映画と渓流釣り

物忘れしないための処方箋

秋の名残り

2024-11-25 11:39:00 | 歳時記雑感
長引く残暑が去ったと思ったら、足早に秋が通り過ぎようとしている


会社の若手誘って鎌倉散歩でもしようかと考えたけど、うざがられるだけのように感じ躊躇してしまう
去年までは気軽に声かけていられたのに、段々自分の居場所が狭くなる


近所の公園に、おむすび持ってやって来た
透明度の高い空から挿す陽の光が高度を落とし、目に痛い



葉が色付くには早過ぎたのか、まだ緑を残したままだけど
うかうかしてると冬に追い越されてしまう


鈍い銀色に光るススキは後いくばくかで枯れる自分のようだ



BE:the ONE-MEANT TO BE- 音はつながる

2024-11-24 13:21:00 | 新作映画
永らく映画館通いしてるけど、出待ちされたのは初めてだ。後ろから声をかけて来たのは多分20以上は歳下の女性
新手の美人局かと瞬時疑ったが、2300円もの映画観て交通費考えると残金2000円もないこんなオッサン誘わないわな

「さっきの映画お一人で観てましたよね?もしかして、BESTYですか?」

何故、還暦過ぎたオッサンが、BE:FIRSTのライブドキュメンタリー映画を観ていてかを彼女に語る

わたくしの娘がまさしくBESTY(ファンをそう呼ぶらしい)。来年から社命でニューヨークへ転勤するらしく、ひとりでも多く映画館に動員したかったみたいで餞別代わりに観てこいと
バカな親父は、誰もいそうも無い日曜朝8時25分に横浜の外れにある映画館なら恥ずかしくないだろうからとやって来たのです。と

理由はどうであれ、BE:FIRSTに触れてくれたことが嬉しかったと、暫く立ち話をすることになった
こんな風に音楽を通じて見知らぬ誰かと触れ合うから、きっとわたくしたちは毎日音を楽しんでいるのかも知れない


BE:FIRSTについて
何んにも知らない
基礎知識として、ウィキペディアで調べみるとAAAのメンバーのひとりがプロデュースしている7人のボーイズグループ
オジサンの拙い理解ではK-POPとLDHの真似っこダンスパフォーマー程度

この映画観てなければその認識は変わる事はなかっただろう。昨今乱造される同様のグループを識別するのは、もはや無理
野太い声でシャウトするライブを見るとただのアイドル崩れじゃなく、ロックバンドを後ろに付けても遜色ない力強いボーカルだ。それも、7人全員が皆んな歌唱力があるので説得力がある

実はBTS以外のK-POPはただの猿真似にしか感じられずウンザリしているし、LDHは世界観に違和感がありついていけない
ジャニーズ系列のお子様パフォーマンスは日本独自の学芸会芸として否定はしないけど、ライブで一緒に拳は振り上げられない

昨年行ったUVERworldにメンバーのひとりが客演してたからか、なんとなく歌の雰囲気が似てるよう感じたんだけど(知らぬ者のいい加減な感想)
元気なうちに、一度でいいからライブに参加してみたい。結構縦乗りで楽しむ自信はある


映画について
東京ドームライブコンサートに向けて準備するドキュメンタリーと、ライブのパフォーマンスが交互に映し出される良くあるパターン
メンバーのインタビューを見ると、彼等がまだ青年にもなり切れてない少年っぽさを有してることが分かる
応援してる所謂BESTYの多くは圧倒的に若い女性だけど、お母さん世代の方も結構いるのはそんなことも関係してるのかも

涙が溢れて仕方なかったのは、メンバーの真摯にライブへ取り組む姿より、ライブを成功させるために必要な最後のピースはBESTYだと言いきる信頼関係。それに応えるBESTYの無私の愛情
わたくしも熱心なAIMだから、その気持ちには痛いほど心を揺さぶられる


前にも書いたけど、わたくしたちの世代はビートルズには間に合わなかった分、音楽の多様性にはとても恵まれた
戦前のジャズベース歌謡曲や演歌の良さも知っていながらNewJeansにだって正当な応援ができる
ユーミンや中島みゆきを経てオリビアやABBAにポップスを教えてもらい、イーグルスとフリートウッドマックはロックの教科書だった
新しく知らない音楽に触れる事は、きっとこれからもわたくしの世界を広げてくれると信じている


