アベノミクス、これまでと今後
これまでの所、アベノミクスは所期の成果を上げたと思います。いつも例えている「ゴルフのハンディと円レート」で説明すればこうなるでしょう。
プラザ合意(1985年)で日本は24だったハンディを12にされてしまいました。実力は19ぐらいでしたから、それまではいつも賞品を貰っていましたが、ハンディ12では全く勝てなくなりました。それから雌伏十余年、練習を重ねて12でも何とかやれそうになったのが2002年。それから6年間「いざなぎ越え」でそこそこ賞品ももらいました。
ところがリーマンショックでハンディは9のシングルに、ユーロ問題で7.5まで上げられ、「あいつは練習熱心だから近々ハンディ5ぐらいかな」などという噂も立って、「何だ、おれの実力はせいぜいハンディ11か12($1=¥110~120)なのに、練習熱心だというだけで減らされたんじゃ練習するだけ損だ」という気になっていたところでした。
さてここからは、本来の為替レートの話になりますが、「実力以上の円高で困っているんだったら、アメリカと同じ政策を取ればいいじゃないか。」と教えてくれるアメリカ仕込みの先生がいて、その通りに日銀と図って「超金融緩和」をやったら、ハンディ10($1=¥100)まで戻った、という所が現在の状態でしょう。
円高になるということは、生産性を上げてもその成果は円高で打ち消されて日本は何も得られず、楽をするのは外国、逆に円安になるということは、円安分だけコストが下がって、生産性を上げなくても競争力がついて日本は楽が出来る、ということです。
アベノミクスのお蔭で、円安の分だけ日本経済に、コスト低下による余裕が生まれたことになりました。円安の幅が約10円として、GDPの約1割、金額としては総額40~50兆円相当でしょう。110円まで行くという意見もあるようですが、そうすれば、更に40~50兆円の余裕が生まれます。
この余裕は前回の伝で言えば、一種の「あぶく銭」のようなものです。思わざる余裕を前にして、政府は、企業は、国民は何をすべきなのでしょうか。連合 はすでに、春闘で「あぶく銭」でも無駄遣いはしない(賃上げ→インフレはやらない)という選択をしました。
企業は円高デフレで傷んだ財務、技術、人材育成に使おうとしているように見受けます。
日本の行方を舵取りする政府は何を目指そうとしているのでしょうか。その中身が「第3の矢」で、本来の経済政策です。
政府も迷っている所でしょう。災害復興、原発対策、待機児童問題、介護、医療、年金、老朽化した高速道路や橋など社会インフラの改修、などなど待ったなしの問題山積。
財政再建は必要で、消費増税はやるべきだろうが、それで消費不況にならないか、逆に財政再建のめどが立って、日本経済が健全だということになって円高に逆戻りすれば、余裕は忽ち消滅します。円高再来は阻止可能か。
Tnlaboなりの回答の試論が4月21日のブログ です。お読みいただいた諸賢から、ご意見をお聞かせ頂ければ幸甚です。
これまでの所、アベノミクスは所期の成果を上げたと思います。いつも例えている「ゴルフのハンディと円レート」で説明すればこうなるでしょう。
プラザ合意(1985年)で日本は24だったハンディを12にされてしまいました。実力は19ぐらいでしたから、それまではいつも賞品を貰っていましたが、ハンディ12では全く勝てなくなりました。それから雌伏十余年、練習を重ねて12でも何とかやれそうになったのが2002年。それから6年間「いざなぎ越え」でそこそこ賞品ももらいました。
ところがリーマンショックでハンディは9のシングルに、ユーロ問題で7.5まで上げられ、「あいつは練習熱心だから近々ハンディ5ぐらいかな」などという噂も立って、「何だ、おれの実力はせいぜいハンディ11か12($1=¥110~120)なのに、練習熱心だというだけで減らされたんじゃ練習するだけ損だ」という気になっていたところでした。
さてここからは、本来の為替レートの話になりますが、「実力以上の円高で困っているんだったら、アメリカと同じ政策を取ればいいじゃないか。」と教えてくれるアメリカ仕込みの先生がいて、その通りに日銀と図って「超金融緩和」をやったら、ハンディ10($1=¥100)まで戻った、という所が現在の状態でしょう。
円高になるということは、生産性を上げてもその成果は円高で打ち消されて日本は何も得られず、楽をするのは外国、逆に円安になるということは、円安分だけコストが下がって、生産性を上げなくても競争力がついて日本は楽が出来る、ということです。
アベノミクスのお蔭で、円安の分だけ日本経済に、コスト低下による余裕が生まれたことになりました。円安の幅が約10円として、GDPの約1割、金額としては総額40~50兆円相当でしょう。110円まで行くという意見もあるようですが、そうすれば、更に40~50兆円の余裕が生まれます。
この余裕は前回の伝で言えば、一種の「あぶく銭」のようなものです。思わざる余裕を前にして、政府は、企業は、国民は何をすべきなのでしょうか。連合 はすでに、春闘で「あぶく銭」でも無駄遣いはしない(賃上げ→インフレはやらない)という選択をしました。
企業は円高デフレで傷んだ財務、技術、人材育成に使おうとしているように見受けます。
日本の行方を舵取りする政府は何を目指そうとしているのでしょうか。その中身が「第3の矢」で、本来の経済政策です。
政府も迷っている所でしょう。災害復興、原発対策、待機児童問題、介護、医療、年金、老朽化した高速道路や橋など社会インフラの改修、などなど待ったなしの問題山積。
財政再建は必要で、消費増税はやるべきだろうが、それで消費不況にならないか、逆に財政再建のめどが立って、日本経済が健全だということになって円高に逆戻りすれば、余裕は忽ち消滅します。円高再来は阻止可能か。
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