昨日、私用で県内の他の自治体の申請窓口で書類を書いて、担当とやり取りをしてました。途中、横に来たがっしりとした30代位の男性が別の職員に「これを滞納分に充ててください」。コンピュターで確認したらしい担当は「国保と市民税に充てたらいいですか?」。男性「はい」。精算が済んだらしく、担当「仮の保険証はお持ちですか?」。男性「持っていません」。担当「ちょっと待ってくださいね、今、作りますから」・・・自分の書類のことを別の職員とやり取りしながら、複雑な気持ちでした。 (←ここから前は、ふと思い出して、18日夜に追記しました)
多重債務問題、今年は大きな節目です。
高い金利、しかもグレーゾーン金利という2重のシステムの問題。
今朝の中日新聞は、「地方議会で議論活発化」と特集し、「上限金利引き下げ」の意見書が全国の265市町村で採択された、としています。
(写真をクリックすると拡大。写真右下あたりのクリックでさらに拡大)
ちょうど、昨日5月17日の新聞には、 岐阜県弁護士会 の 声明・5月13日 が新聞に紹介されました。
そこで、声明全文を紹介します。
● 出資法の上限金利の引き下げを求める会長声明
金融庁の「貸金業制度に関する懇談会」の中間整理が発表され,本年秋の国会には貸金業関連の改正法案が上程される見通しとなり,既に与党内部では法改正の準備が始められているとのことである。
同懇談会の中間整理では出資法の刑罰金利(年29.2%)を,利息制限法の制限金利(年15~20%)に引下げることが提言されているが,貸金業界からは逆に金利規制の緩和を求める意見が強く主張されている。
消費者金融の利用者は約2000万人にも達すると推定されるところ,ほとんどの利用者が,利息制限法を超過し本来は支払う必要のない金利であることを理解しないままに高利の支払を継続している。
業界の発表資料によれば,利用者の平均借入期間は6年半,3割の利用者が10年以上契約を継続しているとされ,長期間の利用者については,利息制限法によれば残債がないにもかかわらず支払を継続していることとなる。
2004年に成立した消費者基本法は,消費者の権利として公正な契約を締結する権利を定めるが,消費者金融の利用者にはこの極めて重要な消費者の権利が保障されていない。
ここ3年間,自己破産の申立件数は20万件前後と高水準で推移し,岐阜県内でも毎年3000人近くが自己破産の止むなきに至っている。更に,経済的要因による自殺者は年々増加し,2004年には全国で約8000人にも達して,交通事故の死者をも上回っている。その中には利息制限法によれば完済となっていることを知らないまま返済に追われ自殺に追い込まれる人も相当数含まれているものと考えられ,法治国家である日本において不正義が蔓延しているといわざるを得ない。
このように,多重債務問題は今なお深刻な状態にあり,到底金利規制を緩和すべき社会状況にはない。
近時最高裁判所が,利息制限法超過金利の根拠となるみなし弁済規定の要件を極めて厳格に解釈する一連の判決を行い,事実上みなし弁済規定の適用余地をなくしたことを,貸金業界は重く受けとめるべきである。
そこで当会は,今回の貸金業法関連の法改正に当たって,出資法の上限金利を少なくとも利息制限法の水準にまで引き下げて,いわゆるグレーゾーン金利を廃止することを,関係各機関に対し強く要望するものである。
2006年(平成18年)5月13日
岐阜県弁護士会
会長 武 藤 壽
| Trackback ( )
|