4月中旬からスタートした今年の春ドラマ。あまり意表を突いた番組は無いようだけど、いつものように四、五本はチェックしておきたい。
「大豆田とわ子と三人の元夫」
このシーズンの大本命。最近精力的に脚本を量産している坂元裕二が、名作「カルテット」で組んだ松たか子・松田龍平をメインキャストにややこしい男女の会話劇を書き上げた。初回、坂元脚本好きにはたまらないテンポいい会話が飛び交い大いに期待させてくれる。二話を観終わった時点では、坂元脚本のなかでも出色の出来ではないかと思う。元夫の三人がとても魅力的(いい人とか感情移入できるとかじゃ無いけど)に描かれていて、主人公の大豆田とわ子を凌駕しそうな勢いも楽しめている。
「恋はDeepに」
石原さとみと綾野剛でラブコメを作るというベタな企画。二人とも決して若くは無いし、手垢がついた感は否めないし誰をターゲットにしよとしているのか意味不明。いかにも日本テレビらしいと言えばそれまでだけど。物語は少女漫画、脚本は粗だらけじゃ折角の配役も生かせないな。ファンタジーだとしても、人魚姫じゃあまりにも嘘くさ過ぎるだろ。
「ゆるキャン△2」
盤石の続編。先日終了したアニメ版の筋を踏襲しているため初見の感じは薄いけど、キャストも変更ないため安心して観ていられる。アニメ版が醸し出していた余韻を出せたなら言うことないんだけどなぁ〜。寂しくて温かい旅の終わりって、お祭りの後の感じに似ている。キャンプの楽しみはそこにもあると思うから。
「コントが始まる」
こちらも贅沢な役者が揃い、しかも全員が癖があり上手いから今後が楽しみなドラマだ。二話のラストコントにはついウルッときてしまった。
「ネメシス」
広瀬すず何でこんな酷いドラマに参加した?脚本・監督は映画「SRサイタマノラッパー」が高評価だった入江悠なのに信じられない劣悪な脚本と演出。
「ドラゴン桜2」
あの名作を今になって続編。阿部寛の弁護士役はブレていないからすんなりと物語に入れた。ちょっと中だるみを感じさせる部分もあり、初回としては期待以上とは言えないかな。これから集まってくる生徒達が、どれだけ魅力的に描けるかが重要になる。癖のある若手有望株をキャスティングしているから楽しみだ。長谷川京子の担った女性教師役に匹敵する配役が見当たらないのが不安だけど。受験コーチ陣もどんな風になるのか観ていこう。
「おちょやん」
戦中戦後から夫婦別れに続く流れは、やっぱり辛くて悲しい。真実がそうだからと言って、朝ドラが息苦しい15分をこうも長々物語にする必要があるのだろうか?終盤、名脇役として活躍するフィナーレになりそうだから、明るい結末になるとは思うけど。
「ホットママ」
中国由来のドラマらしい。かつてはアジア圏に輸出一辺倒の国だった日本も、今や韓国を筆頭に数多くのコンテツを輸入している。決して悪いことではなく、リメイクされることで原作へのアプローチがし易くもなっている。元ネタを観ていないので比べようもないが、ネット配信会社オリジナルドラマだということで別扱いにする。
西野七瀬のママは若干若過ぎる様に感じるけど、現実社会ではあり得る話だ。千葉雄大との一夜の過ちでママになるという振りは頂けないにせよ、子育てしながら仕事にも情熱傾ける主人公の頑張りに気持ち良い涙を流すことができた。