映画と渓流釣り

物忘れしないための処方箋

氷と雪の闘い終わる

2014-02-23 14:21:41 | 歳時記雑感
2014ソチオリンピックが終わろうとしてます。
夏冬五輪サッカーW杯毎に急造のナショナリストを誕生させ、日の丸君が代に万感の想いを抱かせてくれる国民一体のお祭りです。
ただ、最近何とはなく不快に感じてしまういくつかのことをメモして置きましょう。
スポーツは、やってる当人が気持ち良ければそれでお終い。
これがアスリート(競技者)になるとちょっとややこしい。
1秒でも速く、1センチでも遠く高く、1ポイントでも多く、そして一等賞にならなければいけません。
オリンピックに国旗を背負い出場するということは、最大のステージで最高のパフォーマンスをする義務が課せられます。オリンピック出場の切符を手にするための努力は、選手やコーチ家族周辺環境等の応援があってこそですが、オリンピックに派遣させる費用も派遣させることのできる基本的な国力を維持しているのは我々市井の民です。
だからこそ物申す。
敗戦インタビューで、「自分なりには楽しめました」と平気で曰う輩に鉄槌をくだしたい。
謝れと言っているのではない。最高のパフォーマンスが出来て負けたなら拍手をしよう。実力の半分も出せないままヘラヘラ笑って自己完結するな。
わたくしたち国民も悪い。頭の悪いわたくしたちを扇動する安上がりなマスコミはもっとたちが悪い。
「感動をありがとう」などと気やすく涙するな。アスリートは観客を感動させるために競技しているのではない。先述したように昨日の自分を乗り越えて、一番になるために苦しく辛い準備をしているのだ、四年に一度しか出会えない一瞬の闘いのために。

四年後、もっと強くなってオリンピックの舞台に戻られますように。


山田洋次御大健在ナリ

2014-02-13 13:06:29 | 新作映画
 「小さいおうち」

 御大が撮影に入ったと聞いた時に図書館で見つけた原作は、作家のことも何にも知らずに読んだのですが、大変面白い小説でした。去年読んだ小説では一番楽しめたので、よほどのことが無い限り失敗はしないだろうと思っておりました。

 戦前戦中の上流階級と女中の関係性がよく分かるように描かれていた分、小説より映画のほうが説得力があるように感じました。女主人と女中の信頼がしっかりと描かれたからこそ、老女が女中として過ごした青春時代の小さな罪に感情移入できるのです。大切であるからこそ、失いたくないからこその小さな罪作り。肌理細やかな日本映画の佳品です。

 黒木華はこのところ本当に良いですね。
松たか子の風格漂う演技に負けていませんでした。
現代顔でないところも、昭和初期に田舎から都会に来て女中をしている設定にぴったりはまっていました。
雰囲気もあり映画女優らしい奥行きも感じられこれからが楽しみですが、蒼井優のように曲がっていかなければ良いけれど。

 キャストが「東京家族」とかなり被っていました。
妻夫木と夏川結衣の兄弟、橋爪功と吉行和子の夫婦には笑いましたし、中島朋子のいでたちは少々違和感を覚えました。小林稔侍、林家正蔵も使われており、山田洋次の趣味も感じられました。

 一貫して、戦争による庶民の思想を束縛する事への嫌悪感を描いておりますが、「母べえ」の時のような直接的な表現で無かった分記憶に残る作品となりました。
最近の御大作品群では一番良い出来であったと思います。



灯ともし頃

2014-02-03 17:26:57 | 歳時記雑感
 2月になってほんの少し日の暮れるのがのびたせいでしょうか。

 ちょうど今頃、高層マンションにポツリポツリと灯がともります。

 冬の夕方は寂しいけれど、心和むひと時です。

 今日も何気なく一日が終わろうとしています。