「卵はわらないとオムレツはできない」、映画「アンダンテ」に心から感動
このところ雨の日が続いている。昨日は終日雨が続いた。そんな雨の中を、岡山県総合福祉会館で開催された映画「アンダンテ ~稲の旋律~」の上映会に行った。この映画は旭爪あかねさんの『稲の旋律』が原作となっており、著者自身の「ひきこもり」の実体験を基に、食と農業問題を取り上げた作品となっている。
主人公・千華を演じるのは、「ミスサイゴン」などのミュージカルにも出演している新妻聖子。ラストの主題歌「アンダンテ」を歌う姿は素晴らしい。その「アンダンテ」も収録されているファーストアルバム「アンダンテ」が、今月リリースされている。
余談だが、新妻聖子は「ミスサイゴン」でキム役を演じているが、その公演では松たか子もキム演じており、私は当然だが松たか子が出演する日の舞台を観た。昨日映画の新妻の歌唱を聴いて、「ミスサイゴン」のキム役を観たいという衝動に駆られた。
さて、映画は「ひきこもり」という大変に思いテーマを取り上げながら、千葉県横芝光町の美しい田園風景・稲の育ちや農作物等とても美しい風景にも支えられて、とても感動的な作品となっている。会場からは、なんどもすすり泣きの声が聞こえてきた。
「アンダンテ」とは、音楽用語で「歩く速度で、ゆっくりと」と言う意味だそうだ。映画は「急がなくていい、転んだって大丈夫」と励ましてくれる。また「卵はわらないとオムレツはできない」と、一歩踏み出すために背中を押してくれたりもする。まさに心洗われる映画となっている。
それにしても、今日の映画「アンダンテ ~稲の旋律~」や先頃の「いのちの山河 ~日本の青空Ⅱ」、さらには松井久子監督作品の「折り梅」等、単館上映となり、それが故に日本の映画賞とも無縁となっている。こうした優れた映画が、もっともっと適正に評価され、たくさんの方々に観られるようにと心から願った。
ところで、今日の映画「アンダンテ」の監督は金田敬さんで、小学校から高校まで岡山県倉敷市で過ごされたと聞く。それ故、2月28日(日、10:30~上映)に「倉敷市芸文館」での上映会には、監督ご自身が舞台挨拶をされるそうだ。とても素晴らしい映画なので、是非とも、一人でも多くの方が観て欲しいと願う。