今年も牝馬が5頭も出走してきた。近年の有馬はさしずめ白歌合戦といった趣がある。紅組オオトリはグランプリ4連覇に挑むクロノジェネシス、対する白組は若手のホープ、エフフォーリアといったところか。
それはさておき、枠順である。5枠に人気の3歳馬⑩エフフォーリアと⑨ステワベローチェ、8枠に⑮キズナと1⑯タイトルホルダーが同居した。注目のクロノは4枠⑦といいところをひいた。注目は、8枠に逃げが予想される2頭が並んだ点だ。どちらが行くにせよペースが上がりそうな気配だ。共倒れするようなハナ争いはしないだろうから、タイトルホルダーが大逃げを打って、キズナがうまくマークするような態勢ができたらおもしろくなりそうだ。前2頭が後続を離し、有力どころがけん制し合って、仕掛けのタイミングが狂うと、前の2頭が残る場面もありそうだ。
メジロパーマーとレガシーワールドの再現を期待してみたい。
そんなことをつらつら思いながら、ひそかに注目しているのはディープボンドだ。59.5を背負った凱旋門は、競馬以前に斤量負けしたが、57キロなら戦える。凱旋門帰りが強いことはディープとオルフェが証明しているが、今回のディープボンドは、オルフェの時と重なる。オルフェは2年連続2着の後の有馬と比較するにはむりがあるが、注目したいのはジョッキーとの関係だ。
凱旋門に乗れなかった池添と和田がダブルのだ。本番は競馬をしていない分フォア賞で強い競馬したボンドは強くなっている。勝っても不思議ない。
その意味ではクロノも同じで、凱旋門の雪辱を晴らす可能性は十分ある。
この2頭は外せないところだ。ボンドが絡めば馬券的にもおいしいはずだ。
問題は3歳勢の取捨だが、総合的にエフ、ステラ、ホルダー順番だろうが、展開で順番が狂うことは十分ある。
大穴はキズナとシャドウリーヴァだ。
キズナは松山がうまく乗ってくれそうだし、シャドウもJCで見せ場を作っただけに横典が2人の息子たちに一泡吹かせる意気込みだろう。
最初はクロノ、エフ、ステラの3頭の競馬と思ったりもしたが、ドリームレースらしく夢を描いてこそ有馬ではないか。
メロディーラインも応援したいし、勝つのは紅組か白組か、今年の有馬は面白い。