府交渉 見直し必至
県と国にデメリット
基地戦略「大転換」へ
■第二社会面トップ
民事と刑事 法廷対決
専門家「起訴困難」の声も
地検の判断が鍵
■社会面トップ
人事介入 一部認める
告発「耐え難い苦痛」
硬い表情 語気強め
唐突な告訴 告発者の萎縮懸念
自分の言葉で説明を
翁長知事の「汚れ仕事」の代行人といわれた安慶田前副知事が、諸見里前件教育庁を告訴したことで、県内に激震が走った。
安慶田氏の告訴劇は、直前まで県庁のナンバー2だった人物が、昨年まで県の教育行政のトップだった人物を告訴するという前代未聞の事態だ。 県庁内に疑心暗鬼の空気が流れるのも止むを得ない。
そもそも、潔白を主張していた安慶田氏の当然の辞職にも疑問が多い。
自分が潔白で、前教育庁が嘘をついているのなら、職に止まって自分の潔白を証明し、嘘をついた前教育長が辞任するのが筋のはずだ。
また翁長知事の対応も不可解だ、二度の会見で「本人は何も覚えがないと言っている」などとして嫌疑を否定し、安慶田氏を擁護、調査の可能性も否定した。
前教育庁の告発を受け、「任命者としての責任を自覚している」などと述べたが、十分な調査も尽くさずに幕引きを図ろうとした知事の姿勢が県民の不信感を増幅させたことは間違いない。 「汚れ仕事」の代行人の辞任を「トカゲの尻尾切り」のつもりで、口封じのため闇に葬るつもりではなかったのか。
ところが沖縄2紙が「このままではない」「真相解明を」などと書きたてたので、やむなく記者会見に応じた安慶田氏の唐突とも言える告訴劇だ。
告訴された諸見里前教育長は「うそ偽りなく全て話してきた。逃げるわけにはいかないので正面から受けて立つ」と鼻息が荒い。
安慶田前副知事が嘘つきか、諸見里前教育長が嘘つきか、法廷で決着がつくだろう。
だが、いずれが嘘つきにせ県幹部の法廷闘争で一番困惑しているのは、翁長知事だろう。
闇に葬り去るはず「汚れ仕事」の詳細が法廷で県民の目に晒されることになるのだ。
翁長知事は安慶田氏の唐突とも言える国訴劇に対し「由々しきこと」と本音を漏らしている。
「由々しきこと」を辞書で調べると、次のような説明がある。
「そのままほうっておくと、とんでもない結果を引き起こすことになること」
知事の発言は的を射た発言だ。 「闇の仕事人」の法制闘争を「そのまま放っておくと、とんでもない結果を引き起こす事態」になりかねない。
つまり開き直った安慶田氏の吐く「毒」が翁長知事に降り掛かって、政治生命を失いかねない。
刑事告訴に「由々しいこと」 翁長沖縄知事、副知事の教員採用口利きで
沖縄県の安慶田光男前副知事による教員採用試験への口利きと教育庁幹部人事への介入疑惑を巡り、安慶田氏が諸見里明前教育長を名誉毀損(きそん)で刑事告訴したことについて、翁長雄志知事は26日午後、「由々しいことだと思っている。トップの知事としては、このこと自体を重大に考えており、県民の不安や心配を取り除いて県政に期待を持てるよう説明を含めてしっかりやれるのかどうかが大変重要だろうと思っている」と述べた。都内で記者団の取材に応じた。
翁長知事によると、安慶田氏から25日午前に電話で刑事告訴する意向が伝えられた。県として安慶田氏に改めて聞き取り調査をするのかについては「(東京から)帰ってから、改めてどのように対応していくのかを考えていきたい」と述べるにとどめた。
【琉球新報電子版】
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>県として安慶田氏に改めて聞き取り調査をするのかについては「(東京から)帰ってから、改めてどのように対応していくのかを考えていきたい」と述べるにとどめた。
安慶田副知事の任命責任者として、疑惑解明の調査は県民に対する義務だ。
「改めて考える」などと悠長なことを言っている場合ではない。
出席や証言を拒否したら罰則のつく百条委員会の設置を急ぎ、早急に真相解明に協力するべきである。
安慶田氏の唐突な告訴に対し、県幹部は「告訴すれば、百条委への出席を求めても『係争中』として応じないことができる」と懸念する。
だが、仲井真県政当時、県は「識名トンネル問題」や「辺野古埋め立て承認」で、第三者委員会を設置し検証してきた経緯がある。
県が案慶田疑惑で第三者委員会を設置しないのであれば、県民から『なぜ今回は例外なのか』『ダブルスタンダードではないか』、と思われても仕方がない。
県は安慶田氏の告訴とは別に百条委員会を設置し、県独自の真相解明に務めなければ県民を裏切ることになる。
【おまけ】
