映画と渓流釣り

物忘れしないための処方箋

今年も占います 日本アカデミー賞 ちゃんちゃん

2021-01-27 19:28:00 | 映画ベストテン

今年もまたどうでもいいんでしょうが、日本アカデミー賞のノミネートが発表されましたので、噛みつきながら受賞予想などして遊んでみましょうか。

いくら何でも「男はつらいよ お帰り寅さん」は無いでしょ。山田洋次監督に失礼だということが分からないのかなぁ~?面白かったですよ。全作何回も観てますし、その度に笑って泣いて大好きなシリーズですけど、今更オマケみたいな作品をノミネートされてもね。
「Fukushima50」の頑張りも制作意義も理解してます。けれど、如何せん作品そのものの出来が悪かった。お客が喜んだならまだしも、薄っぺらい特攻隊ドラマになってしまいウンザリでした。

さて、個人的に応援している作品や人と、受賞しそうな予想を書き並べましょう。
作品賞
(応援)「罪の声」 (予想)「罪の声」
アニメ作品賞
(応援)「鬼滅の刃」 (予想)「ヴァイオレット・エヴァガーデン」
監督賞
(応援)河瀨直美「朝が来る」 (予想)土井裕泰「罪の声」
脚本賞
(応援)野木亜紀子「罪の声」 (予想)野木亜紀子「罪の声」
主演男優賞
(応援)小栗旬「罪の声」 (予想)草彅剛「ミッドナイトスワン」
主演女優賞
(応援)小松菜奈「糸」 (予想)長澤まさみ「MOTHER」
助演男優賞
(応援)宇野祥平「罪の声」 (予想)宇野祥平「罪の声」
助演女優賞
(応援)黒木華「浅田家」 (予想)黒木華「浅田家」
外国作品賞
(応援)パラサイト (予想)パラサイト

予想としては「罪の声」総取りかもしれません。
腑に落ちないのは、主演女優ノミネートに広瀬すずと倍賞千恵子が入っているのに、評判の頗る良い水川あさみと蒼井優の名前がない事。助演女優にも蒔田彩珠を入れないと可哀想ですよね。

まあいつもの事ですが、日本アカデミー賞ほど不可解な選出はありませんので、それも含めて楽しみましょう。

ブレイディみかこ著「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」で感じたこと

2021-01-25 19:37:00 | 歳時記雑感

一年中小説は読んでいるけど、物語が好きなのでノンフィクション系やエッセイなどには手を出さない。ましてや実用書の類は毛嫌いするほどに避けている。
そんな折、正月明けの図書館でお勧めコーナーにあった黄色い表紙にシンプルなイラスト画の本を手に取ってみた。読み始めてみると物語ではなく、英国在住の女性が書いた子育てノンフィクションのようだ。
良くある、外国生活の裏話程度のライトな随筆かと思いきや、かなり踏み込んだ内容の濃い書きものだった。

何でもかんでも日本の教育がダメで欧米上等なんてことはなく、日本の方が優れているなと思うところも沢山あるけど、同じ島国の英国なのに多様性の文化・生活環境の違いには驚いた。その素地の上に成り立っている教育方針として、英国では小学校の頃から(シンパシー)と(エンパシー)について学ぶらしい。
シンパシーは最早日本語になりつつある日常的な言葉だから取り立てて説明の必要はないと思うけど、「共感すること」「同情する気持ち」というように、感情が同化する様だ。この感情の同化に関しては多分日本人は世界中の民族の中でもかなり上位に位置する持ち主だろう。今更単一民族とかの右翼的論法を吐く人は少なかろうが、狭い国土(島国であることの特異性もあると思う)に多くの人がひしめき合っているし、自然災害も多いから共感したり同情したりする頻度も多いのだと思う。
エンパシーって言葉、この本を読むまで知らなかった。「他人と自分を同一視する事ではなく、他人の心情をくみ取ることができる能力」なんだそうだ。平たく言えば、「自分はあなたとは違うから共感したり同情することは出来ないけど、あなたの気持ちは理解できるので邪魔はしないからね」ってなことだろうか。

