空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

山本太郎氏の「サプライズ」

2021-10-09 22:17:46 | Weblog
 たいへん不義理だと思いますが。

朝日新聞 山本太郎氏が衆院東京8区から立候補へ 一本化を調整中、野党は困惑 北見英城、神沢和敬2021年10月8日 20時27分

れいわ新選組の山本太郎代表は8日、次期衆院選に東京8区から出馬すると発表した。同選挙区では立憲民主、共産両党で候補者を一本化する調整が進んでいた。山本氏の「サプライズ」参戦は、「野党共闘」に波紋を広げている

通常、候補予定者の発表は記者会見を開くのが通例だが、山本氏は街宣活動の中での発表にこだわった

20年の都知事選で山本氏が落選し、今夏の都議選でも議席が取れなかった。党の存在感が低下するなか、山本氏にとって国政復帰は悲願だ

 なら勝てそうなところに行くとか。

山本氏の出馬する選挙区をどこにするかは「サプライズ」(山本氏)だった。他党との交渉材料にするために温存していたカードでもあった」だからといって他党・友党との連絡調整なしに街宣活動で事後承諾を押し切る格好にするのは、連携政党さんにたいへん不義理だと思われる。

ただ、同区には、野党共闘を呼びかける「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」(市民連合)を介して、れいわが共通政策を結ぶ立憲、共産両党がそれぞれ候補者を擁立している。両党間では、立憲新顔の吉田晴美氏に一本化する方向で調整が進んでいたため、困惑が広がる。

 山本氏は「調整しないとこんなことできない」と自らへの一本化の調整が進んでいることを強調したが、聴衆から「吉田さんで決まっていたんですよ」という声が上がった・


 もちろんトップレベルでは決定している―立民幹部はしらばっくれている―という可能性もまああるが、あればあったで立民さんの地方組織の対中央意識がかなり悪化するかと思われ。

東京新聞 れいわ・山本太郎氏「目的は政権交代。鼻つまんでも応援して」衆院選、東京8区で立候補表明 2021年10月8日 20時47分

 東京新聞は山本太郎氏にまだしも好意的なのだろうが、それでさえ(そして当人が言うらしいとはいえ)「鼻つま」んでもという見出しにせざるを得ないほど筋が悪い、と評するべきだと思う。

山本氏は「野党共闘とは政権交代に向けて選挙区を調整していくということだ。東京8区に私が立つ意味合いは、野党共闘の中で、すべての選挙区は調整していけないが、調整していくということの一部だ」と強調。立民、共産の支持者らへに対しては「自分の最も押したい人が選挙区で出られないことに関しては、申し訳ないと思う。でも目的は何のため?力を合わせていくしかない。鼻つまんででも応援してほしい」と呼び掛けた

東京8区では、自民党の石原伸晃元幹事長が8期連続当選している。山本氏は2012年に「反原発」などを掲げて初出馬した際に、石原氏に約6万票差のほぼダブルスコアで敗れており、「石原さんにリベンジ。もう一度やらせていただく」と語った

 ということで。どっちみち負ける選挙区であるなら、地元組織のやる気を高め、結集力を高める候補の方が良いような。つまり山本氏ではなく、東京新聞がこの記事中に一言も言及しない吉田晴美氏である。ああ、まあ、そりゃあどっちみち負ける候補なんだろうよ、そりゃあそうだろうよ、相手は自民党最強ランクだよ、だけどそういう問題じゃない場面もあるわけだよ。

また比例代表との重複立候補になることも明かし、「帰らないとだめだもん。ぴりっとさせなきゃ国会を」と述べた

 とまあ。そりゃあ比例なら勝てるだろう。ならば選挙区で惨敗が見込まれるところにわざわざ割り込む意味はどれほどあるか。惜敗率という概念があるようにも思うが。

 ちょっとねえ、福島を攻撃する(した)のは東京都市圏での票数稼ぎのためと理解もできるんですが。わざわざこうも固定票を減らすような行動をとるとは、「勝負師」「政局屋」といった褒め言葉足りえる評では表現できないものなのではないかと思えてくるのですが。ポピュリストと言うなら、もっと人気を気にするものだろうし―「破滅願望」に近いように思うのだけれど、どうだろう。
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