日々のことを徒然に

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鍔迫り合い

2021年12月23日 | 社会 政治

 幹の大きさからすると若い盛りの桜の木が2本並んでいる。その各々から伸びた枝が握手するようにつながっている。周囲の桜の木は全て葉を落とし裸木なのに並んだ2本は握手し合う枝のそれぞれが数枚の赤くなった葉を残している。最後の1葉になることをそれぞれの枝が競っているようで、鍔迫り合いをしているように見え苦笑した。

 互いに激しくせり合うことを「鍔迫り合いを演ずる」といい、その場にいなくてもどんな様子か大方の予想がつく。正統的には「互いに打ち込んだ刀を鍔で受け止めたまま押し合うこと」らしいが、接戦を表現する時には分かりやすい。マスコミは選挙報道で、優劣のつかない候補同士の競う様子などにも使っている。

 選挙と言えば、今日、住んでいる山口県の副知事と山口市幹部2人が公選法違反(公務員の地位利用)の疑いで書類送検された。先の衆院選の3区で当選した林外相の後援会に入るよう加入活動したとされ、いずれも容疑は認めている。林は参院からのくら替えで衆院現職との自民党公認争いに勝った。その過程は熾烈で激しい鍔迫り合いが報道されていた。

 枯葉の鍔迫り合いは詩情がありユーモラスでもあるが、競い合う選挙戦で公務員がこれに関与するとは呆れるほかない。報道ではこれまでも似たことはあったという証言が載っている。送検の幹部らは下位管理者にも後援会入会の勧誘を働きかけているだろう。公務員は誰の選挙運動にも手を貸してはいけないし、鍔は己の身を守るための物であることを知っておこう。
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