「最初の教師」はキルギスの作家、アイトマートフがレーニン文学賞を受賞した1963年にノーヴィ・ミールに発表したラブストリー。
自分には学歴がないのにキルギスの山村で学校を作り、村人たちの嘲笑のなかで生徒たちに献身的に指導する傷病兵の独身の男を、成人してロシア・アカデミー会員となった彼の最初の女生徒の回想を通して語られる。
幼い女生徒の、それが当時のキルギスでの女性たちに課せられた運命。選択肢のない生き方。だが、彼女にとって初めての若い教師の献身的な愛により、彼女は学問に目覚め粗暴な社会から脱出する。
その教師は、その後、だれにもふり返られることのない平凡な郵便配達人として生涯を送る。60年代の多くのソ連の人々が負った悲しい過去でもある。
いくつか読んだアイトマートフのラブストーリーのなかで、この作品が一番好きだ。女性からの視点ということもあるが、たとえば後進国の底辺に置かれた女性たちの人生を切り開くすべを示唆しているし、切ない結末でもいくつかの可能性は残されている。
人生は未来があれば耐えられる・・・のかもしれないね。( ^ω^)・・・
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