琉球新報、沖縄タイムスの沖縄2紙は、反基地緒運動については連日発狂したような誇大報道をする。
だが反基地運動と繋がっているチュチェ思想については一行の報道もない。
沖縄2紙が北朝鮮の工作員と糾弾されるのも仕方がない。
1月12日、金正恩委員長の誕生を祝賀するチュチェ思想新春セミナーが沖縄県那覇市において開催され、全国各地のチュチェ思想研究者や日朝友好人士、地元沖縄の学者、議員、団体役員など各界人士が参加しました。
金正恩著作研究会と金日成・金正日主義研究沖縄連絡会の共催で開かれたセミナーは、金正恩委員長の主導的な活動によって朝鮮統一と世界の自主・平和の流れが加速しているなかで、新しい年の幕開けに開かれたところに特徴がありました。
自主・平和への扉を開く朝鮮人民と沖縄県民の闘い
セミナーでは、沖縄大学名誉教授の平良研一氏が「自主・平和への扉を開く朝鮮人民と沖縄県民の闘い」と題してつぎのように講演しました。
昨年は朝鮮をめぐって南北首脳会談、朝米会談が実現して、世界平和への明るい展望がひらかれました。
世界の和解、平和の流れをつくりだしたのは、金正恩委員長の戦略の勝利だと思います。
辺野古新基地建設の動きは、本来沖縄に必要でないものをアメリカの要求に応じてつくらされているのであり、欺瞞の基地建設だといえます。日本は、沖縄基地建設の問題で世界の笑い者になっており、信用を失墜しています。政府は横暴な政策で辺野古新基地建設を強行しており、民衆の平和を求める意志をふみにじっています。
このことはせっかく南北朝鮮人民が主導してきり拓いた平和の流れを無視するに等しく、日本国民が求める自主、平和の流れにも逆行しています。
今年は朝鮮がひらいた平和への道をふみかためていく年になっていると思います。
朝鮮はさまざまな試練を耐え、自主をつらぬいてきました。指導者が民衆を信頼し、また民衆が指導者と心を一つにして、一心団結の精神で社会主義建設にはげんできました。
社会の主人公は金融資本ではなくて、日々生産労働に従事している労働者、人間そのものです。ラテンアメリカなどで社会主義をめざす潮流が生まれてきていることは注目にあたいします。
いま世界が混迷しているようにみえるなかで、社会をかえていく明るい兆しがみえはじめています。辺野古のたたかいは、世界で芽生えてきた労働者を中心とする民衆の運動と共鳴して共闘していくべきものです。朝鮮が歩んできた猛烈なたたかい、不屈の反帝国主義闘争、自主と平和を求めてあらゆる困難な状況をのりこえたたかってきた歴史に学び生かすことが大切だといえます。そこには世界史的な重要な問題、戦争と平和に関する歴史的な教訓が凝縮されているからです。
自力更生は社会主義勝利の源
つぎに朝鮮大学校政治経済学部哲学政治学講座長の朴明氏が「自主・平和を主導する金正恩委員長―2019年『新年の辞』に学ぶ」と題してつぎのように講演しました。
今年の「新年の辞」は、発表される前から世界的な関心を集め、ニューヨーク・タイムズをはじめとしてアメリカや、ロシア、フランス、ドイツなど多くの国が速報として大きく報道しました。
「新年の辞」は三つの体系になっています。
一番目が、昨年、朝鮮人民が成し遂げた誇らしい成果です。金正恩委員長は「自主路線と戦略的決断によって内外の情勢で大きな変化が起こり、社会主義建設が新たな段階に入った歴史的な年」であったと2018年を総括されています。
成果の第一番目が朝鮮労働党中央委員会4月総会をおこなったことです。4月総会で新たな戦略的路線、すなわち経済建設に総力を集中するという戦略的路線が提起されました。
「新年の辞」の大きく二番目の内容は、今年社会主義建設のすべての戦線で革命的高揚を引きおこすための課題と方途です。
今年のスローガンとして、「自力更生の旗じるしを高く掲げ、社会主義建設の新たな進撃路を開いていこう」というスローガンを提起されました。
これが今年の「新年の辞」の核心的な思想ということができると思います。
金正恩委員長は自力更生に関して、「われわれは朝鮮革命の全道程でつねに闘争の旗印、飛躍の原動力となった自力更生を繁栄の霊剣としてとらえ、社会主義建設のすべての部門で革命的高揚を起こすべきです」と述べています。
