映画と渓流釣り

物忘れしないための処方箋

暑過ぎた夏の冷めたドラマ終了 2023夏ドラマ

2023-09-29 13:30:00 | 旧作映画、TVドラマ
忙しくてのんびり連ドラ鑑賞どころじゃなかったけど、観始めた4作品は一応全部完全制覇できた

「18/40」
深田恭子のぎこちない台詞回しに慣れてきた頃から物語も上手く回り出して、福原遥演じる女子大生幼母の奮闘に協力するアットホームな疑似家族感も面白かった
深田恭子母、金沢に住む片平なぎさが上京してベビーをあやす姿に安堵し、福原遥父、安田顕がタッパーに惣菜を小分けに通うところも完全に親目線で観てしまう
懐の深い脇役が付いているドラマは、脚本や演出が若干弱くても主役を引き立てて体裁を整えてくれるんだとしみじみ感じた。後述するその他ドラマにその差は顕著だ
鈴鹿央士くんがまた成長していることと、前から気になっていた嵐莉菜の美貌に触れられたことが収穫
序盤の不安値は消えたけど、成長物語というより一風変わった恋愛ドラマの色合いが強くて、その意味では平凡な点数に落ち着いてしまったか

「真夏のシンデレラ」
このドラマだけに限ったことじゃ無いけど、最近台詞の中で「えっ?」とか「えっ!」とかの描写が多すぎて辟易している。リアルな会話の中で日本人はそんな反応をしてはいない。実際、心の中で思っていても言葉に出している人見たことありますか?
脚本家が悪いというより、いちいち台詞にしないと視聴者に伝わらないと思い込んでるプロデューサーやディレクターの無能さのせいだと思うのだけど
典型的にダメなフジテレビの失敗例
前述した深みを与える脇も粗末に扱い、中途半端な時代錯誤の恋愛至上主義ドラマを作ったテレビ局の罪は重い
吉川愛の健康的な可愛らしさが唯一の加点材料

「初恋、ざらり」
いくつかの不満はあるにせよ、この夏に観た連続ドラマの中ではピカイチの作品だった
テレ東深夜ドラマの自由さと挑戦する勇気を今回も楽しませてもらった
他の民放プライム枠のように潤沢な制作費はかけられないだろうから、こじんまりした狭い世界を描くのだけれど、そこには個々の悩みや葛藤があるわけで、障がいを抱えたのがなんで自分なんだろうと苦悶する女性を小野花梨が繊細に演じて申し分ない
決して綺麗事ではないエピソードも踏まえつつ、ドラマが進むにつれ障がいを持つ彼女を応援したくなる作り方は好感がもてる。背景となる会社や家族との描かれ方も雑にならずに観せてくれたから、小さな世界でも閉じられた息苦しさはない
紆余曲折ありながらも最後は幸せになって欲しい思うのが親心か
序盤、若村麻由美の母親がネグレクトのように描かれていたが、障がいを持った娘の一番の理解者だってことに安心してしまう。きっとこの先、ネガティブな出来事のたびに障がい者であることの負い目を感じながら生きていくことになる。それでも二人なら寄り添っていけそうだなと、このドラマは思わせてくれた
これからもテレビ東京の深夜枠ではこんな優しいラブストーリーを作り続けて欲しい

「ハヤブサ消防団」
ミステリとしては結構頑張ったと思う
原作読んでると書いたけど、具体的なところは何一つ覚えておらず、その意味では新鮮な気持ちで観ることができたかもしれない。消防団の面々と絡むくだりは覚えていたし、カルト宗教団体との対決だったことも覚えいたのに、放火犯のこととかヒロインがいたことなどまるで記憶がない。その程度の原作だったことは確かだ
芸達者な出演者に助けられて最後まで楽しめたから合格点でいいかと思う
残念に感じたのは、ロケ地が上毛三山である妙義山の麓なのに設定は岐阜の山村だったこと。ケイチャンは確かに美味しいけど、それ以外は別段ロケ地の群馬が舞台で良かったのではないか

「らんまん」
AIMとしては半年もの間、あいみょんの愛の花が朝を彩ってくれる幸せな日々だった
典型的な朝ドラ仕様に作られていたから斬新さはなかったけれど、最近の失敗作にみられる物語の破綻や人物像の迷走はまるで無く安心して楽しめるドラマだった
アカデミックハラスメントを中途半端に触ってしまったのがやや停滞期を匂わせたけど、突っ込み過ぎるとちむどんどん化しちゃうし、触れないと挫折の無い薄っぺらな話になるだろうからギリ仕方ない作劇だったのかも
神木隆之介と浜辺美波は演技力もあって美男美女だから、毒っ気がない分朝ドラの主人公には向いているのかもしれない。脇にいる敵も味方も味付けの濃い人を配置したのもいい塩梅にブレンドされていた
いつか浜辺美波主演で朝ドラ作ってくれないだろうか?彼女のチャキッとした気っ風の良さは朝のヒロインにぴったりだと思う。このドラマも話が動き出すのは浜辺美波演じる妻が何かを決めて動き出す時だった。近い将来可能性があるように思う
それにしても最終回は泣いた
夫婦で思い遣る縁側のシーンは最近のドラマのなかでも特筆する出来だ
幼く亡くなった園ちゃんの名前を見た時は嗚咽が漏れてしまった
来週からはあいみょんの声が聞けないのも寂しいな




