出演者のコロナ感染というリスクと闘いながらの撮影はさぞかし大変だろうな。
大御所脚本家の作品がないだけに全般として期待値は低いタイトルが並んだ。チャレンジした企画も見当たらない。
「ハコヅメ」
戸田恵梨香、永野芽郁のW主演というだけで観ているけど、些か作りが雑な感じがする。交番勤務の婦人警官を主人公にするのは斬新なアイデアだと思うけど、それなら戸田恵梨香扮する先輩警官は元敏腕刑事とかの設定じゃなく、純粋に優秀な交番勤務の達人ぽくした方がよかったんじゃないかな。刑事事件も中途半端に絡ませるから主軸である交番勤務の特異性が描かれないままキャラクターが流されている。できれば交番という舞台におけるNHKのドキュメント72時間のようなノンフィクションドラマが観たいなと思ってしまう。
芽郁ちゃんのコロナ感染で一層雑な作りになりそうなのが心配。
「推しの王子様」
深田恭子の代わりに急遽代役にあてられた比嘉愛未の頑張り次第かな。序盤を観る限りでは深キョンより社長としてはリアリティがあるし、年下の男の子を理想の男性に育て上げる年増女の貫禄もあるように思う。設定の骨格はマイフェアレディだけど、目線は育てる方の女性だから受けのキャラを演じる渡邊圭祐が魅力的に描けるかも今後の課題だろう。
ゲーム作りのヲタク的要素とそれに懸ける熱量とかも伝わってくれば成功できるかもしれない。
「#家族募集します」
仲野太賀、木村文乃は春ドラマの秀作「コントが始まる」の中でも姉弟を良い感じの温度で演じていたから、連投で違った関係性を演じられると何だか複雑な気持ちになる。日本の俳優陣の手薄さもあるだろうけど、キャスティングするプロデューサーが多分に不勉強なんだと思う。アンダーグラウンドにだって力のある役者は沢山いるはずだ。
ドラマは片親3組がシェアハウスに集い疑似家族を形成してゆく物語だ。ハブの役割を仲野太賀が持ち前のキャラクターで魅力的に演じている。こちらもコロナ感染による撮影中止が気がかりだ。
「TOKYO MER」
救急医療ドラマの面白さとドクターヘリを動く手術室にバージョンアップさせた設定はうまくかみ合っていると思う。救急現場でのスピード感ある捌き方はこの手の命綱だから、演出と主演鈴木亮平の演技力にいまのところ感心している。
脇の賀来賢人、菜々緒、中条あやみ等も無難に役を演じており、少々大げさな事件性の事案が気に掛かるところではあるが、TBS看板ドラマ枠の名に恥じない王道大作ドラマの体をなしている。
「おかえりモネ」
清原果耶、蒔田彩珠、恒松祐里、今田美桜
これからを担うだろう若手女優の活躍を観られるだけでも楽しい朝ドラだ。
物語は故郷宮城から東京に移り、気象予報士としてのモネを応援できるかが鍵になりそうだ。脚本安達奈緒子の分かりやすく清涼感ある物語をこれからも楽しみたい。