昨夜、新年会を北谷町の某所で行った。
安慶田氏の唐突な告訴劇も話題になった。
以下は酒席の酔談である。
「安慶田は『記憶にない』と言っているが、ボケたのかね」
「いや、一部は覚えていると認めているからマダラボケだろう」
「いやいや、安慶田はワルだよ。手書きのメモをシュレッダーで廃棄したと報道で知って、証拠がないから勝てると思ったのでは」
「いや、諸見里はもっとワルだよ。 証拠のメモは廃棄した見せ掛け、実は保管しているのでは」
「最後に、これが目に入らぬか!と法廷で黄門様の印籠をやるのでは」
「証拠のメモを見て安慶田、泡を吹くだろう」
「ふぐは泡ではなく、毒だろう」
「ふぐが自分の毒で死なないのは不思議だね」
「不思議だ」
「次に毒にあたるのは誰」
「翁長だろう」
「翁長はフラフラ、県庁はガタガタ」
「オール沖縄はブンレツだ」
「これで翁長県政もオワリだね」
「乾杯!」
安慶田光男前副知事による教員採用試験への口利きと教育庁幹部人事への介入があったと諸見里明前教育長が文書で証言したことを受けて、安慶田氏は26日午前、県政記者クラブで会見し「前教育長の文書記載や同様の説明は事実ではなく、このようなつくり話で名誉を侵害され、耐え難い苦痛を与えられたことから、前教育長を名誉毀損罪で刑事告発することとし、昨日(25日)、那覇地検に告訴状を提出した」と諸見里前教育長を名誉棄損(きそん)の容疑で刑事告訴したことを明らかにした。併せて26日に名誉棄損に基づく損害賠償を求めて民事提訴したことも明らかにした。安慶田副知事による口利きを巡る問題は、前副知事が前教育長を告訴する異例の事態に発展し、泥沼化の様相を呈している。
諸見里前教育長は県教育庁に提出した文書で、2015年8月ごろの教員採用試験での口利きや15年1月と16年1月の教育庁幹部人事への介入について、自身が副知事室に呼ばれて依頼を受けたことや、受験者のメモを渡されたことなど詳細を告発している。
諸見里前教育長の文書を受けて再調査した平敷昭人県教育長は24日、事実関係を認める複数の証言があったとして「働き掛けがあったと考えざるを得ない」と結論づけた。
諸見里前教育長は、以前の教育庁の調査に、副知事の働き掛けがなかったことに同意していた。翻意の理由について書面で、副知事の「絶対否定」の姿勢に「大きな違和感を覚えた」などとしている。【琉球新報電子版】
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安慶田光男前副知事による合格依頼の働き掛けがあったとされる教員採用試験。県教育委員会は事実を認めた上で、試験結果への影響はないと説明した。採用試験は過去に選考過程の不透明さやチェック体制の甘さが指摘され、不正やミスの余地がないよう改善を重ねてきた。だがある県教委幹部経験者は、有力者などからの採用依頼は「これまでにもあり、今回に限った話ではない」と明かし、再発防止策の必要性を強調する。
県教委幹部経験者の1人は現職時代を振り返り、「第三者を通じて、議員の親族の採用依頼を受けたことがある。当然応じなかった」と打ち明ける。「不正は絶対に無理、とは思わない。どんな制度にしても最後は職員の倫理観に掛かっている」と強調。別の幹部経験者は「さまざまな形の依頼は少なからずあったが全て拒否した」と話す。
県教員採用試験は2007年、143人の追加合格者を出す前代未聞の採点ミスが起きた。担当者が1次試験の配点を間違って指示したほか、正答を誤答と指定した単純ミスが原因。チェック体制の不備と職員意識の問題が露呈し、県教委は試験問題や解答の積極的な公表、詳細な業務マニュアルの作成を決めた。
08年、大分県で教員採用試験の汚職が発覚したことを受け、沖縄県教委は(1)問題や解答、配点の公表(2)業務マニュアルで担当職員の役割を明確化(3)受験番号や点数などのデータを複数で共有、チェック-の改善策を講じた。関係者は「幹部でも結果を操作する余地はない」と口をそろえる。
それでも「合格依頼」は後を絶たない。別の元教育庁職員は、今回の前副知事の働き掛けを「依頼者の立場が大きな問題。副知事という地位を利用すればどう喝と同じ。断るには大変な労力が必要で、あってはならない政治介入だ」と批判し「再発防止の仕組みづくりが不可欠だ」と語る。
元教育長の津留健二・沖縄女子短大教授は「今回の問題は非常に残念。試験結果や人事で県民に少しでも疑念を抱かせてはいけない」と強調。「働き掛けを毅然(きぜん)とした態度で拒否すれば、やがて依頼自体がなくなる。それが最大の再発防止策だ」と提言する。