冬の日本海

 
 

今回の津軽への旅の目的の一つは、青森県 西津軽郡 深浦町 にある十二湖 （じゅうにこ）の内でもっともキレイな青池だ。雪に囲まれたブルーの池を見たい。そんな思いの旅だった。
白神山地 の一角、五能線の十二湖駅を降りた時は暴風雪。
嫌な予感はしていたが、バスが発着する駅前の食堂は閉ざされたまま。
駅いた地元の女性に聞くと、果たして路線バスは冬季運休。青池まではタクシーで行くしかないという。
タクシー会社に電話をしてくれたのだが、あいにく2台しかないタクシーは、すべて出払っていてしばらく帰ってこないとのこと。
駅から歩いてだと、4～5時間はかかる。いくらスノーシューを持ってるとは言え、天候がさらに悪化すれば、白神山地・死の彷徨にならないともかぎらない。
・・・さっさと諦めて、駅からすぐそばの日本海へ。
スノーシューで歩き回って、駅のホームへ帰ってきたら、ホームの雪かきをしていた地元のおばちゃんが
びっくりしていた。
「転んだんだべか？」
「いえ、線路から上がったんです」
「どっから来たんさ？」
「海から」
・・・ローカル列車の発着が迫ってたらしい。おばちゃんはなんだか唖然としていたようだが、言葉がなかなか通じなくって会話は終了。津軽弁、結構、手ごわい。

さて、先日の地吹雪による痛ましいニュースに胸が痛んだ。
みんなが春を心待ちにしている。
新しい季節に歩みを進めたい。そして、今年の春は桜を謳歌したい。
秒速5センチメートルの桜の花びらの落下速度。それを静かに味わいたい。

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