「あらゆる手段で辺野古阻止」と叫び続けていた翁長県知事が「承認撤回」を明言したにもかかわらず、沖縄タイムスの反応は冷めた感じを否めない。
沖縄タイムスが冷ややかな理由は、「撤回」の期日については言葉を濁し、「撤回」とは表裏一体の「民意」を示す県民投票についても言及しなかったからだ。
前のエントリーで、保釈で拘置所をでる山城被告をまるで「ヒーローを迎える県民」といった誇大報道をした山城報道を見て、「反権力のカリスマ」は翁長知事から山城被告に代わった印象を受けると書いた。
今朝の沖縄タイムスを見る限り筆者の危ぐはまんざら的外れでない印象だ。
■一面の囲み記事(写真つき四段記事)
長期拘留された山城議長
戦争阻止声上げる
県民運動「守りぬく」
■第二社会面トップ(写真つきで紙面の約半分)
山城議長 勝訴へ決意
県民の怒り 法廷で主張
共謀罪 怖さ感じた拘留
しっかり食べてますか
拘留中 激励の手紙約100通
まるで140万県民のリーダーは山城被告であるかのような記事の一部を抜粋してみよう。
(山城は)起訴された罪については「詳細は法廷で明らかにしていく」とした上で、「指摘された行為が有ったとしても、発端は機動隊の暴力や無謀な工事であり、やむにやまれぬ表現の自由の行使だった」と主張。「県民の怒りと悲しみ、それを受けた運動を守り抜く」と語った。
「知事の証人撤回に期待する気持ちは分かるが、現場は現場で人を集める努力をしなければ。特に運動体、首長、議員たちは現場主義であるべきだ。なかなか足を運べない県民も現場に想いを馳せてくれれば、力強い運動が続けられる」
山城被告と同じ辺野古キャンシュワでマイクを握った翁長知事が「承認撤回」を明言したときも、聴衆から万雷の拍手が有るかと注目したが、パラパラと諦めにも似た拍手しか起きなかった。
既に沖縄タイムスのみならず、現場の反基地活動家の間でも翁長知事については、大口番長としか見ていない様子だ。
菅官房長官「粛々と」を解禁 翁長知事の「上から目線」で2年封印
【東京】菅義偉官房長官は27日の会見で、辺野古新基地建設に関し「粛々と工事を進めていきたい」と述べた。「粛々」という単語の使用を約2年ぶりに解禁。2015年4月に、菅氏と会談した翁長雄志知事が「上から目線」と批判して以降、政府関係者は使用を「封印」していた。
翁長知事が昨年末に最高裁判決が示されて以降も、埋め立て承認の撤回など「あらゆる権限を行使して」移設を阻止する方針を示していることを受け、菅氏は「あえて粛々と申し上げた」と説明した。
上から目線だと翁長知事に思われることは「もうないでしょう」とし、その理由として「最高裁の判決が出て、(互いに協力するという)和解の条項から外れるようなことがあったら、客観的に進めていくことが大事ではないか。粛々というのは客観的に説明することだ」と答えた。
☆
客観的に粛々と工事が進んでいることは、菅官房長官は昨年の最高裁判断とそれに続く翁長知事の「取り消し」の取り消しですべては終了していると判断していることだ。
すべては終わった案件に、翁長知事が「承認撤回」などと、問題をぶり返したら、遅れた工事によって生じる損害賠償を県都知事に請求することは血税の浪費防止であり、菅官房長官の単なる脅しではない。
金田法相も検討し始めたが、何故か沖縄タイムスは二面の下段でベタ記事扱いでこんな見出し。
法相、知事へ賠償請求検討へ
金田勝年法相は28日閣議後の記者会見で・・・「法務省としてもあらゆる事態を想定して、損害賠償請求権の行使を含め法令に基づく所要の措置を講じることについて防衛省など関係省庁とともに検討している」と答えた。
沖縄タイムスは、翁長知事が個人的損害賠償を覚悟の上で、「撤回」をするなどとは想定していない。
ここで新たな反権力のカリスマ」「第二のカメジロー」として「反権力のカリスマ・ヒロジ」を作り上げる魂胆なのか。
犯罪者が沖縄県民のカリスマだって?
勘弁してほしいよ、沖縄タイムスさん。
【おまけ】
沖縄・翁長知事“破産危機” 政府が数億円の損賠請求検討、14年の資産総額は約700万円だったが… ~ネットの反応「総資産が700万とかどんな冗談だよ!700万はカツラの年間維持費だろ!」
沖縄県の翁長雄志知事が“破産危機”に直面しそうだ。政府が、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設で、翁長氏が知事権限を乱用して移設阻止を強行すれば、知事個人に損害賠償請求を行う検討に入ったのだ。政府が求める賠償額は数億円に上る可能性がある。2014年12月の知事就任時点で、翁長氏の資産総額は約700万円だったが、大丈夫なのか。
「(埋め立て承認)撤回を必ずやる」
翁長氏は25日、移設先の米軍キャンプ・シュワブ前での反対集会に参加し、こう明言した。撤回は承認取り消しと同様の効果がある。
埋め立て承認は、翁長氏による取り消しに伴う政府と県の訴訟で昨年12月、「適法」との最高裁判決が確定している。もし、翁長氏が同判決を無視して、重大な理由もなく移設阻止という目的で承認を撤回すれば、政府は「撤回権の乱用」にあたると判断している。
国家賠償法では、公務員が違法に他人に損害を与えれば国や地方自治体が賠償責任を負い、公務員に故意や重大な過失(=公権力の違法な行使など)があれば国などは公務員に賠償を求めることができる。
政府はまず、沖縄県に損害賠償を求め、続いて翁長氏の個人責任を問う住民訴訟を経て、翁長氏個人に損害賠償を求めることを想定している。
撤回で移設工事が中断すれば、人件費や機材調達費などの損害は1日当たり数千万円に上る見通し。政府は撤回への対抗策として執行停止を裁判所に申し立てるが、認められるまでに10日前後かかるため、国が翁長氏に求める賠償額は数億円に上る可能性がある。
沖縄県は15年5月、翁長氏の就任時の資産報告書を公表した。保有する土地と建物の資産総額は、固定資産税の課税標準額で約694万円。預貯金(当座預金、普通預金除く)、有価証券や貸付金、借入金はなかった。同県は昨年7月、翁長氏の15年の所得等報告書を公表した。これによると所得総額は1739万1977円。
数億円の賠償命令が出た場合、翁長氏は個人資産面で窮地に立たされることになりそうだ。