秋の釣行 落葉の佇まい

2023-09-25 17:20:00 | 釣り

今期最後の釣行です
桂川の木々はひっきりなしに葉を散らし、時たま訪れる魚信に似た針がかりでヒヤリとさせます

此の所足を運んでいなかった蒼龍峡に入渓しようと駐車場に車を寄せれば、すでに先行者がいました
田野倉地区で長竿を振ることにしました
力無い虹鱒がいくつか掛かりボウズは免れましたが、いつもの事9月の釣りは物悲しいものです





午後からは川茂堰堤上流を目指しましたが、此処も駐車スペースに空きがありません
旧コンクリート場から釣り下り、吐き出し口手前まで行くと深みのあるトロ場でストップ
仕方なく元に戻って院辺橋まで釣り上りましたが、虹鱒1尾の釣果でした






コスモスが秋の到来を教えてくれます
今期は桂川より利根川水系で思い切り遊びましたので、思い残すことはありません
来年も多分、夏の間は利根川に入り浸りそうです







夕方、久し振りに秋山温泉でまったりしました
ぬるめの源泉掛け流しに指がふやけるまで湯浴みして、今年最後の釣りを締めくくりました






こんな母の息子になりたいと

2023-09-11 13:48:00 | 新作映画

これまでも山田監督と小百合さんが日本の母親像を紡ぎだそうとしていたけど、過去の2作はどちらも感心しない出来で、寅さんはじめ沢山傑作を生み出した御大の作品としては退屈だった。山田作品の魅力は日本の家族(血縁のわだかまり)をべったりと面白可笑しく観せてくれるところだし、それは日本の家庭で育った者にとって煩わしさはあるけれど掛け替えのない郷愁だったりもする

小百合さんが悪いわけじゃ無いけれど、小百合さんが演じると吉永小百合にしか見えなくて、市井の老婦人として観ることはない。前2作の「母べぇ」「母と暮せば」も今までの美しく気高い小百合像のままで、ボクの母親ではなかった
ようやくこの3作目で母に会えた気になれたのは、年齢相応の役回りにしっかりはまったからだと思う
小百合さんの下町風の喋り方もちょっと新鮮で、足袋屋の未亡人の役どころもしっくりくるから馴染みやすい

大泉洋とのマッチングもすこぶる良い。もう少し早く山田作品の常連になっていればと悔やまれる
御大に気に入られたのか今回も永野芽郁ちゃんが狂言回し的な女の子をハツラツと演じていて、芽郁ちゃん好きとしては嬉しい。こんな世界的名監督に使ってもらえればこれからの肥やしになるだろう

母親の恋と失恋に戸惑い、自分の家族の崩壊に怯え、会社でも柵の板挟みに喘ぐ
中年男の悲哀が今のわたくしには沁みる
決して同じような境遇では無いけれど、例えばソファーに横になると座布団を枕がわりに差し出す母親の仕草に自分の年老いた母の姿を重ねてしまう。郷里に帰るたびにグズグズ聞かされる愚痴にうんざりしながらも、息子にしか気安くグチれない母の孤独に気がつく

なんでだかよく分からないけど所々でグズグズ泣いてしまい、似ても似つかぬ小百合さんと田舎のおふくろがオーバーラップしてゆく。8月の帰省時、雪が降る前にもう一度帰ってきて欲しそうだったけど、仕事を理由にまた来年まで帰れないと言ってしまった
死ぬことの怖れではなく、誰かに面倒をかけるかもしれないという先行きの不安に怯える姿も映画の描写と一緒で身につまされてしまう
紅葉が美しい時季にもう一度顔を見に行こうかなどと愁傷なことを考えてみる



御大にとってこれが最後の作品になってしまうかも知れない
相変わらず共産主義的イデオロギーは時代錯誤な気がするし、東京大空襲の惨劇をホームレスに語らせても今の若い子には何のことやら分からないだろう
20歳前後の女の子の描き方は昭和時代のお嬢様然として違和感あるし、都心の一等地にある会社に勤務する人事部長があんなにお気楽なわけなく、生き続けている現在の日本社会とは微妙にズレている
それでも根幹にある人がしっかり描かれていて、山田洋次のフィルムを通せば隣に住んでる普通の家族のように思えてくるのだ

叶うなら母、息子、孫娘の暮らす下町の足袋屋を訪れてみたい
小さな中庭の縁側に腰掛けて、欠けた煎餅をツマミに安いビールでも飲めたらなんて想像してみる
老いた母親の愚痴を聞くのも良いかもしれない