NHKスペシャル「無縁社会」を見た、3万2千人の孤独死は辛い
昨晩9時からのNHKスペシャル「無縁社会 3万2千人が孤独死している」を見た。今自分自身の葬儀・告別のあり方等を考えており、この番組はとても興味深く見せてもらった。さすがNHKならではの、ていねいな取材を重ねた番組であった。
NHKの調査で、「引き取り手のない死体=無縁死」を、1983の自治体で調査した結果、一昨年だけで3万2千人にも達しているとのことだ。番組では、「気がつかないうちに広がっている『無縁死』、何らかの異常が起こっている」として、追跡調査をしたのが、この番組だ。
仕事一筋で、50歳代での熟年離婚(子ども達は妻の元へ)、そして仕事一筋から健康も害しての独り暮らしを余儀なくされている方等が取りあげられていた。報道されている方々の生涯を見ても、私も含めてだれもが一つ間違えば、同じ状況とならない保障はない。
番組では、「無縁死」が増加する要因として、「都会へ出たまま、故郷へ帰れない人たちが急増」「会社を辞めて社会との繋がりが断たれた人が急増」「生涯未婚者の急増」等をあげていた。
そうした中で、死後の部屋や遺品、遺骨などの片付けを請け負う「特殊清掃会社」も、現在30社と急増しているとのことだ。また「家族に変わって、亡くなった後の手続きと、死後の葬儀、納骨や遺品の整理等を請け負う」NPO法人への登録は、設立から8年で会員は4千人にも達してるとのことだ。
この番組を見ていて、「安心して老いることのできない社会」「安心して死ぬこともできない社会」が広がっていること、そして「繋がりを失った人々は、今も『無縁社会』」に生きていることを、とても辛い気持ちで見た。
今、毎日100人が孤独死している。加えて毎日100人もが自殺している国・日本。人もまさに今、「この国は、無縁社会とも言える時代に突入している」。こうした状況の中で、時の総理大臣は「命を守りたい」と繰り返して強調している。人間の命は、人間の尊厳とセットだ。まさに人間の尊厳が、人の命が大切に守られるよう、今政治に期待している。