写真は目には見えないものを写す力がある。
形あるものばかりか、目に見えないものまで。
その日の全てを残すのがウェディングフォトグラファーの仕事だ。
先日の結婚式でのフォトグラファー。
彼女は、撮影中に
「笑ってください」とか「笑顔で」とか
およそ”写真屋”が言いそうな言葉は一言も言わなかった。
「笑って」と言われて出る表情は、薄っぺらい、気持ちがこもってないような気がする。
もっとも、カメラの存在を感じさせない彼女なら、撮られる側の表情もゆるみっぱなしなのだが。。
プロの彼女が多用するバウンドさせたスピードライト光。
写真ごとに絞りをセットするわけじゃないから、カメラ本体の設定は「プログラムモード」なのだろう。
そして、スピードライトはマニュアルの設定。
絶対に露出の失敗は許されないから、その組み合わせ。まさに、プロフェッショナル。
恐らくは1/60程度のシャッター速度で記録された”幸せ”の数々。
1000カットの写真が撮られたとして、1000/60秒。約17秒。
このわずか17秒の時間に、彼女はぎゅっと幸せを濃縮する。
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