空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

ミャンマー・ムスリム問題と我が国のとある話題

2017-10-18 00:43:14 | ビルマ/ミャンマー
BBC Rohingya crisis: Drone footage shows thousands fleeing 17 Oct 2017

 今日もミャンマーから脱出中…ってところか。

BBC Myanmar Muslims fear further 'turning of the tide' 16 Oct 2017 By Anbarasan Ethirajan

Various reports point out that Muslims have been living in Myanmar for centuries」、うん、このこと自体は(ほぼ)誰も争わないと思う。

"The situation changed after the violence in Rakhine state in 2012," he said. "The tide is not just against Rohingya Muslims but also against the Muslim community as a whole."

 全てのムスリムに対してざくっと敵対的な反応を示すようになったりしたわけだ。

 我が国でもまあ、他人のことは笑えなくて、2chあたりの掛け合いで、『俺の姓は高麗っていうんだけど、そっち系統かな』『そのまんまじゃねえか』『やっぱりそうか、絶望した、俺は子供をつくらないぞ』みたいな話を見たことがあるが、常識的に考えて、高麗氏は高麗郡を支配した秩父党の一派あたりじゃないかな。本来の高麗氏で未だに高麗を名乗るなら、由来くらいは知っているだろうとか思うが、どうだろう。
 というか、大和朝廷時代まで遡っての渡来人って、大和民族を構成する要素のひとつだと思うが、もはや。
 私に見合い話を持ってきた子の発言にみられるように、我々の場合、まずは明治維新前後で”日本人””新日本人”をざっくり分けるのじゃないだろうか。

 だってねえ

Islamic community leaders say they are disappointed that despite the numbers there is no single sitting Muslim member of parliament.

 全人口の5.4%を占めるはずのムスリムの代表者が国会にひとりもいないのだ!とミャンマーでは問題視されるわけだが、さて、我が国で、『奈良以前の渡来人家系の人物が』だとかと問題にされるだろうか。そうではなく、(主に第二次大戦後に定着しただろう)人々についてこそ問題を語るだろう。この点、ミャンマーも似た事情がある(例の国籍条項)。 

The elections in 2015 brought Aung San Suu Kyi's National League for Democracy (NLD) to power, but even the NLD did not field any Muslim candidates

 ―なんというか、我が国の場合は、むしろ逆噴射した感もあり、国会議員は帰化人に満ちているという、常識的に考えてデマ以外のなにものでもないような話がでろでろと…。

 …まあ、つまり、それだけ”軽い”話になってしまったということなんだろう。とりあえず、半島系だのどこかのハーフだのという理由で暗殺におびえる必要がないくらいに。

"We feel that we are being discriminated against in every way, you name it,"

 ―もちろん、日本でもそうよ!差別されてるよ!いろいろ指摘できるよ!と主張したい人はいるだろうが:



 とりあえず我が国で、国軍がマイノリティを襲撃して家を老人ごと焼き払ってオンナは××、幼児はその辺にぶん投げて頭かちわって…という現実は展開しないし心配もない。

 また、前段、…関東大震災の際、”自警団”がアレコレしでかして、軍がいなかったらどれほど被害が広がったことか…というお話でもあったはずで、規律ある軍隊・実力組織の必要性を改めて認識したということでよいか。後段の「安倍政権というのは」以下はどうか、ともあれ”自警団”的勝手連がはびこるのは嬉しいことではないな。

 だいたい、ミャンマーの例をみても「Muslims in Yangon mix with other communities even though many are feeling nervous about developments in Rakhine state」、なんでこうなっちゃうかといえば、ムスリムの衣装が独特だからということはあり。

 で、現代日本で、在日コリアンを確実に目で見てピックアップできると信じるに足る指標があるとでも? まあ無理だ。第一世代なら濁音にやや難が見えなくもないが、永年いれば、少なくとも東北地方では、容易に区別できるとは信じがたい。

 ともあれ。ミャンマーでは「Mr Lwin says Ms Suu Kyi may not be perfect, but "she is our only hope". He argues that the state counsellor has done whatever she could to solve the Rohingya issue.」であること、認識しておくべきだろう。

 さらに「"If she comes out openly and started to speak for the Muslims, it will be a political suicide for her," he says. "We don't want that to happen."

 …スーチー氏は微妙な、非常に微妙な位置なのである。

He warns that the West should understand that if she is discredited and removed from power, Myanmar risks a return to authoritarian rule

 彼女のおかげで危ういところで立ち止まり、希望を残している―というあたりと思われる。彼女が消えれば、実際上、希望も消える。新たな希望を見出すためには、あまりに民主的経験・訓練・蓄積が少なすぎるのだろう、おそらく。

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