格差社会とか言われて久しいけど、みんな同じようなルーツで同じテレビ番組観て育った我々には、隣に住んでる人も遠く東や西の地で生活している人にもそれ程の違いを感じることはない。それ故にシンパシーを感じることはあっても、察するための能力を養う教育を受ける必然性がない。
エンパシー教育とは多民族が重なり合う欧米諸国のような多様性を有する国のジレンマであり、多様性の乏しい我が国のジレンマでもあると感じた。

2021冬ドラマのはじまり

2021-01-25 19:30:00 | 旧作映画、TVドラマ

コロナ蔓延化の製作現場で作られている2021冬連続ドラマについて、朝ドラ含め6本を観ようと思う。
秋から続く「朝顔2」は、あまりにも設定がおかしく変わりすぎてしまい、ついて行けずリタイアすることにした。
冬ドラマの選択は実力ある脚本家作品であることに尽きる。安定した平均点を取ろうとするのか、斬新な新境地を開こうとするのか興味あるラインナップだと思う。

「おちょやん」
モデルは馴染みのない女優の話。馴染みはないけど黒沢、小津、溝口といった世界的な名監督作品に出演しているところをみると、役者としては本物だったんだろう。そんな女優の生涯を演じるのは杉咲花。映画「湯を沸かすほどの熱い愛」での熱演は記憶に新しい。飛び切りの美人ではないけど小動物系の可愛らしい女の子だ。
序盤を観て感じたのは、杉咲花じゃなきゃ持たなかったかもしれないと言うこと。テンポも良いし朝ドラらしい展開なんだけど、珍しく家族がバラバラでヒロインの心のよりどころとならない。そのイレギュラーさが観ているこちらをザワザワさせるけど、杉咲花のあっけらかんとした軽い芝居で暗くならずに観ていられる。

「ウチの娘は、彼氏が出来ない‼︎」
恋愛小説の女王と呼ばれていた女流作家が、ミステリー小説に挑んだけど不人気のため打ち切りが決まる。北川悦吏子の自虐ネタっぽいが、あながち外れていないので少々苦笑いしなけりゃならない。そんな設定だ。
北川脚本の面白さは障害を抱えた男女のミスマッチな出会いと恋愛の機微。でも、本作は設定に倣ってか恋愛ドラマというより風変わりな母娘の物語になりそうだ。菅野美穂の下町育ちっぽい喋りは北川悦吏子の真骨頂だし、浜辺美波の娘役は多少違和感あるけど面白そうな親子だなとは思った。受けの男性陣が魅力ない感じがしてしまうのが心配なところ。しばらくは様子見かな。

「天国と地獄」
森下佳子=平川雄一朗=綾瀬はるかの組み合わせだけで視聴率がとれることは、それなりに日本のドラマが成熟している証明でもある。第一話を観た感想として、オリジナル脚本の自由さ故なのか些か突飛な展開を生んだことでリアリティに欠ける薄さを露呈している。大林監督に対するリスペクトなのか、階段落ちによる男女入れ代りは許せるとして、警視庁捜査一課の刑事があれほど緩くては安心して生活できないと感じちゃう。女性であるがための不公平感を匂わすなら、組織でしっかり歯車になっている姿を見せなきゃ説得力も何もあったもんじゃない。狙いは入れ代った後の顛末がどう動いていくかだろうけど、ベースの捜査母体の枠組みがスカスカじゃ絵空事のシラケ感が拭えない。同じ女刑事でも「ストロベリーナイト」の姫川玲子が魅力的だったのは、組織の中で戦う姿も描いていたからだ。とりあえず序盤は綾瀬はるかと高橋一生の演技力に救われている。

「にじいろカルテ」
設定も人物配置も名作「Dr.コトー診療所」のままで、主人公の医師が女医になっていたり病を抱えていたりという前提はあるけれど、僻地診療の舞台は踏襲されている。村民に泉谷しげるがいて、同じような偏屈親父(それが売りだし、それしか出来ないだろうし)を演じているのも既視感満載だ。
名作と比べては可哀想かもしれないが、ロケーションも村民の面子も広がりがなく見知った役者だけの学芸会のようだ。第一、あんな山村に若い人が溢れているわけがない。80歳以上の老人ばかりだし、子供なんて一人もいない。40,50代は若い衆と呼ばれるような現実を、いくらドラマだからと言っても無視していいモノだろうか?岡田惠和の得意そうな設定であるのに初回の雑な作りに少々幻滅した。芝居上手な役者を揃えているのだし、テレビ朝日の既存マンネリドラマとの一線を画すべく奮闘して欲しい。

