社会
東京MX「ニュース女子」に対する辛淑玉さん見解
琉球新報 2017年1月27日 10:28
1月2日放送東京MXテレビ「ニュース女子」に対する「のりこえねっと」共同代表の辛淑玉さんの見解は次の通り。
◇ ◇
1月2日に放送されたTOKYO MX「ニュース女子」は、とにかく酷(ひど)かった。
見ていて、こみ上げる怒りを抑えるのがこれほど難しかった経験はかつてなかった。胃液があがってきて、何度も吐いた。その後も、何気ない会話の中で突然涙が出てきたり、幾日も眠れぬ夜を過ごし、やっと眠れたと思えば悪夢にうなされた。
私が、この番組の放つ悪意に冷静に向き合えるようになるまでには、時間が必要だった。友人や報道陣からの問い合わせに簡単な返信すらできなかったことを、この場を借りてお詫(わ)びしたい。
いま、可能な限り、私の思いを言葉にして綴(つづ)りたいと思う。
* *
「ニュース女子」の手口は、基地反対運動について、徹底的にニセの情報を流すというものだ。
現場にも行かず、当事者にも取材をしない一方で、反基地運動によって迷惑をこうむっているというニセの「被害者」を登場させる。そして、「沖縄の反基地運動はシンスゴという親北派の韓国人が操っている。参加者はカネで雇われたバイトで、その過激な行動で地元の沖縄人は迷惑している」というデマを流して視聴者の意識を操作する。
これは、沖縄の人々の思いを無視し、踏みにじる差別であり、許しがたい歪曲(わいきょく)報道である。また、権力になびく一部のウチナンチュを差別扇動の道具に利用して恥じない「植民者の手法」でもある。
多くの報道で、「ニュース女子」が取材もせずに番組を作ったことが指摘されていたが、彼らは取材能力がないためにネトウヨ情報を検証もせずに垂れ流してしまったのではない。この番組は、「まつろわぬ者ども」を社会から抹殺するために、悪意をもって作られ、確信犯的に放送されたのだ。
だから、間違いを指摘されても制作会社はコメントを拒否し、MXテレビは「議論の一環として」放送したと開き直っただけだった。公共の電波を使った放送を担う企業としての体をなしていない。
為政者にとって、自分になびかない者の存在は、自らの優越性を否定されるため最も憎い存在であり、だから国家体制を批判する者には「非国民」のレッテルを貼り、他の国民が寄ってたかって攻撃するよう仕向ける。その手先としてメディアを使う。そこにあるのは「愚かな国民など、この程度のことを吹聴しておけば簡単に騙(だま)せる」という国民蔑視だ。
国家権力の素顔を見抜き、闘いを挑んでくる「生意気な非国民ども」に対しては、ただ潰(つぶ)すだけでは飽き足らず、嘲笑(ちょうしょう)して力の差を見せつけた上で、屈辱感を味わわせようとする。「ニュース女子」が、年始特番の、しかも冒頭で私を名指しして嘲笑したのは、私が怒って抗議してくると想定した上でのことだろう。感情的になって抗議してくればそれを笑い飛ばす、抗議してこなければ、「抗議してこないのは、報道内容が正しかったからだ」と宣伝材料に利用できる。どっちにころんでも美味(おい)しいというわけだ。
私も、沖縄の人々も、平和を希求する者は、一方的に攻撃されているのに、それが被害であること、ヘイト・スピーチであることを、被害者の側が実証しなければならないという理不尽な立場に立たされる。私は、毎日仕事をしながら、家族の介護をしながら、シェルターを運営しながら、怒りを抑えて問題を冷静に見つめ、膨大な時間を費やしてBPO(放送倫理・番組向上機構)に提出する文書を書かねばならない。
その必要がなければできたはずの、睡眠時間や、家族・友人との大切な時間、幸せ、楽しみといった人生本来の意味をも、一方的に奪われている。相手を嫌でも闘わざるを得ない立場に追い込み、休息する権利、声を上げる権利を奪うのは、それ自体が人権侵害なのだ。そしてこれは私だけのことではなく、沖縄の人々が置かれている状況も同じだ。
私はなぜ、在日への差別だけでなく、さまざまな差別に声を上げるのだろうか…。
時に、自分でも不思議に感じる時がある。お金も、時間も、体力も、あらゆるものを犠牲にして、どうしてここまでやるのかと。もっと楽な生き方ができたはずなのにと言われたことも、一度や二度ではない。
確かなのは、被差別の歴史に共感する胸の痛みがあるということだ。
歴史や文化は異なっているが、ウチナンチュも在日朝鮮人も、日本の国家体制によって植民地支配を受け、人間としての権利を保障されず、排除・差別されてきた。
