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てらまち・ねっと



 昨年の夏野菜は、家の敷地内で初めて作りました。かなり無理があったよう。
今年は、敷地内は花木にする方針に統一。夏野菜は、もともとの畑で作ることにしました(無農薬・無化学肥料栽培)。
 約85株、10数種の65品種ほど。どれも1株から数株。
   5月1日の苗一覧
 私流の考えた方を説明しながら、栽培を紹介します。鉢やプランターの栽培、野菜だけでなく花でも基本は同じだと思います。

●基本=《水》 水は、事前にたっぷり、後は節水型
 野菜の水は控えるのが、丈夫でおいしい野菜づくりの基本です。水は、植えつける前には土にたっぷりとやり、植えてから後は出るだけ少なくもって行きます(手間も少なくて済む)。
 「事前にたっぷり」の理由 ⇒ 水をやると土の温度が下がります。苗の活着(定植してから新根が出て安定すること)を早くする為に、苗の温度は下げたくないので植える前にたっぷりやって、1日くらいは放置して、地温を十分に上げたいからです。
 「後は節水型」の理由 ⇒ 根は水や肥料を求めて伸び広がっていきます。しかし、すぐ側に水があると、それで満足。新しい根を伸ばす必要も少ない。
 苗の活着も成長も遅くなります。やくみかける例は、少しでもしおれたら、これは大変と、毎日、せっせと水をやること。夏野菜の地上部の茎葉はズクズクと大きく広がりますが、土の中の根はあまり広がっていません。
 これに対して、水を控えると、地上部の茎葉は伸び広がずガッチリ、どちらかというと出来が悪いと思えます。が、土の中のはしっかりと広がっています。この根が、開花結実の頃に耐病性や収量、味などで逆転する力の元になります。
 
●基本=《肥料》 元肥えは無しで、最初は地力(その畑のチカラ)でいきます
 予定場所全体に肥料をふってすき込む({全層施肥}という)ことは最悪と考えます。前年にやって、土に充分なじませておくならともかく(もっとも、この状態こそ『土作りの良い例』です)。
 理由は、野菜の根の周りに肥料分がもたくさんあれば、野菜は「ゲップ」状態。根は肥料を求めて活発に伸びる必要がありません。でも、簡単に吸収できるから、ノンビリダラリ。私のような成人病体質に例えるなら、「肥満体質・軟弱型・病気持ち・虫が寄ってくる」・・・
 だから、肥料は土の中や上に「ムラムラ」に存在したほうが良い。そうすると、野菜の根は肥料を求めて活発に伸び、展開します。ムラがある場合、濃すぎる肥料の場所は避け、そのときの自分の必要に適った位置や「肥料分との距離」などの間合をとって伸びますから、適切な状態を維持できます。

● 植え付け場所の事前準備
 ◎《溝施肥》 畝の芯に肥料(と水)
 ナス、キュウリ、ピーマンなど長期で収穫する野菜は、無肥料ではキツイいので、植える予定の畝の下に事前に入れおきます。全層施肥に対して「溝施肥(みぞせひ)」といいます。
 溝は30cm位下まで掘るといいと思います。溝の底に、堆肥(未熟でもいける)とか鶏糞とか菜種粕とか、どれかあるいは混ぜて適宜に入れます。ワラや草も入れてもいいです。乾燥物の場合は、馴染ませるためには、水をやった方がいいと思います。

 長さのある場所なので、メジャーでラインをだしました。
 3月中旬に耕運機でかき混ぜておいたところで、草は少し生えていますが気にしません。(今回、私は、サボって10cm程度にしましたので、写真のイメージは参考になるかどうか)
(どの写真もクリックすると拡大。写真右下あたりのクリックでさらに拡大)

 4本の溝。
左から1番目と3番目は、溝施肥用。 2番目と右端は畝を立てたときの通路。
 注意* トマト(ミニトマトを除く)だけは、溝施肥はしないか、深いところにごく少量にして、地力で育てる