「俺に家の話」
クドカンと長瀬智也の相性が良いのか、能楽師の家の話という珍しさが影響しているのか、初回観た中では断トツの面白さだった。宮藤脚本の凄いところは物語にキャラクターが嵌ると爆発的にリズムが良くなるところだと思う。演者たちがノリノリで芝居するから観ているこちらも加速せざるを得なくなる。まだ人物紹介がざっと終わったばかりなので早計なことは言えないが、これから本題の俺の家の話が語られてゆくから仕掛け次第では大化けするかもしれない。
個人的には観山家宗家(西田敏行)の介護士から後妻となる戸田恵梨香の腹黒そうな設定が楽しみだ。江口のりこの突っ込みも緩急自由自在でワクワクさせられる。

「モコミ」
30分ではもったいない気がした。橋部敦子の脚本は正当過ぎて若干鼻につくところがあり敬遠していたけど、このドラマはファンタジー色が強いのと小芝風花ならあながちありそうな人物設定なところもあってか、すんなりと物語に共感できた。
主人公モコミの特殊能力を負のエピソードばかりじゃなく、誰かの幸せのために役立つようなお話にしてくれたなら良いドラマになりそうだ。30分での完結したエピソードを作るのは難しいかもしれないが、誰かのほんの小さな幸せを描くくらいのスケールでいいから観てみたいと思う。

良い子の小中学生に観て欲しい映画10選

2021-01-15 18:08:00 | 旧作映画、TVドラマ



下の息子も中学を卒業する歳になり、子育てはほぼ終了に近くなりました。
わたくしの実弟には二人も孫がいるのに、わたくしにはそんな面白そうなオモチャもありませんので子供たちに話しかけることも滅多にございません。子供好きなオジサンとしては頗る寂しいのではありますが、昨今の社会情勢ましてやコロナ蔓延下の折、迂闊に道端や公園などで子供に声かけようものなら警察沙汰にもなりかねません。
こんな風に備忘録としての日記に書き込んでも子供達には届かないのでしょうが、この広い世の中たった一人の少年少女でもいいから、オジサンのお勧め映画面白かったよ。と言ってくれたら嬉しいな。


「サウンド・オブ・ミュージック」(1965米)


アルプスの壮大な景色の中で子供たちが歌い踊るとっても美しいミュージカルだよ。君たちのおじいちゃんやおばあちゃんなら観たことあると思うから聞いてみてね。音楽の教科書にものってる「ドレミの歌」「エーデルワイス」等も劇中で歌われるからきっと一緒に口ずさめるんじゃないかな。戦争なんかするより家族そろって歌を歌うことの方がどんなに幸せなことかって感じてくれると嬉しいな。


「小さな恋のメロディ」(1971英)


少年が少女に出逢って電撃的に恋しちゃう。そんなことって君たちにもきっとあるでしょ?この映画のダニーとメロディがすごいのは、ずっと一緒にいたいから結婚したい!って校長先生に宣言しちゃんうんだ。クラスメイトたちも二人のために授業を抜け出して結婚式をやってくれるんだよ。先生もPTAも追いかけてくるけど、小さなトロッコに乗って真っ直ぐ何処までも駆けてゆく二人の姿に拍手してくれると嬉しいな。


「E・T」(1982米)


地球に一人取り残された宇宙人を三人の兄弟とそのお友達が大人たちから守ってあげて、最後はちゃんと元来た星に帰してあげるんだ。宇宙人だからさ見た目はボクたち人間とは違うけど、お家に帰りたいって気持ちは一緒だよね。クラスにもちょっと君たちとは違う考え方や行動をする子がいるかもしれないけど、でもさ良く話し合ってみてよ。君たちとそんなに変わらない子だって分かってくれると嬉しいな。


「転校生」(1982日)


幼馴染の男の子と女の子がある日お寺の階段から一緒に転がり落ちちゃうと、何と何と心と体が入違っちゃうってお話。君たちも観たかもしれないけど「君の名は。」ってアニメ映画も入れ代りだったね。女の子はちょっと恥ずかしいよね。男の子は乱暴で少しHだからさ。でもね、入れ代ることで男の子の面倒なとこも女の子の大変さも分かり合えるんじゃないかな。お互い優しい気持ちになってくれると嬉しいな。