ウチナンチュは日本国籍を付与された一方で島ごと奪われ、沖縄戦では「国体」や本土の日本人を守るための捨て石にされた。敗戦後は膨大な米軍基地を押し付けられ、いまも命・生活・人間の尊厳など多くを奪われ、抑圧されている。
朝鮮人は、頼んでもいないのに帝国臣民にされ、日本兵の下請け・弾よけとして最も危険できつい労役につかされた挙げ句、敗戦後は日本国籍を一方的に剥奪(はくだつ)され、国籍がないことを理由に戦後補償の対象から外され、「外国人」として排除、差別を受けてきた。
経緯に違いはあっても、植民地支配の対象とされてきた点では同じ位置に立たされている。
そして、私は「殺せ」と言われ、沖縄の友人たちは「ゴキブリ」「ドブネズミ」「売国奴」「土人」と言われ、まとめて「反日・非国民」とくくられている。沖縄で起きていることは、私にとって他人事ではないのだ。
彼らの痛みは私の痛みでもある。在日としてこの国に生を受けた以上、見て見ぬふりは許されないと私は思っている。
「どんな発言にも表現の自由はある」と「中立公平」を装い、サイレント・マジョリティーの位置を確保して高みの見物(これこそが特権である)をする人々の沈黙によって、「在日」も「オキナワ」も、孤立無援の状態で表現の自由を奪われている。
差別と闘う責任は、被差別の側ではなく、差別構造を作り出し温存する側にこそある。この国の主権者は、自らの社会から差別をなくすために払う努力を、主権を奪われたままの在日に押し付けてはならない。同様に、沖縄に押し付けてもいけない。
新しい基地を作らせないという闘いは、ヤマトンチュ自らが政治の中枢部でなすべきであり、そうしなければ根本的な解決には至らない。
いまこそ、マジョリティーが矢面に立って闘わなければ構造は変わらない。自分に火の粉が降りかからない限り動かない者が多数派の社会に、未来はないのだ。
デマを流し、政権の尖兵(せんぺい)として憎悪扇動を行うこの番組を、決して許してはならない。あらためて、それだけは言っておきたい。
☆
反基地運動報道の真偽
沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)
2日に放映された東京の地上波テレビ局、東京MXテレビの番組「ニュース女子」は、「沖縄基地反対派はいま」と題して、東村高江周辺の米軍ヘリパッド建設の抗議行動について詳報した。これに対して、沖縄の2紙や一部ジャーナリストが「沖縄ヘイト」と断じ、激しく抗議している。
2日放送の同番組では、米軍北部訓練場のヘリパッド移設工事や、米軍普天間飛行場の移設先である名護市辺野古における反基地活動について軍事ジャーナリストの井上和彦氏がレポートした。その中で、反基地活動家の過激性・暴力性を暴き、県外・国外からも多数デモに参加し、中にはお金をもらっている人もいると伝えた。
これについて沖縄2紙は「沖縄に対するヘイト」と批判する記事を掲載。ジャーナリストの津田大介氏と安田浩一氏は同局が放送する朝の報道番組への出演を辞退した。
反論を受け、東京MXは同番組で、「さまざまなメディアの沖縄基地問題をめぐる議論の一環として放送した」と見解を公表。番組スポンサーのDHCは20日付けでウェブサイトに以下の見解を掲載した。
<のりこえねっとのチラシを元に5万円の交通費が支払われていると紹介しましたが、これはその是非を問うものではなく、事実のみを紹介したものです。
また、日当2万円の根拠についても、貰ったと証言されている方がおり、その茶封筒は反対派で占拠されている状態の基地ゲート前で拾われ、証言と茶封筒の金額が一致しているところからも合理的な疑いを持たざるをえません>
何が正しくて間違っているのか。後は読者のメディアリテラシーに委ねたい。(T)
【おまけ】
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【琉球新報】のりこえねっと代表の辛淑玉さん「ウチナンチュも在日朝鮮人も、日本によって植民地支配を受け、人間としての権利を保障されず、排除・差別されてきた」
1月2日放送東京MXテレビ「ニュース女子」に対する「のりこえねっと」共同代表の辛淑玉さんの見解は次の通り。
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ウチナンチュも在日朝鮮人も、日本の国家体制によって植民地支配を受け、人間としての権利を保障されず、排除・差別されてきた。
リンク先全文参照
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-434266.html
