県は27日、10歳未満から90歳以上の男女354人の新型コロナウイルス感染を確認した。1日当たりの感染者数としては5月29日の335人を上回る過去最多を更新。感染者は7日間で千人増加し、合計は2万3201人になった。県の糸数公医療技監は「本島内では市中感染に近い状況になっている」として、深刻な事態にあるとの認識を示した。一方、東京都の感染者も同日、過去最多の2848人が報告された。(2・3・26・27面に関連)

 感染者数354人は先週の同じ火曜日より200人多く、2・29倍と急増。県は感染拡大について、感染力が強いとされるデルタ株が要因とみている。糸数技監は県外からの移入例が拡大の要因となった可能性について「(渡航者との接触よりも)県内の友人、知人と会食し、その相手が感染していたというパターンが多い」との考えを示した。

 病院や自宅などで療養中の患者は1477人で重症・中等症は246人。糸数技監は「今の段階では医療は逼迫(ひっぱく)していないが、今の感染者数が続けば(逼迫は)時間の問題だ」と指摘。5月の第4波で最大約2750人だった療養者数を超える可能性もあるとした。

 県内の人口10万人当たりの感染者数は68・55人で全国で2番目に多かった。1位は東京の77・85人で、全国平均は25・05人となり国が感染状況を表す指標で最も高いステージ4の25人を上回っている。354人のうち感染経路が追えているのは162人。家族内感染が78人で約半数を占め、職場内と友人・知人がそれぞれ27人、施設内16人、飲食9人、その他5人。年代別では20代が93人で最も多く、30代69人、40代51人と若い世代で感染が広がっている。

 米軍関係は19人の感染が確認され、累計は1615人になった。米軍は従来実施していなかった変異株を検査するため、本国に29検体を発送。今後も検査を続けるという。

(写図説明)県内の新型コロナウイルス1日の感染者の推移

(写図説明)7月の沖縄の感染者(人)

(写図説明)県内感染者の居住別状況(7月27日)

 

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緊急事態宣言中に過去最多更新 沖縄の新規感染者354人

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