40年前、町に一館だけあった映画館で観た映画の半券をノートに貼り付け、短い感想を書きました。テレビで観たマックイーンがカッコよかったとか、ヘプバーンの王女様は可愛かったなんていう微笑ましいものです。高校生になると電車に乗って、前橋や高崎までロードショウを観に行くようになると、監督や脚本家によって面白さに差が出る事を知りました。
こんな風に感想を書き込み、見知らぬ誰かに読んでもらう日が来る事なぞ、夢にも思いませんでしたね。今はもう、モニターでの鑑賞を足しても年間50本位しか観てないけど、この40年で多分3,000本近くの映画に出会ったと思います。マニアの方からすれば足下にも及ばないだろうけれど、わたくしの財産ではあります。知り合う人によく尋ねられるのが、「好きな映画何ですか?」とか「何が一番面白かったですか?」という質問。これはとても困ります。好きなもの有りすぎて選べないし、面白いってそもそもどういう事なのか難しい。
そんな時決まって紹介する映画が、2月の頃「旅芸人の記録」。
岩波ホールの硬い椅子に四時間
若かった自分が試された頃
初見、特にインターミッションが入るまでは苦痛でした。だって何がなんだか分からないんですもの。仕様が無く禁断のパンフレット覗き見をしてみると、おぼろげながら物語が見えてきました。’39年から’52年までのギリシャ現代史が理解できていないと面白さの1/10も享受できないので、2回目に観るまでには結構勉強して行きましたよ。数千年の歴史を有する国の神話や悲劇の物語なども素養としてもっていた方が、より一層映画の力が伝わるだろうなぁと思ったものです。
わたくしが感激したのは、テオ・アンゲロプロスの作劇でした。四時間近い大作なのに殆んどのシーンをワンカットで収める力業と計算されつくした技術力に感服。(8mmフィルムで学生映画ごっこしていたので、かなり影響されました)時間軸をワンカットの中で飛び越えてしまう自由な発想に目眩がしちゃいました。
今でも聞かれれば(映画として最高の傑作だと思います)と答えるこの映画。
多感なあの頃に出会わなければこれほどの思い込みは無かったでしょう。思春期に漱石の「心」を読むのと同じ感覚なのですと言えば、分かっていただける人は沢山いるかしら。
こんな風に感想を書き込み、見知らぬ誰かに読んでもらう日が来る事なぞ、夢にも思いませんでしたね。今はもう、モニターでの鑑賞を足しても年間50本位しか観てないけど、この40年で多分3,000本近くの映画に出会ったと思います。マニアの方からすれば足下にも及ばないだろうけれど、わたくしの財産ではあります。知り合う人によく尋ねられるのが、「好きな映画何ですか?」とか「何が一番面白かったですか?」という質問。これはとても困ります。好きなもの有りすぎて選べないし、面白いってそもそもどういう事なのか難しい。
そんな時決まって紹介する映画が、2月の頃「旅芸人の記録」。
岩波ホールの硬い椅子に四時間
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/bf/2b32bc778bee2bda062554f64076c618.jpg)
初見、特にインターミッションが入るまでは苦痛でした。だって何がなんだか分からないんですもの。仕様が無く禁断のパンフレット覗き見をしてみると、おぼろげながら物語が見えてきました。’39年から’52年までのギリシャ現代史が理解できていないと面白さの1/10も享受できないので、2回目に観るまでには結構勉強して行きましたよ。数千年の歴史を有する国の神話や悲劇の物語なども素養としてもっていた方が、より一層映画の力が伝わるだろうなぁと思ったものです。
わたくしが感激したのは、テオ・アンゲロプロスの作劇でした。四時間近い大作なのに殆んどのシーンをワンカットで収める力業と計算されつくした技術力に感服。(8mmフィルムで学生映画ごっこしていたので、かなり影響されました)時間軸をワンカットの中で飛び越えてしまう自由な発想に目眩がしちゃいました。
今でも聞かれれば(映画として最高の傑作だと思います)と答えるこの映画。
多感なあの頃に出会わなければこれほどの思い込みは無かったでしょう。思春期に漱石の「心」を読むのと同じ感覚なのですと言えば、分かっていただける人は沢山いるかしら。