「日本が悪い」って叫びたい連中の吹き溜まりになってるな
沖縄県民のふりして騒いでる工作員は叩かれてるけどな
するつもりもないぞ。同じ日本人だからな。
なのに差別だ差別だ高らかに叫んで差別意識を植え付けようとしてる連中がいる
これは解同も同じ
沖縄だからこうっていう差別できるような特徴もないし無理すぎる
引用元: http://hayabusa8.2ch.net/test/read.cgi/news/1485515392/
これまで沖縄2紙を、捏造新聞と批判するのは専ら、ネット媒体によるものだった。
したがって、批判が真実の指摘であっても、「ネトウヨの妄言」などとレッテル貼りで対応し、まともに反論することはなかった。(彼らが「市民」と報じるプロ活動家が、極左暴力集団であり、県外から集結したプロ活動家には対価が支給されていたので、反論できなかったのも事実)
ところがこれまで沖縄2紙のお仲間と考えていた地上波テレビの東京MX「女子ニュースが」が、高江の真実を報道した。
そして、報道が真実であるため沖縄2紙は窮地に追い詰められる。 報道は間接的に沖縄2紙の捏造報道を指摘することになるからだ。
影響力の大きい地上派テレビによる「高江の真実」の暴露を看過していたら、沖縄2紙が捏造報道をしていた事実を認めることになる。
沖縄タイムスと琉球新報は、生き残りをかけて捏造新聞の「汚名」払拭に躍起となった。
沖縄2紙の最近の紙面は、安慶田疑惑報道の合間を縫うように「東京MXテレビ」の「高江の真実」の報道に対し、あたかも同報道がデタラメであるかのような印象報道に懸命である。
しかも自分の意見としては反論ではない。
高江で暴走する在日韓国人の口を借りて反論する沖縄2紙の手口だ。
これには失笑せざるを得ない。
自分らが捏造報道する時は、「言論・報道の自由」を掲げ、自分らが批判されるときは言論封殺を強要する。
これが報道の二重基準でなければ、一体何だというのだ。
今朝の沖縄タイムスから、東京MXテレビ関連の見出しを抜粋・紹介しよう。
■一面中段
虚偽で名誉侵害申し立て
MXテレビ報道 辛さんBPO
■六面
「ニュース女子」への辛淑玉さん見解
■社会面トップ
「うそと妄想とデマ」
MXテレビ高江抗議報道 辛さん、番組断罪
「悪意拡散に抗議」沖縄有志声明発表
「女子ニュース」のポイントは高江の「市民」が暴力を振るう暴徒である事実と、「市民」のほとんどは高江の外部からの来たプロ活動家で、「日当」が支払われいるという事実の報道だ。
■高江の暴徒の証拠は⇒【ノーカット配信】沖縄ヘリパッド移設反対派リーダーが逮捕~これが暴力行為の決定的証拠だ!【ザ・ファクト】
■日当の証拠⇒
リンク先全文参照http://ryukyushimpo.jp/news/entry-434266.html
東京MXの高江報道を認めてしまったら、沖縄2紙が捏造報道していたことを認めることになる。
沖縄2紙の自存のためには東京MXテレビの報道を「「うそと妄想とデマ」と決め付けて、全否定しなければならぬ。
だが、しかし・・・・。
沖縄2紙の「自存の闘い」は騒げば騒ぐほどブーメランとなる!
沖縄タイムス+プラス ニュース
辛淑玉さん、BPOに申し立て「むごい番組」 東京MX「ニュース女子」
【東京】東京MXテレビの番組「ニュース女子」が東村高江周辺での米軍ヘリパッド建設に反対する抗議行動に関して事実と異なる放送をした問題で、虚偽の内容で名誉を侵害されたとして、ヘイトスピーチに対抗する団体「のりこえねっと」共同代表で人材育成コンサルタントの辛淑玉(シンスゴ)さんが27日、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会へ申し立てた。
放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会に申し立てたことを会見で報告する辛淑玉さん=27日、東京・衆院第2議員会館
放送局に対し、同番組内での訂正放送と謝罪、同放送局の報道番組での検証結果の報告、再発防止策の公表―などを求めている。
辛さんは同日、都内で会見し、「『ニュース女子』は大変むごい番組だ。彼らは笑いながら私を名指しし、笑いながら沖縄の人々を侮辱した。私はその中で黒幕とされた。ネットで言われている言説を、テレビの地上波でそのまま流すのは罪が重い。問われているのは日本のメディアであり、日本の報道であり、日本のマジョリティーの人たちだ」と訴えた。
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