映画と渓流釣り

物忘れしないための処方箋

犯人は、あなたですね。

2008-02-17 15:27:31 | 新作映画
 いったい、今年の冬はどうしたのでしょう?このところ毎年暖冬傾向が続いておりましたので、二月も中旬になっていつもなら梅の花が匂う頃なのに、日の陰では名残りに薄汚れた雪まで散見されます。みなさま、春の足音が聞こえましたならお教えくださいませ。
 今週も行って参りました。『チーム・バチスタの栄光』です。ほとんど先入観なく映画と対面しましたので、大いに楽しめました。多分、原作を先に読んでしまっていたなら、楽しめた度合いが違ってしまったでしょう。犯人当てのミステリーですから、それを知ってしまっては面白みが半減してしまうでしょうし、それ以上に物語に登場するキャラクターの色が透明度を失ってしまう恐れがあります。まだどちらもご覧になられてないなら、映画を先に観ることをお勧めいたします。
 わたくしのお気に入りである結子さんの、おどおどしてボケ味利いた女医さん役は、彼女の芸域を広げてゆくには欠かせない部分になってゆくことでしょう。阿部寛の存在感は、その不気味なでかい図体と相まって、この作品の重要なスパイスとなっておりました。脇を固める俳優陣も、卒のない演技ぶりで健闘していました。
 演出も手堅く、適度に笑わせ和ませながら、ミステリーとしての緊張感も持続させることが出来ました。しかし、それ以上を望めばキリがありません。チーム・バチスタの面々を、もう少し濃い味付けが出来なかったものだろうか?謎解きの解説に映画的な工夫と分かりやすさを求めるのは酷なことでしょうか?脚本をもっともっと弄れれば可能であったかもしれません。娯楽作品だからここまでで良いのかも知れないけれど、医療事故とか過失医療とかの臭いが漂うラストなんかになったら、それこそ違った世界に飛躍しそうなのにと思いました。まあ、この作品もTBS製作なので、映画だから出来る物語というような大人の鑑賞物にはできないのでしょうな。昨今の日本映画が抱えている病巣です。


決意と実行

2008-02-11 14:56:32 | 新作映画
 間髪置かずに、こんにちは。
昨日今日と、正確に言うなら11時間のインターバルで映画館に行って参りました。決意をすぐに実行に移す。それが成功の一番の近道なのです。あとは、体力と気力が続くかですね。そして一番大事なのは、何と言っても、素敵な映画に沢山出会えるかなのです。今年の日本映画に期待というより、望みをかけてお願いいたします。一本でも多く小父さんを楽しませてくださいな。
 今年の初観劇は友達の撮ったドキュメンタリーでしたので、それは置いといて、昨日の夜観た『結婚しようよ』と今朝観た『母べぇ』のお話を少しばかり。佐々部監督は山田監督との世界観が似てます。骨の太さでは山田作品に到底かないませんが、日本人のメンタリズムの何たるかは山田洋次よりもいっそう現代人に分かりやすいものだと思います。『結婚しようよ』は言うまでもなく吉田拓郎の名曲であるし、わたくし世代のみならず、若人の一部でも口ずさめるポップスのスタンダードかと思います。そんな歌を臆面もなく題材にして映画を撮るのには、それなりの開き直りがないと出来ないことだと思うのです。市井の家庭のなかにあるちょっとした出来事を、切り取って見せようとする作品は沢山ありますね。代表的な小津作品の父と娘のお話にも似ています。分かるんですが、わたくしにはもう五年早過ぎました。拓郎の曲にも半分ついて行けませんでした。残念!
 『母べぇ』は安心して物語に入っていける文部省特選のような作品です。吉永小百合は渾身の演技ですし、脇を支える俳優たちも子役に至るまで素晴らしい出来栄えです。しかし、山田作品の嫌な部分を多く持っているのも事実です。ご存知のとおり山田監督は東大出のインテリでありながら、底辺の労働者を沢山描いてきました。ご本人が共産主義者であるがために、本作も反戦の観点がインテリの共産主義者の目で描かれてます。ここにわたくしは違和感を覚えるのです。この時代の大半の人は、おかしいと思いながら、若しくはそれさえ思わず右を向いて生きていたはずです。寅さんのような人が反戦を説くなら素直に納得できるのですが、頭の良い学者先生に言われてもなぁ。鶴べぇ演じる奈良の叔父さんが一番納得のいく反戦論者でした。志田未来と壇れいの清楚な美しさが際立っておりました。


反省と決意

2008-02-11 14:24:56 | 旧作映画、TVドラマ
 毎日寒い日が続きますが、皆さんお変わりございませんか?
先日、学生時代の映画制作仲間が劇場用映画の初監督作品を発表しました。たった一週間の興行ではありますが、渋谷のシネマライズで上映できるなんて本当に幸せものだと思います。草間弥生のドキュメンタリー映画なのですが、わたくし、草間弥生自体知りませんでしたので、友達が関わってなければ絶対観なかったろうと思います。映画の出来はまだまだ修行せい!と、言いたくなるものでしたが、あの情緒不安定で一番先にキレてしまっていた彼女が、気難しい前衛芸術家なるものに2年間も我慢したなあと、そちらの方に感心しました。
 さて、その映画鑑賞のために集まった仲間と、ほんの暫く映画談義をしたのですが、その話の内容にわたくし反省とこれからの決意をしたのです。
 ケンちゃんは昔から温厚で、誰にでも親切な小父さんです。前記した友達の映画も既に観ていたのに、わたくしが一人で行くのは寂しいと募集すると、それじゃもう一度付き合いますかと言うような人です。一部上場会社のデベロッパーにお勤めなのに、人が良すぎて未だ独り者です。だれか結婚しても良いと言う、気持ちの温かい女人いませんか?そのケンちゃんが語る去年の映画解説にわたくし、ただ圧倒されっぱなしでした。ようく観てるんですよ。多分学生の頃と同じか、もしかしたらそれ以上。あんた映画解説者か!と、突っ込みたくなるほど、沢山映画を観ているのです。学校卒業して二十数年、こんなにも純真にガキの頃の趣味を楽しんでいるのって素敵でしょ。わたくし、決意しました。今年は泣き言いわないで、とりあえず映画を観ようと。