務安国際空港の旅客機事故については様々な見方が有り、その中で「片方のエンジンが出力低下か或いは停止しても、もう1基のエンジンが有るからゴーアラウンドせずにそのまま着陸していれば事故にはならなかったのに何故あんな事をしたのか?」と疑問が多く有るようです。
これについてはネットで確認できたデータの範囲ではあるのですがある程度説明がつくと個人的には考えています。
それは亡くなった乗客の一人が親族に「翼に鳥が挟まって着陸できなくなった」と言う旨のメッセージを送っていた事からわかります。
通常、エンジンの片方だけが出力低下や停止したとしても、着陸は可能なのであり、それなら機内のアナウンスで「翼に鳥が挟まって着陸できなくなった」などと言わないはずです。
そして仮にそのままエンジンがある程度の出力を維持できていたならば「エンジンがやや不調となりましたのでもう一度着陸をやり直します」と言う旨のアナウンスをするはずだと思うのです。
また仮に片方のエンジンのダウン、或いは両方のエンジンの出力低下であっても着陸可能な範囲ならそのまま着陸しただろうと考えられます。
なのになぜゴーアラウンドを行ったのか?
それは「エンジンの出力低下と、更に主翼のスラット、スポイラー、フラップ、エルロン、フラッペロンのどれか、特に着陸に関係するものにトラブルが生じ、しかしその詳細が具体的にはわからないまま着陸するとその時に大きく機体が傾いて事故になったりしないかと考えたから」と思われます。
特に片方のエンジンと片方にの主翼のスラット、スポイラー、フラップ、エルロン、フラッペロンのどれかとかだとどんな着陸になるか予想がつきにくい。
そしてエンジンはまだある程度以上の出力を保っていた為、ゴーアラウンドの為に上昇、旋回すれば主翼のどこがトラブルになっているのかをおおよそですが把握できるかもしれない事もあり、安全を考えてで敢えてゴーアラウンドを行った。
では何故「翼に鳥が挟まって着陸できなくなった」と言う旨の機内アナウンスをしたのか?
単なる個人的な一つの仮説に過ぎませんが、それは次のような感じだったではないかと思います。
「B737-800型機主翼にはスラット、スポイラー、フラップ、エルロン、フラッペロン が有るのですが、少なくともそのどれか1つ、或いは複数がバードストライクによる損傷や変形、或いは鳥が挟まる、或いはこれらを制御する油圧や電気系統などにトラブルが発生して警報が出た。」
「更にほぼ同時か少し時間差をおいて片方のエンジンもバードストライクで故障状態か出力低下、更にもう片方も同様にバードストライクで故障か出力低下、となった。」
と言う事ではないでしょうか。
ゴーアラウンドの時に一度上昇しているのでエンジンの出力低下と言ってもその時はおそらくある程度の推進力が有ったのでしょうが、「バードストライクのダメージによりその影響が後になって顕著になり急激にエンジンの出力が低下し、とても通常のゴーアラウンドするのは無理、となって反対側から、しかも滑走路の途中からしか着陸できなくなりやむなくこれを行った。」
こんな状況が起こり得る事象の1つと考えていますが、どうでしょう。