何はともあれ、アメリカに旅立つ娘が事件事故などに巻き込まれる事なく、筒がない日々が送れるよう祈る
そして元気に帰国した折にはオトウをBE:FIRSTのライブに連れて行って欲しいものだよ
次はライブ会場で会えると良いですね。と言って別れたBESTYの彼女に、この白髪頭が跳ねている姿を見せてあげたい









戻っておいで、私の時間

2024-11-21 21:07:00 | お遊び
初めて行ったライブは高校生の時、群馬県の渋川市にあった音楽ホールでした
多分1000人くらいしか収容出来ないような会場でした。当時よく聴いてた地元FM放送の応募に当たったのが、竹内まりやのライブコンサートだったのです






まだデビューしたてで、ドリームオブユーがスマッシュヒットするかどうか、そんなまりやさんが人生初めて見たアーチストでした

今日、来年6月に開催される竹内まりやライブが当たりました。Kアリーナです
かれこれ46年の時を経て、まりやさんに再会することになりました

また死ぬわけにいかない理由が増えました
(今度は家の奥様と行きます)



間に合わなかった世代

2024-11-18 10:11:00 | 歳時記雑感
わたくし世代(昭和36年生まれ)は所謂、巨人・大鵬・卵焼きの尻尾に辛うじてつかまって少年時代を過ごした
巨人のV9に慶喜し、大鵬の32回目の優勝土俵は鮮明に映像として記憶している。今でも好きなのは卵焼きだけになったけど、日本国中の人が強さとか正義なんかを疑いなく信じていたんだな

そんな世代には音楽に関しては、間に合わなかったと言うジレンマを抱えている
わたくし達はビートルズを実体験した思いに乏しい。テレビニュースで解散を伝えていたことは覚えているのに、彼らの音楽の素晴らしさに感動したのは随分後になってからだ

高校生の頃、田舎町に何軒かあったレコード店のうち、棚揃えが自分の好みと合っていた吉田屋というお店に入り浸った。バスが来るまでの僅かな間にも顔を出したから店員とも馴染みになって、新譜の情報交換もよくやった
あの頃、LPレコードは2500円。そうそう購入することは叶わなかった
今みたいに配信はおろか試聴する事もできなかったから、針を下ろすまでは博打のような物。でもあの感覚、最初の音がスピーカーから流れでた刹那、痺れるような感動はもう味わえない

毎月一枚づつ集め聴いた音楽がわたくしを作り、今もサブスクで垂れ流されてくる音の中で新しい才能に出会う

2024秋ドラマ

2024-11-18 09:52:00 | 旧作映画、TVドラマ
秋ドラマは一年で一番秀作が揃う時季
今年も結構な力作が顔を出している
視聴している作品を並べてみた。今回は途中リタイアはなさそうだ

「宙わたる教室」
昔から定時制(夜間学校)は映画やドラマの題材として結構使われていた。やっぱり記憶に残るのは、山田洋次監督作品「学校」シリーズだろうか。山田監督は寅さんの中でも定時制で学ぶ人々を描いたから、思い入れがあるのだろう
このドラマも色々な理由で夜間学校に通う老若男女が登場し、そのバックボーンが語られ物語に厚みを加えてくれるが、山田監督が主題に置いた貧困とか劣悪な家庭環境問題などとは違う今日的で普遍的な問題が多い
民放お得意のお涙頂戴演出に流れがちな舞台設定だが、そこはNHK、主人公の先生は科学的な思考と適度な距離感を持った物静かな人で金八先生のようなオーラは発しない
定時制の学校にも部活動があることも知らなかったが、この作品がユニークなのは授業より科学部に集まる生徒が目標に向かって段々熱くなって行くところ
まあ分かりやすい筋書きではあるが、実際にあった話らしいし、最近尾鰭を付けてわざとミスリード狙ったドラマが多くウンザリしてるから堂々横綱相撲で押し切って欲しい

