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映画と渓流釣り

ねぇ、何処に流れ着くの? 流浪の月

そんなに息苦しい人生を背負った人ばかりじゃない世の中だけど、世間の目を逃れて流れて行く人々もいるのだなぁと、正しく他人事としてラスト二人が合わせた手の温もりを観ていた
冷めて観てはいたけど、冷たく突き放したわけじゃない。文(松坂桃李)と更紗(広瀬すず)の生き様を、こんな風に2時間強の映画というダイジェストで見せてくれたから、間違っているかのしれないけど二人の生き様には感情移入している

自分と同じような環境で生活してきた人にしか分かり合えないのかな。そりゃそうだろう。わたくしもう少しで61年の人生を過ごそうとしているけど、今だって自分以外の人についてほとんど分からないし実を言えばそれほど深く知ろうとも思ってない
物語では文を好きだったそして好きになって欲しかった彼女(多部未華子)が一番普通の感覚を持った人だし、更紗と結婚しようとしていた彼(横浜流星)だって歪んだ部分はあるにせよ、不器用な愛情の表現として共感はできないけど理解はできた

本屋大賞受賞の原作では登場人物それぞれに他人には知り得ない葛藤を抱えているので、人物像の深みということなら映画はちょい薄いと感じてしまった

特異な例ではあるけど同じ男だからということで、文の抱えていた身体的な劣等感と母親の目線に同情してしまうのだった
それ故に大人になった更紗の前で裸になるあのシーンは衝撃的で忘れられない
反面、主人公である更紗の感情はなんだか紋切り型で、説得力がないように感じてしまったのも事実

監督の李相日はこの作品で広瀬すずを大女優にしたかったらしいけど、それに関しては成功とは言えない。前作「怒り」のすずちゃんの方が圧倒的に凄かった。今回引きの演技を求められたこともあって難しかったかな。それでもあのすずちゃんがベッドシーンをするような大人になったんだとそちらには感心した

松坂桃李は凄いの一言。これで演技賞をもらえないのは可哀想なくらいの名演技。横浜流星も屈折したDV男を一生懸命演じていたのでこれからが楽しみ
そして一番推したいのは更紗の子供時代を演じた白鳥玉季だろう。彼女と文の魂が触れ合う同棲生活をもっともっと観ていたかった
子役から大人の女優に羽化しようとする危うげな美貌に将来を期待する



コメント一覧

ぽんぽこり2
いつも応援ありがとうございます これからもたくさんブログをあげますので 読んでくださいね できたらコメントも入れてください 頑張れ頑張れ頑張れ頑張れ頑張れ がんばれがいっぱい
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