
クリスマスには欠かせない物のひとつにケーキがある。その物はクリスマスに用いるデコレーションケーキと呼ばれる。家庭用には買ったが、ケーキは私の口にしない物のひとつで味わったことがあったかどうか定かでない。店頭では注文たまわりますの掲示が並ぶ。
そのクリスマスケーキの飾り付けに欠かせないひとつに「イチゴ」がある。店頭のサンプルにも大きくてよく熟れた見事なイチゴがのせてある。ある年、関西以西でイチゴの大凶作となったことがある。どこから情報を得たのか、神戸の有名なケーキ店の担当者が鞄一杯に詰めた札束を見せ「これで売れるだけのイチゴを分けて欲しい」とクリスマス前に知り合いの農家にやってきた。日頃の取引先と約束があるからと断ったことを聞いた。
その農家は露地栽培でなく大型ハウスに当時、新開発された冠水チューブを用いて栽培をされていた。「近くでイチゴが獲れるのはうちのハウスだけ」と、札束の話しの前に聞いていたが、その後でケーキとイチゴの重大な関係を知った。
ミカン、干し柿、イチジク、桃などに似せた和菓子が出された。それぞれがお好みの菓子を口にした。感想は「見かけや外観だけでなく、それぞれがそれぞれの味になっている」ということだった。職人の腕前だろうが、外観はともかく味つけには相当な工夫をされているのかな、撮ったミカンの1枚を見ながら思い返す。菓子やケーキ、食べる人の幸せを感じさせるのは素材もだが、それを閉じ込めるスキルが素晴らしい。