  今回、夏野菜の畝なので、黒マルチをします。すると、乾いた肥料(昨年水田の稲に使った残り)であることに加え、畝の芯に水が届くことはまず無いこともあるので、たっぷりと水をやりました。


●《植え穴》 定植の穴にも事前にたっぷりと水やり

 土をカマボコ上に上げて畝づくり。溝施肥と水やりしたところは、この畝の芯の下にもぐりました。


 黒マルチしてから、植え穴をあけます。ここにも、植える前日にたっぷり水やりし、放置して地温を上げます。たっぷりです。これは、溝施肥してもしない場合でも、必要なことです。


 うり・スイカ・カボチャは、畝を作ってマルチして、植える予定の所のマルチを20cm角くらいの正方形にスコップできり抜きます。たっぷり水やりしてから、土をおわん状に盛り(「鞍つき」といいます)、その真ん中に、さらにたっぷり水やり。


●《定植前の苗の水やり》 上からかけても不十分

 ポット苗の管理は結構大変です。乾くからといつも水やりすると徒長、控えすぎるとしおれる。いったん乾いたポットの土は、上からサッとかけても浸み込みません。定植する前の日の管理は、水を張ったところにポットごと入れて、30分位鉢を浸水状態で放置します。
 植える日には水は不要。水を掛けてすぐに植えようとすると、土の根鉢が崩れて極めてまずいことになります。数時間は置きたい。


  上の左の写真の右下の鉢のトマト2株はカラカラでしおれてます(良くない例*一番高い黒いトマト苗なのにウッカリ)。
 右の写真ではシャンとして来ました。


● 《定植》 植え方、縛り方
 定植のタイミングの理想は、風の無い晴天の日の午前10時から午後2時ころ。
 接木苗は、ついである部分をできるだけ土と離すように植えたい。つまり、高い位置でついである苗が良い苗(もちろん、ガッチリ型がよい)。
 接木部分から病気が入る可能性があるから、土面よりできるだけ上げるよう、ただし根鉢を土面より上に浮かすこともできない。自根は深く植えても良いけど、接木は浅く植えることが不可欠です。

  苗は、風にゆすられたり、倒れたりしないよう支柱で固定。
 「八の字縛り」の例 ⇒ (写真の上のヒモ) ギュッと1回支柱を縛り、(中のヒモ) 180度回して、(下のヒモ) 交叉させてから茎を抱きこむように縛る。


 これで、秋まで支柱側が緩むことはありません。

● 《植え終わり》 水はさっと馴染ませるだけ

 植え終わると、畝の植え穴の土と根鉢は土をかけたので一見納まっているようす。しかし、土の中では、根鉢はたいてい
空隙に包まれています。植えてすぐに、上からコップ1.2杯程度の水をサッと掛けて馴染ませます。(温度がさがるので、たくさん、やってはいけません)

 

 スイカやうり類、カボチャもさっと水をかけて馴染ませます。 

 

 私は、スイカやウリ類はトンネルをかけます。ウリバエなどをさえぎるとともに、これらは株元に雨水がくることを好まないようなので、(途中からは両側のスソをあげて)収穫の最後まで、幅狭・細長の「屋根」として掛けておきます。
 カボチャは、キャップをかけて、あとは放置。

●《様子》 5月3日に定植して、晴天2日後の5日の午後の様子

 

 2日間経ってもしおれていません。3日目の今日も同様でした。

 なお、明日当たり、(全国的に)大雨なので、「今のうちに植えておこう、そうすれば水やりもいらないから一石二鳥で楽」というのは最悪。雨風で苗は強いダメージを受けます。その後の生育は停滞してしまいます。
 雨が上がって土に充分水が浸み、晴れて地温が上がってから植えるのが一番。

 では、この続編は、また改めて。
 昨年の作り方などを見る場合は、カテゴリ『野菜・米・有機農業』をご参考に。


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