アカデミーを取るだろうからそうなったら映画館も混むだろうと、26日の内に鑑賞したのだが、賞は大逆転で逃してしまったらしい。前年の白人至上授賞の反動とか反トランプの影響とか言われているけれど、騒ぐほどずば抜けた作品だとは思わなかった。
とは言え、オープニングのシーンは圧巻で、ミュージカルはアメリカ映画の十八番なんだと実感する。主人公の二人が高台の公園(?)でタップ踏むシーンも、往年のミュージカルを観ているようでワクワクさせられる。ずっとこの調子で最後のハッピーエンドまで突っ走るんだろうと思っていたら、物語は段々重くなるばかりだし、軽快なダンスシーンは鳴りをひそめてしまった。
事前になにかで読んだ感想に、アメリカ版シェルブールの雨傘と書かれていた。映画館に向かう道中、奥様にその事を教えると、「でもアメリカ映画だからラストはアメリカ人でも分かるハッピーエンドでチャンチャンだよね」と笑っていたし、そうなる事を望んでもいた。
アメリカ映画があんな余韻あるラストを用意するとは思わなかった。
エマ・ストーン良かった。大きな眼がいかにも女優目指して頑張ってます感を醸し出している。でも我儘でいけ好かない女になっていないのは、演技力もあるだろうけど、往年のメグ・ライアンに通ずるファニーフェイスだからじゃないかな。ハリウッドで一流になる俳優は下地がしっかりしている。歌もダンスも演奏もみんなプロの仕事だ。アカデミー主演女優賞おめでとう。
蛇足だけれど、エマの愛車がトヨタのプリウスで、パーティー終了後預けたキーを受け取るシーン、プリウスのキーだらけだったのには笑えた。やっぱり、トヨタは沢山売れているんだとこれまた実感。