「新年の辞」の大きく三番目の内容となるのが、北南関係発展と祖国統一偉業遂行において提起される課題と、わが党と共和国政府の対外政策的立場です。
では世界の自主・平和を主導する「力」とは何でしょうか。
いくら善良であっても、正しいことを言っても、力がなければ実現されないというのが現実世界のあり方です。
では、何をもって朝鮮が世界の自主・平和を主導することができるのでしょうか。
一つが先軍の力であり、二つは自強力です。
その前提としてチュチェ思想の原理をいくつか確認しておきたいと思います。
まず「人間があらゆるものの主人であり、すべてを決定する」という哲学的原理です。
また「人民大衆が歴史の主体であり、革命の主体である」という社会歴史原理と革命原理です。これが先軍の力、そして、自主の力に依拠するというところの出発点になる哲学的な理論的根拠となります。
また、チュチェ思想の指導的原則として、自主的立場と創造的方法があります。自主的立場が思想における主体、政治における自主、経済における自立、国防における自衛です。
創造的方法は、人民大衆に依拠する方法、実情に即しておこなう方法、思想を基本にとらえるということです。
自主的立場と創造的方法を革命と建設に具体化するものが先軍の力であり、自強力であるということです。
先軍の力は、社会主義運動の教訓でもあります。
核武装は非核化のためだったということが昨年、確認されたと思います。
自強力第一主義を具現する闘争方式が自力更生です。
自強力の内容は三つでおさえることができると思います。
まず思想精神力です。つぎが科学技術力です。さらに何よりも重要なのが、一心団結した人民の力です。
講演をうけて、チュチェ思想国際研究所の尾上健一事務局長が、少なからずの国が米国や日本の圧力に屈して朝鮮にたいする「制裁」に加担するなかでも朝鮮は社会主義をめざす国々との戦略的な団結をきずくために努力していると意見を述べました。
真の心で交流を深める
セミナー後、交流の夕べ「新たまぬ年にうむい健やかに・語り寿ぐ慶び」が開かれ、琉球野村流古音楽保存会師範の宮城克年氏と同保存会教師の美音さんが沖縄の歌と三線の演奏を披露しました。
美音氏がお祝いの席で最初にうたわれる「かぎやで風」を披露し、華やかな歌声でポップス「海の声」や「三線の花」などを弾き語りしました。
その後、宮城克年氏が古典音楽「仲風節」を思いをこめてうたいました。この歌には「真の心で貫くことが大事であり、この心持で接していればおたがいの言葉に仲たがいするようなことがない」という意味がこめられているとの紹介がありました。
その後、美音氏の太鼓の伴奏に合わせて朝鮮の民謡「アリラン」を軽快にうたいました。
最後にはセミナーで講師をつとめた朴氏を舞台に招いていっしょに「島人(しまんちゅ)ぬ宝」の演奏をし、会場を盛り上げ、音楽をとおしての交流が深まりました。
会場からは元沖教組委員長の石川元平氏が、沖縄ではいい正月を「いいそーぐゎち」と言います、朝鮮はきびしいなかでも屈していません、そこに誇りを感じますし、われわれも屈しません、物質だけでなく心の豊かさをかちとってはじめて「いいそーぐゎち」といえると思いますと発言しました。
またキムスソプ氏が、金日成主席を知って人生を国の統一、世界の平和をきずくことにささげようと活動をはじめました、これからも頑張るつもりですと挨拶しました。
朝鮮侵略の歴史を清算し自主平和の日本を築くために
1月13日には、朝鮮侵略の歴史を清算しアジアの友好平和をきずくための講演会が開かれました。
講演会のあと懇親会が開かれ、沖縄大学の仲村芳信名誉教授の挨拶につづいて福岡・朝鮮歌舞団の歌や踊りが披露されました。
歌舞団のメンバーは美しい歌声と情熱的な踊りを披露しながら、日本と朝鮮がもっと交流を深めていきましょう、そのためにも平和の熱風をまきおこしていきましょうと力強いメッセージを届けました。」
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沖縄2紙が黙殺するチュチェ思想について特集記事を書いた産経新聞の前田徹那覇支局長は、「根拠のない報道をした」と主張する沖縄2紙によるバッシングを受け、産経本社まで電話攻撃を受けたという。
