tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

プールサイドで

2008-05-07 22:57:14 | 日記

朝食が終わってホテルの部屋へ戻る途中に、空中廊下とでも言うようなオープンな廊下からプールを見る。雨季のうす曇の空を通して、なお溢れる陽が射していて、気の早い一組のオージーの老夫婦がデッキチェアの上で寝そべっていた。
負けじと大急ぎで部屋に戻り、水着に着替えて松葉杖をつきながらプールサイドへ。プールの水面で反射した光がきらめいて、プールサイドの熱帯樹木の間からは小鳥の鳴き声などが聞こえ本当に気持ちが良い。
その昔、サヌールの魔法使いは、クルンクンの魔術師との戦いで、真夜中の空中に火の玉を放ち敵を攻撃したらしい。そんな伝説ロマンを持ち出すまでもなく、光あふれるプールサイドでは、神々や精霊の息吹や、自然界の鼓動を感じることができるような気がする。ぬき手をきってカエル足で進むと、傷めた足でも泳げないことはない。でも、まだ怖いので、思い切り水を蹴るわけにはいかない。ゆっくり、遠泳のつもりで軽く流すと、その横をオージーの老婦人の巨大な肉体が水をばちゃばちゃ豪快に跳ね飛ばしながら泳いでいった。

しばらくして、プールサイドの反対側に韓国のギャル2人組がやってきた。カラフル色だが、おとなし目の形のビキニを着ていて、ぼくの目を楽しませてくれる。話をすると1週間の休暇を終えて、今晩、韓国へ帰ってしまうらしい。
さらに、生後3ヶ月の女の子を連れたオージーの若夫婦がやってくる。父親に抱かれてプールに入った女の子があまりにもかわいらしいので、写真を撮ってよいかと聞くと2人でポーズ。彼らのしぐさのあまりのおかしさに、ファインダーをのぞいていたぼくは思わず吹き出してしまった。

しばらく、プールでまったりと思っていたら、雨がポツリポツリ。空を見上げると、さほど暗いわけではないのだが、雨粒は次第に大きくなってくる。ビーチチェアに寝転んで、松本清張の文庫本を読んでいたぼくは、さっさとプールサイドから撤収。オージー老夫婦をはじめ、プールサイドで日光浴していた他の客たちもあわてて部屋に帰っていった。
部屋から、雨のそぼ降る中庭をながめつつ、さて、これからどうしたものかと思案していたら、ドアがノックされベッドメイクが告げられる。
10分ぐらいで終わるというボーイさんに、どこかで時間をつぶしているからと答えてぼくは部屋を出た。
ジムかマッサージでリフレッシュでもしようかと。

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グリーンシャワー

2008-05-06 08:38:57 | プチ放浪 山道編

安比高原に広がるブナの二次林。ブナの駅から出発するトレッキングコースを歩けば、二次林を間近に観察できる。日本の森林浴百選の一つだ。悠久の時を刻むやさしい渓流美、なだらかな山々と麓に広がる深い森。地元に人たちに豊かな水と安らぎを与えてくれている。
このブナの二次林は、軍馬補充のため、大正から昭和にかけて林間放牧が行われていた名残らしい。開発と伐採のツケは、100年にもおよぶ。林間放牧とは、森を完全に伐採して牧草地にするのではなく、馬や牛たちが休める日陰を作る程度に、いくらか樹を残した林にして放牧する方法。その後の放牧の衰退により、残されたブナの樹が森を修復し、今の二次林になっている。放牧された動物たちがブナの稚樹の成育をさまたげるササ等の競争相手を採食したことも、生育にとって好都合だったようだ。

60年ほどの若い森だけあって、原生林とは奥行きが異なる。多くの老木や大木を必要とするキツツキ類のさえずりは、ほとんど聞こえないし、野生動物なども少ない。キノコとかもあまり採れないらしい。ブナ林の中を歩いていても、木に付けられた爪の痕などクマや鹿の気配とかまるでしない。ただし、トレッキングすればこんなに気持ちのいい道はない。そういえば、ヨーロッパの森も二次林だった。

八幡平という名の由来は、坂之上田村麻呂の奥州征伐の伝説から来ているようだ。
敗走する大猛丸一族の追撃の際、八幡平山頂にある八幡沼付近に到達した田村麻呂は眼前に広がる神秘の風景に感銘し、ここに八幡大菩薩を奉じて戦勝を祈願したとのこと。





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田舎のカラス

2008-05-05 16:44:01 | プチ放浪 山道編

♪MORIOKAという響きがロシア語みたいだった♪
1月に足を骨折して、ハイシーズンのスキーを諦めるしかなかったtetujinなのだが、なんとか、ゲレンデの最終営業日に間に合った。
スキーができるとは思ってもいなかったので、春の重い雪でもゲレンデに立った時は感激でいっぱいだった。

さて、スキーを終えた雪のとけたスキー場の駐車場で、クルミの破片が点々と落ちているのを見つけた。
頭上を見ると、数羽のカラスが空を舞っている。カラスが駐車場のコンクリートめがけてクルミを落としていたのだった。
住宅のそばにクルミの木が植えられていることは少ないから、クルミを割るカラスの話を聞いたことがあったが、実際にその現場を見たのははじめてだった。
クルミをくわえて上昇、20mぐらいの高さから、クルミを落下。クルミが割れるまで繰り返していた。地面にあたったクルミは、硬い音を立てて跳ね返る。幸いなことに、駐車場はがら空きで停まっている車も10台前後。車にクルミを落っことされる心配はないようだ。

そのうち、落っことしたクルミがうまく割れた。急降下してクルミを食べに来たカラス。そのうわまえをはねて、別のカラスが中身をさっさと銜えて飛び去ってしまった。中身を盗られたカラスは、あっけにとられていた。カラスの世界にもいろいろあるようだ。

カラスはクルミを高いところから落っことすばかりではなく、別の方法も開発しているようだ。道にクルミを置き、車に轢かせて中身を食べるのだが、最近はドライバーが心得ていて道路の上のクルミをよけて運転するらしい。ところが、流石はカラス。いくつかのダミーを置いておき、そうしてクルミに車を誘導するカラスもいるとのこと。その現場を見てみたい。


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