もう菊花賞かあ、早い、早すぎる、光陰矢の如しどころでない。年寄りの宿命とあきらめるよりないが、それにしても初めて菊花賞の馬券を買ったのは、半世紀近くも前なのに、10年前の感覚しかない。馬券はボケ防止なのか、それとも時を忘れるボケの始まりなのか、いささか微妙ではある。
さて、今年も去年に続いて阪神開催、短い直線、前に行ったもの勝ちなのか。トライアルの印象ではジャスティンパレス、ガイアフォース、アスクビクターモアなのだが、菊は血統という長年の思いがあるわけで、やっぱり、穴馬探しをしたくなる。
そして、菊血統の代表は、近年はやや薄れた感は否めないが、ロベルト系なのである。今年もブルドグフーシュ、ヤマニンゼストの2頭が権利を取った。まあ、出走してくるというだけで、リアルシャダイ、ブライアンズタイムによって受け継がれた菊のロベルト系伝説は消えたわけではないと信じたい。
今年はブルドグがスクリーンヒーロー(グラスワンダー・シルバーホーク・ロベルト)、ゼストがシンボリクリスエス(クリスエス・ロベルト)だが、ブルドクは4代目、ゼストが3代目とさすがに遠くなりはしたが、それでも遺伝子はしっかり受け継いでいると信じる。
両馬とも神戸新聞杯組で、ブルドグが3着、ゼストが2着と頑張って出走権を手に入れた。レースは好位につけたジャスティンパレスが力強く抜け出し、後続を一気に突き離しにかかったところを、後方待機の2頭が追い込んだ。ゼストがウチに潜り込み馬群を捌いて、鋭い末脚で先頭を追いかけたところを一呼吸遅れて大外からブルドグが鬼脚で一気に前に迫った。特にブルドグは阪神2000mを3度経験しており、差し切った実績もあるだけに、吉田隼人の2度目の騎乗でミラクルを期待したい。ゼストも豊マジックを期待したい。
短い阪神の直線を考えれば、後方待機は不安だが、距離が長くなる分スタミナを利して前にとりつく余裕があるはずで、直線でおかれない限りは勝負になる。勝つまではどうかだが、馬券に絡む可能性は大いにある。