空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

Farkhunda殺害事件

2015-03-25 08:37:13 | Newsメモ
BBC Afghan woman Farkhunda lynched in Kabul 'for speaking out' 23 Mar 2015

 クルアーンを燃やしたとして(つまり、神聖冒涜行為に問われて)リンチされたうえ焼かれた女性は、mullahが女性向けに護符を売るのを”なんかおかしくない?”と異議申し立てをし、その口論が高じて”この女はコーランを燃やしたのだ!”と罵倒され、そのせいで殺されたのだ―という目撃証言。

 二重か三重にねじれた話で、ややコメントに困る。

 殺され方も残忍というべきもので、これを事例として教材に仕立てるのはかなり難。いや、そのえぐいところを言わなければいいのだろうけど…。

 ともあれ、興味深い論点はいろいろ見えていて、貴重な・転換点となりうる事例のように思われる。

 最初は、父上は、”うちの娘は精神的にアレで”と証言したのだそうだ。警察が”そういっといたほうが、更なる復讐行為の可能性を減らすし”と助言した模様。これだと泣き寝入りの方向。

 ところが証言をひっくり返してみると―彼女の葬式では、棺担ぎは女性活動家が担ったそうだ。それは普通、男性の仕事であるところだ。してみると、この事例は、ナァナァで済ませようと・済むだろうとした伝統社会に対する、わりと強力な一撃になったわけである。

 しかも、大統領からして、彼女の死について調査せよと命じたそうで。

 そういう事情であるので、この事件からは二種類の流れがありえる。
 アミュレットに対する抗議から始まったことから、イスラーム信仰の純粋化の運動へ動く道。
 もうひとつは、女性の発言の権利・正当な取り扱いの要求の方向への道。
 もちろん、イスラーム(原理)主義的要素と西欧的自由民権の要素とは、今後もせめぎあいながら存在するだろうけど、なにやら象徴的な事件として記憶されるかも、と思い、メモ。

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