『ささらさや』シリーズの第2弾。
「てるてるあした。きょうないても あしたはわらう」
7つの章からなっているお話ですが、各章の最後に泣かせてくれます。
それも、泣け~っ! とくるのではなく、自然な感じでホロリと泣けるところが良いです。
主人公以外の登場人物は、のほほんと、ほのぼのと、ハートフルな感じで生きているように見えます。
主人公の目から見れば、鈍感な人たちなのですね。
しかし、そう見えるのは、課題の分離がきちんと出来ている人たちだから。
他人の課題に手を出さず、自分のやれることだけをしている人たちなのですね。
みなさん、アドラー心理学を極めているような人たちです
そして、不思議なことが起こる佐々良町が舞台ですけど、いつもウソ(オカルト)はひとつだけ。
他はオカルトに見えても、オカルトではなく、種明かしがあります。
それを見事に最後まで使いきった構成も見事でした。
最後には、基本、ハートフルな雰囲気の話だろうとおもっている読者を純文学クラスの重い真実で殴るのがすごいなぁ
今まで読んだ加納さんの本では一番好きな作品です。