映画と渓流釣り

物忘れしないための処方箋

インディお爺さん

2008-06-14 09:51:53 | 新作映画
 わたくしが学生の頃に『失われたアーク』が公開され、当時、ルーカスとスピルバーグのコラボレーションなんて実現できるなど考えもつかない時代でありましたからそれはそれは驚いたものでした。配給会社の宣伝ミス(あまりにも出し惜しみしすぎたため)と言われてましたが、こんなすごい組み合わせにハン・ソロ船長が絡んでいるのですからヒットしないわけないと思っていたのが大コケで、今作品を初めてご覧になる若い皆さんには信じられない事実かもしれません。まあ、『ダイハード』も公開当時は一部の映画ファンだけに語られる一傑作アクションに過ぎませんでしたが。
 さて、あれから二十年を越す歳月と映画技術の革新的な進歩は、インディにとってどうであったか?
ハリソン・フォードの好々爺振りをその言い訳にしても仕方ありませんが、往年のファンにとっては悲しみしか感じられませんし、若い眼にはアクションではなく年寄り運動会としか見えないのではないでしょうか。その辺をカバーするための施策も施されてはおりますが、前作ショーン・コネリー演じるところのパパのくだりを知らなければその楽しみも半減しますし、ジョーンズ博士が踊るからこそのドキドキのアクションですから、当馬で我慢してねといわれてもね...。なんか、寅さんが恋も失恋もしなくなって、満男の恋の指南役になってしまってからの『男はつらいよ』を観ているようなものです。(寅さんはそこにも魅力がありましたが)
 『失われたアーク』の序盤30分に味わった興奮は、もう二度と叶わないのだとあきらめましょう。だって、あの30分を徹底的に分析研究されて今のアクション映画が存在するのですから。わたくし達はその原点ともいえる瞬間にリアルタイムで接することが出来たのですから。『スターウォーズ』『バック・トゥ・ザ フューチャー』『ランボー』『ジョーズ』『ロッキー』etc. 
 わたくし達世代は感受性豊かな若き頃に、本当に幸せな出会いをしてきたのです。だからインディお爺ちゃんにも祝杯を挙げましょ。  お疲れ様でした!


僕の彼女は・・・

2008-06-08 08:39:21 | 新作映画
 今年の梅雨は例年に比べ、ずいぶん早くそして分かりやすく始まったと思いませんか?

 毎日ハードな仕事が続き、お休みの日に仮眠のままお魚釣りに行く体力と根性がありません。わたくしの楽しんでいる渓流の釣りは限られた季節の中で、それもこの梅雨時はベストコンディションなものですから、本来なら毎週でも竿を出しに行かねばならないのですが...

 まあ、そんなこんなで、今週末も映画館に通いました。クァク・ジェヨンの作品であることと、TV版『世界の中心・・・』以降気にして見る様になった綾瀬はるか主演であることが、封切り日に観ようと思っていた三谷の新作に打ち勝ちました。題名の『僕の彼女はサイボーグ』って、監督の過去作品がなければ絶対ありえないネーミングですよね。『猟奇的な彼女』『僕の彼女を紹介します』『デイジー(脚本)』の三作品で力強く健気な女性像を描き続けたその作風は、今作品でも変わりませんでした。
 ただし、作品の出来上がりは前記三作品には及びませんでした。綾瀬はるかはヒロインイメージに合っておりましたし、彼女の紋切り型のパターン演技はサイボーグそのものでした。(ここからはオチに繋がりますのでそのつもりでお読みください)難点は、サイボーグの彼女と生身の彼女の際立った感情のきらめきが分かり辛いこと。それ故にラスト生身の彼女が未来から戻ってきた時に、ボロボロになったサイボーグを抱きしめて泣いていた僕は、喜んでいいのかどうなのか困っちゃうんじゃないでしょうか?わたくしの気持ちはとても複雑でした。
 チョン・ジヒョンはそのへんの切り替えが分かりやすかったし、観客は素直に騙されましたね。日本資本での作品製作にはそれなりの制約があるので、思う存分監督の世界観を出し切れなかったのかもしれませんが、次回作は母国韓国でチョン・ジヒョン主演のたっぷり笑わせて泣かせて抱きしめたくなる映画をお願いします。


気がつくと二ヶ月が...

2008-06-01 20:46:04 | 歳時記雑感
 お久しぶりです。
パソコンが壊れてましたので、一向にアップできませんでした。

何度かお魚釣りにも行きましたが、今年の土曜日は殆ど雨降りなので日帰りばかりです。
仕事も辛くてのんびりとしている場合ではないのも、この頃のわたくしの実情です。
雨が多いのは川にとってはいいことです。なのに大きな魚は釣れません。

映画もコンスタントに観にいけません。
5月に観たのは長澤まさみちゃん観たさに『隠し砦』に行っただけです。汚い山女の衣装では魅力的なのに、お姫様になってしまうと輝きが失せるのはどうしてでしょう?この映画は黒澤映画のリメイクではなくスターウォーズの時代劇版でした。
今日映画サービスデイに観た『アフタースクール』は楽しめました。オリジナル脚本なのだと思いますが、スケールが小さなお話でもこんな緻密に練られた脚本であるなら、面白い映画が出来るのだなと改めて感心いたしました。