「モンスター」
趣里の女優芸を堪能するためのドラマになってしまい、チームで法廷闘争を勝ち抜くカタルシスは味わえない
相方弁護士のジェシーの演技力なんて期待する必要はなくて、要は使い方次第で良いアクセントになる。宇野祥平やYOUのような逸材をどうして無駄遣いしてるのだろうか理解出来ない
YOUにせよ、敵役になりそうな古田新太が弁護士に見えないのがそもそもミスキャストなのだが
結構お話しの本筋は面白いエピソードもあったので、趣里の芸を楽しみながら観るとしますか

「その着せ替え人形は恋をする」
アニメがとても面白かったのと、設定や物語がわたくし好みだから採点は途轍もなく甘い
これは原作の勝利だ。雛人形の頭師を目指す地味で真面目な男の子がクラスのヒエラルキートップに鎮座する派手なギャルと絡んでいくのだけど、女の子は見てくれに反しヲタクでコスプレ好きで結構しっかりした考え方をした良い子
話しが進むにつれ地味な男の子に恋心を増幅させていくところも、お約束のシチュエーションだけれど心地良い
いかにも深夜ドラマらしい気やすさもハードル低目で、手放しで楽しめるのが良い
アニメも二期制作中らしいので、そちらも早く観たいもんだ

「海に眠るダイヤモンド」
大方この作品が秋ドラマの大本命だろう
夏に劇場公開され大ヒットした映画「ラストマイル」の主要スタッフが、ドラマブランドNO1枠である日曜劇場に大風呂敷広げた。セットもキャストもふんだんに金を使いテレビドラマとは思えないクオリティー
重厚で骨太な作品を貶すとこ無いんだけど、この手の物にありがちな登場人物の多さに序盤惑わされた。誰に感情を寄り添わせたら良いのか未だ決めかねている
軍艦島のバイタリティ溢れた過去パートが秀逸過ぎるからか、現代パートになるとトーンが落ちる。金持ちの老女が誰なのかくらいしか興味はなく、要らなかったんじゃないかと今は思っている
近年稀に見る大作ドラマなので、じっくり味わいたい

「放課後カルテ」
松下洸平の別の顔が見られる
地ならしとして柔らかく良い人キャラが根付いてるから、ちょっとキツイ言い方しても根っ子のとこでは優しさがゆえなんだろうなと思わせてくれるのはナイスキャスティング。ここでドラマの半分くらいは成功している
物語自体にもうちょっと工夫は欲しいけど、子役の皆んなが自然体の上手な演技をしてるので良いドラマになっている
森川葵は久しぶりにメインキャストで演技するのを観たが、少女の時にあった儚げな面影は残しつつ大人の女優になっていた

「ライオンの隠れ家」
ミステリー色が強い序盤からホームドラマの温かさを感じられる中盤になって、隠れ家に住まう3人を応援したくなってきた
ただし、まだ残されたライオン君のDVに対する謎が未解決なのと、母子逃亡のお粗末な筋書きに違和感があって物語に没頭するまでには至らない
自閉症の障害をもつ弟役を演じてる坂東龍汰はノーマークだったけど、嘘臭くないリアルで繊細な演技が出色
幸せな家族が戻れるような結末になることを期待している

「おむすび」
橋本環奈が悪い訳じゃないけど、いくらなんでも女子高生で尚且つギャルメイクはキツすぎる。器用にどんな役も演じ切る力と度胸は持っているとは言え、瞬間的な変顔するのとは違う
ヒロインが既に充分認知されているのも良い悪いじゃないかな。安定感はあるしすんなり馴染みやすいから、朝ドラの短い時間の中で話を進めていくには重宝だろう。でも、利点はそのまま欠点でもある
物語は神戸に移り本題に入ろうとしてる。これから等身大の橋本環奈が見られると期待したい

「光る君へ」
大河ドラマもいよいよ最終章
紫式部より道長の話がメインになってしまうのは仕方ないか。圧倒的に内裏で繰り広げられる政権争いの方が面白いから
事実そうなんだけど、光源氏のモデルは道長だから源氏物語を読んだことある読者は、結構納得してるんじゃないかな
栄枯盛衰
終盤は枯れて衰えてゆく姿に安寧の光をどう差し込むのかが、大団円を締めくくる脚本演出の腕の見せどころ