空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

「スリーパー・セル」の現実的脅威って

2018-02-21 12:29:10 | Weblog
 どの辺にあるのかって話。実際上、実力行使的にはほぼ無価値であって、重要なのは情報的側面だろうに。

NewsWeek Japan 北朝鮮「スリーパー・セル」を恐れる必要はない 2018年02月20日(火)17時15分

日本の国際政治学者・三浦瑠麗が、もし北朝鮮との戦争が始まり、最高指導者の金正恩が「殺されたのが分かったら、一切外部との連絡を絶って、都市で動き始めるスリーパー・セルというテロリスト分子がいる。ソウルでも、東京でも。もちろん大阪でも」と、テレビでコメントしたという

 なるほどーなるほどーと2ページ目をみれば

通常、スリーパーはターゲット国で、与えられた任務に近い分野の仕事を得ようとする。そして、一見したところ愛国的な市民という隠れみのを作り、その国の国家安全保障関係者に取り入り、政府の「計画や意向」に関する情報を引き出す

チャップマン逮捕後にロシア側の関係者が明らかにしたところによると、チャップマンはオバマ政権高官をたぶらかし、アメリカの外交情報を手に入れようとしていた

 …なるほどーなるほどー。というか、話題の三浦氏は、自分こそがその他ならぬスリーパー・セルで、日本社会に無駄な緊張を呼び起こそうという陰謀をたくらみ、かつ実行したと評価される可能性を考えたのだろうか。非常に常識的にいえば3ページ目にあるように

だが、スリーパーはほぼ例外なく、チャップマンのように社会への浸透を図るものであり、暗殺や妨害工作をするわけではない。逆に、そんなことができる急襲チームを長年無難な仕事に就けて潜伏させておくのは、極めて難しい。ハリウッド映画ではあるかもしれないが、現実にはほぼあり得ない

 専門家なら(というか私程度の低水準のマニアでも)知っているように・すぐさま理解するように、マジの破壊工作員を予め年単位で潜入させるなんてのは、現実的にはありえない。リスクが高すぎる。むしろ情報収集や情報操作のための、ニンジャ的用語でいえば「草」こそが重要でより一般的。この水準の認識なしにやっちゃうあたり、軍オタ方面は三浦氏への評価をえらく低くすることだろう。おそらく情報関係者も。

 なお

確かにスパイ活動は、目に見えない闇の世界だ。そしてスリーパーは確かに存在する。だが、平均的な日本人がそれを眠れないほど心配する必要はない。それは日本の防諜機関の仕事だ。彼らが今この瞬間も、北朝鮮の暗号メッセージを分析してくれているはずだ

 なのであり、三浦氏の発言でいろいろ世間が沸いたようだが、この変数をも利用して仕事をしている人たちがいるはずである。






 なお、ああいう人たちが自己満足と金銭を得ているのはまちがいないだろうところで、あんなふうにてきとーぶっこいてパンピーに尊敬されてカネもほしいかなーと思う水準の学者だと自分を思っている程度の層はわりと分厚いようで、まあどうしようもないなあとか思う。

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