「魔女の宅急便」(1989日)


ジブリの映画だから君たちも観たことあるかもしれないね。魔女見習のキキは13歳で箒に乗って、黒猫ジジと知らない街で修行するんだよね。お父さんもお母さんもいない街で落ち込んだりすることもあるけれど、親切なパン屋さんとか飛行機に夢中な男の子に出逢うことで元気を取り戻し、ほんの少し大人になっていく。いつか君たちも親から離れ自分の力だけで生きていく時が来る。そう思うと、嬉しいな。


「運動靴と赤い金魚」(1997イラン)


妹のお気に入りの靴をなくしてしまったお兄ちゃんが、自分の靴を妹に貸して学校に行かせるんだ。君たちには想像できないかもしれないけど、世界の国の中には自分の靴が一足しかない子供が沢山いるんだって。お兄ちゃんは弱虫ですぐ泣いちゃったりするけど、とっても妹思いの優しい子なんだよ。君たちもお気に入りじゃなくてもさ、今使っているノートや消しゴムも大切にしてくれると嬉しいな。


「あの子を探して」(1999中国)


山村の小学校で先生が急に授業できなくなっちゃったので、中学生の女の子が先生の代わりに授業をすることになるんだけど、男の子の悪ガキが学校を飛び出して行方不明になっちゃう。探しに行くにもお金がないから生徒みんなでバイトして、バス代稼いで女の子が大人の代わりに一人大都会に出てゆくんだ。君たちが毎日学校に行けることって、本当はすごく幸せなことだと気が付いてくれると嬉しいな。


「ごめん」(2002日)


小学生の男の子が少しづつ女の子の事に興味を持ち始めるって当たり前のことなんだけど、ちょっぴり恥ずかしいよね。小学6年生のセイ君は中学生のナオちゃんに一目惚れしちゃって、コクるんだけど見事にフラれちゃうんだ。好きな子にフラれるのは悲しいし辛いよね。それでもさ、自分の気持ちを隠したままで後悔するよりも、勇気出して思い切って好きだって伝えることが出来たら嬉しいな。


「天然コケッコー」(2007日)


小さな小さな学校に通う7人の子供たちは、毎朝一緒に登校して帰りも仲良く帰るんだよ。海に遊びに行くのだって、お祭りに行くのだって一緒。中学生は小学生の面倒をちゃんとみてあげるし、小さい子はお兄ちゃんお姉ちゃんの言うことを素直に聞くんだ。君たちの学校はどう?上級生は下級生に優しくしてますか?毎日元気に学校行ってますか?早くコロナが終わって笑顔の君たちに出会えるようになると嬉しいな。


「きみの友だち」(2008日)


恵美ちゃんは小学生の頃事故にあって少し足が不自由だし、由香ちゃんは体が弱くて大縄跳びの輪に入れない。だから二人は放課後縄回しの特訓するけど、あんまり上手くできないんだ。由香ちゃんはあんまり長く生きられないんだけど、恵美ちゃんはずっとモコモコ雲を探している由香ちゃんと親友になるんだよ。友だちってさ、いつも仲良しって訳じゃないよね。それでもいなくなると寂しくなる。そんな君たちの友だちをオジサンに会わせてくれると嬉しいな。








メロディに恋した季節

2021-01-13 19:41:00 | 旧作映画、TVドラマ

久しぶりに「小さな恋のメロディ」観ちゃった
もう50回くらい観ているのにさ

親友のトムを振り切ってそっと手をつなぐダニーとメロディ
上級生が現れるとスルッと離れるが、学校から出て草生した墓地ではまたしっかり結ばれた手と手
若葉の頃の甘酸っぱい旋律にもうオジサンは涙が溢れて止まらないのだよ



「50年も愛し続けられるかしら?」
「お休みを除いて150学期」
「永いわ・・・」
「大丈夫だよ。僕もう一週間愛している」

初めてこの映画を観た時も二人のこの会話に感動したけど
いま、半世紀近く経ってオジサンになったけど、やっぱり感動しちゃうんだな




ダンスレッスン場で舞うメロディの栗色の長い髪
中学一年生のボクは君に恋していたのだよ