その結果前田支局長は就任半年足らず他地域へ配置転換になったと聞く。
産経新聞 2009年6月24日
【侵食される守り 沖縄米軍基地(下)
チュチェ思想と反基地運動
北朝鮮のミサイル発射準備で大騒ぎした今年3月、「日本チュチェ(主体)思想研究代表団」による訪朝報告会が沖縄で行われた。団長と研究会の全国連絡会長は実は沖縄で反戦平和運動を展開してきた一坪反戦地主だった。この報告会がどこかで反基地運動と結びついているか、どうかはわからない。が、いまや沖縄では反戦平和は表だった批判さえ許されなくなっている。
日本キムイルソン主義研究会が今年4月に発行した雑誌「キムイルソン主義研究」(129号)に「未来社会をさし示す朝鮮社会主義」と題する座談会が掲載された。
出席者は2月12日から3月4日まで21日間にわたって訪朝したチュチェ思想研究訪朝団(6人)団長の高良有政氏と副団長の仲村芳信氏。さらに司会役には沖縄チュチェ思想研究会員で同全国連絡会会長の佐久川政一氏の姿もあった。
その報告座談会を読むと、まず佐久川氏が「アメリカや日本は(人工衛星を)ミサイルと決めつけ、反朝鮮キャンペーンをあおっています。こういう状況の中でチュチェ思想を広め、日朝友好を進めるものです」とあいさつ、さらに「北朝鮮には失業者はいない。政治と人民が一体となった“理想国家”」「外国の侵略をはねのける武力が不可欠」(仲村副団長)、「世界中が不況の中で不況知らずの北朝鮮は100年に1度の奇跡」(高良団長)といった、かつて共産圏国家でよくみかけられたプロパガンダ(宣伝)が続いた。
◆北朝鮮擁護
佐久川氏は沖縄における反戦平和、そして反基地運動の中心的人物の一人で、自身が学長だったこともある沖縄大学公式サイトでは「憲法を専門としながら沖縄の地に根ざした平和運動を一貫して続けた」と紹介されている。昭和57年、基地撤去を目指す団体として「一坪反戦地主会」が結成されると即座に参加した。
一坪反戦地主会は沖縄の反基地運動、さらには反戦平和運動の中核で、結成当時のメンバーには沖縄世論を動かすマスコミ幹部や県幹部職員、労組指導者、大学教授といったそうそうたる顔ぶれが並んでいる。その意味で反戦平和は沖縄知識人層を見事に縦断している。例えば佐久川氏の場合、「普天間基地包囲大行動」実行委員長を平成10年、16年と2度も務め、1万6千人(主催者発表)の大衆動員を成功させ、12年の「カデナ(嘉手納)基地包囲行動」でも代表だった。
では、沖縄の反戦平和が、その対極ともいえる核開発やミサイル実験に力を注ぐ北朝鮮をなぜ擁護しなければならないのか。この疑問に対して佐久川氏は次のように答えた。
「それは沖縄問題を考える上で(北朝鮮前国家主席の)金日成のチュチェ思想が非常に参考になると考えたからです。『沖縄と日米』『北朝鮮と日米』という類似性に気づくと非常にわかりやすい。北朝鮮は主体的に植民地支配を脱した。かつて大田(昌秀)知事は私たち学者を訪米団として派遣し、そんな北朝鮮はアメリカにとって脅威ではないと説明して回ったことがあるほどだ…」
◆共通した認識
大田氏は知事選で敗れた後、12年になって125人という大規模な朝鮮沖縄友好訪問団を組織した。まるで一国を代表するかのような大訪朝団には秘書長役として一坪反戦地主の元沖縄タイムス労組委員長や県幹部らも多数参加した。
当時の県教育文化資料センター事務局長の久高賢市氏は「敵は社会主義国北朝鮮にあらず、脅威論を展開し軍事的緊張関係を継続させようと喧伝(けんでん)し、沖縄の米軍基地を固定しようかとする輩(やから)にあるのだ」(月刊『日本の進路』12年6月号)と、訪朝報告を興奮気味に書いている。
沖縄が帝国主義の犠牲という位置づけ、さらには帝国主義国(日本)からの離脱(独立)の是非が問われている点はまさにチュチェ思想を信じる知識人層に共通した認識といえる。一坪反戦地主の一人で元沖縄タイムス論説委員の川満信一氏は昭和55年、「琉球共和社会憲法C私案」を発表、沖縄の日本からの自立を訴えて知識層に大きな反響を呼んだ。
だが、実際には独立運動が具体化したことはなく、問題はそうした機運が、緊急性を帯びる「日本の守り」から目をそらしていることだろう。(前田徹)