空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

Muse大統領はGedi前ソマリア首相と会談する:ソマリア

2008-04-14 00:11:41 | ソマリア関連
 ソマリアの自治国家プントランドの大統領Muse氏は外遊中(関連:「プントランドの石油問題におけるエチオピアの影:ソマリア」)。その彼が私的に会談した相手とは―なんとソマリア暫定政権前首相Gedi氏でありました:

Garowe Online Puntland leader meets privately with Somalia's former PM Apr 12, 2008

 ケニア,ナイロビ発。Muse氏は空港から直でGedi氏の自宅に出向き,3時間に渡って会談した由。
 驚くべきことでありまして,この二人は政的同士であります。Gedi氏失脚は地下資源開発問題において,プントランドが独自の権利を主張し,Gedi氏がこれを抑え切れなかったことに端を発します(この内紛については,例えば「中国の石油探査計画について続報:ソマリア」)。もとから不仲のソマリア暫定大統領Yusuf氏は政府内内紛を処理するのに,首相の(事実上の)すげ替えを選んだわけ,です。

 その後もプントランドは石油開発契約を独自に進め―今度はYusuf氏はプントランド指導部にご不満をお持ちと相成り,このたび,Muse氏はGedi氏と,Yusuf氏との関係に変化を及ぼすべく会談に及んだ―のだそうです。

 …なら最初っからGedi氏を支持してMuse氏を叩いちゃえばよかったのにね,Yusufさん。

 ともあれGedi氏は2009年の大統領選への出馬を公表しておりまして,ソマリア政界におけるその存在は未だ無視しえないものがある様子。ケニアからソマリア議会反大統領派を率いているようですし。

 そんなプントランドは内政もダメダメ状態。また紙幣の違法印刷がなされる様子:Garowe Online Somalia: Money-printing scam resumes in Puntland Apr 12, 2008

 印刷用の紙がボサソ港に入ったという。
 とんでもないインフレーションに悩まされるプントランド。その理由は紙幣を印刷しすぎたから…。一旦印刷全面差し止めしたところ,業者と治安部隊とで衝突が起こり,これを長老達が仲裁して…とまあ,誰が本当の権力者なのだか解ったものじゃありません。

 …氏族会議に頼らない,そんな民主主義国家を作るんだっということで憲法改定作業してたはずですがねー(「プントランドは憲法改訂に着手する:ソマリア」)。

 実際には氏族長らの権威は絶大なものがあって,我々が理解するような民主主義政党政治に移行するには大変な時間が必要かと思われます。…だからこそ,氏族長暗殺だなんて事件が起こったときにはびっくりだったわけで…。

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