和歌山県太地町のイルカ漁を隠し撮りした米映画「ザ・コーヴ」が、第82回アカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞を受賞した。
映画のタイトルは「入り江」を意味する。太地町でイルカ漁の現場に潜入、隠し撮りした映像だ。シホヨス監督は米国の団体「海洋保護協会」の代表を務め、映画を通じてイルカ漁を自然保護に反すると批判。
「年2万3千頭が不必要に殺されている」「水銀で汚染されたイルカ肉が学校給食に使われている」との指摘。
映画で出てくるイルカ保護活動家として登場するリチャード・オバリー氏は、日本でも放映された米テレビドラマ「わんぱくフリッパー」(1960年代)に登場する、元イルカ調教師。この映画、昨年10月に東京国際映画祭で上映されたが、太地町側から抗議を受けて上映中止。日本国内ではDVDの販売でさえも見送られている。
この映画に対する日本国内の反応は、奇妙なことに統一された意見のみ。発言が自由で何の制約もないブログでさえ、決まって判で押したように同じ言葉が並ぶ。
「欧米人は牛肉など家畜の肉を食ってんだろう!同じ動物なのになんでイルカはダメで牛ならいいんだよ。そもそもイルカを食べるのは日本の地域の伝統的食文化だ。
他国の文化にケチをつけるんじゃない」
理解できないのは、こうした反論が日本語で日本人に向けて発せられていること。なぜなんだろう・・・。人と違った意見を書き込んだばかりに、ふくろだたきに遭うことをおそれているのだろうか。
日本語がわかる欧米人がこうしたブログを読むことがあれば、コピー・アンド・ペーストしたような文章に違和感を覚えると同時に、日本人の個性のなさをバカにするだけだろう。お前らは自分の考えというものがあるのかと。
そもそも、イルカ漁を反対している欧米人たちの指摘は
「野生のイルカがかわいそうじゃね?いくらでも大量生産された食肉があるのになんで?」
という点。論点は野生のイルカがかわいそうか、かわいそうでないかである。
「イルカがかわいそうじゃね?」という意見に対して、「おめえらだって牛を殺してんじゃん」というのは論点のすり替えだ。
それを、多くのブロガーがやっているのは、あまりにも幼稚な国民と思われても仕方ないだろう。
気に入った写真や記事がありましたら応援のクリックよろしくお願いします。

にほんブログ村