消費拡大には「日本型」経済政策が必要
安倍政権はスティグリッツやジョルゲンソン、クルーグマンの意見を聞いたようです。マスコミは、消費税増税延期の布石かなどといろいろな憶測をしていますが、何でアメリカ経済学者の意見ばかり聞くのか解りません。
ヒアリングの結果から見れば、スティグリッツとクルーグマンは消費税引き上げには反対で、ジョルゲンソンは延期(いずれ必要に)ということだったようです。
今の日本経済不振の原因は消費不振というのは大方の共通意見でしょう。私もそう思います。消費増税をすればますます国民は財布のひもを締めるからやらないほうがいいという学者たちの指摘は、いわば、一般的、常識的な判断でしょう。
ではそれが最も適切な結論でしょうか。逆に言えば、消費増税を先延ばしすれば、消費が増えるのでしょうか。
世界一の巨額な個人貯蓄を持つ日本人が、そんな単純な理由で「消費を控えている」とは、私には思えないのです。
消費増税の前には「駆け込み需要」があり、その分翌年辺りは消費が落ち込むというのは今までの経験ですが、「駆け込み需要」と「落ち込み」とを均して、トレンドとして消費が低迷したといえるのかどうかの説明も分析もありません。
また、先延ばししてみても、「またいずれやるだろう」と誰もが考えます。それで消費が伸びるでしょうか。
アメリカの学者たちが、日本の巨額な個人貯蓄の存在と消費低迷の関係について分析したうえで意見を言ったのかどうかわかりませんが、国民の「消費行動」の分析には、「その国の文化・社会の分析」が必要です。
借金が出来れば喜んで金を使うアメリカという国の国民性と、将来を見通し、長期的な生活の安定を大切に考える日本人の国民性とでは、消費行動は当然違ってきます。
必要なのは、日本人の生活様式、消費行動を理解した経済政策でしょう。端的に言えば、1600兆円(昨年末は1700兆円を超えたようですが、今年に入ってからの株暴落で多分大分減ったでしょう)というGDPの3倍以上の個人貯蓄1のパーセントでも消費に使われれば、個人消費が3パーセント以上GDPを押し上げます。
「振り込め詐欺」の報道で驚く人が多いように、今、日本人は、みんなカネがないから消費を控えるというのではなく、「カネはあっても、それは将来不安に備えるために今は控えている」という人たちが大勢いるからというのが現実でしょう。
アメリカ社会で有効な経済政策と、日本の社会に適した経済政策は違うのです。
いま日本の深刻な消費不振の原因は「 消費性向の低下」にはっきり表れています。今後も低成長が続くのではないか、賃金も今後あまり上がらないだろう、今後も生活厳しくなりそう、多くの日本人はそうした将来予測を持っているから消費を切り詰め貯蓄に励むのです。
「一応総活躍社会」というスローガンと、現実に国民が持っている将来展望とはかなり違ったもののようです。その理由は、政府と国民の間の「対話」が少なすぎるからでしょう。コミュニケーションの不足は、相互理解の欠如や相互不信助長の温床です。
安倍総理に必要なのは、「何でも自分が決める」のではなく、腹を割って国民と気心の通じる対話をすることではないでしょうか。それが出来たら世の中変わるように思います。
日本は 伝統的に優れたコンセンサス社会です。コンセンサスがあって初めて日本社会は動くのです。
安倍政権はスティグリッツやジョルゲンソン、クルーグマンの意見を聞いたようです。マスコミは、消費税増税延期の布石かなどといろいろな憶測をしていますが、何でアメリカ経済学者の意見ばかり聞くのか解りません。
ヒアリングの結果から見れば、スティグリッツとクルーグマンは消費税引き上げには反対で、ジョルゲンソンは延期(いずれ必要に)ということだったようです。
今の日本経済不振の原因は消費不振というのは大方の共通意見でしょう。私もそう思います。消費増税をすればますます国民は財布のひもを締めるからやらないほうがいいという学者たちの指摘は、いわば、一般的、常識的な判断でしょう。
ではそれが最も適切な結論でしょうか。逆に言えば、消費増税を先延ばしすれば、消費が増えるのでしょうか。
世界一の巨額な個人貯蓄を持つ日本人が、そんな単純な理由で「消費を控えている」とは、私には思えないのです。
消費増税の前には「駆け込み需要」があり、その分翌年辺りは消費が落ち込むというのは今までの経験ですが、「駆け込み需要」と「落ち込み」とを均して、トレンドとして消費が低迷したといえるのかどうかの説明も分析もありません。
また、先延ばししてみても、「またいずれやるだろう」と誰もが考えます。それで消費が伸びるでしょうか。
アメリカの学者たちが、日本の巨額な個人貯蓄の存在と消費低迷の関係について分析したうえで意見を言ったのかどうかわかりませんが、国民の「消費行動」の分析には、「その国の文化・社会の分析」が必要です。
借金が出来れば喜んで金を使うアメリカという国の国民性と、将来を見通し、長期的な生活の安定を大切に考える日本人の国民性とでは、消費行動は当然違ってきます。
必要なのは、日本人の生活様式、消費行動を理解した経済政策でしょう。端的に言えば、1600兆円(昨年末は1700兆円を超えたようですが、今年に入ってからの株暴落で多分大分減ったでしょう)というGDPの3倍以上の個人貯蓄1のパーセントでも消費に使われれば、個人消費が3パーセント以上GDPを押し上げます。
「振り込め詐欺」の報道で驚く人が多いように、今、日本人は、みんなカネがないから消費を控えるというのではなく、「カネはあっても、それは将来不安に備えるために今は控えている」という人たちが大勢いるからというのが現実でしょう。
アメリカ社会で有効な経済政策と、日本の社会に適した経済政策は違うのです。
いま日本の深刻な消費不振の原因は「 消費性向の低下」にはっきり表れています。今後も低成長が続くのではないか、賃金も今後あまり上がらないだろう、今後も生活厳しくなりそう、多くの日本人はそうした将来予測を持っているから消費を切り詰め貯蓄に励むのです。
「一応総活躍社会」というスローガンと、現実に国民が持っている将来展望とはかなり違ったもののようです。その理由は、政府と国民の間の「対話」が少なすぎるからでしょう。コミュニケーションの不足は、相互理解の欠如や相互不信助長の温床です。
安倍総理に必要なのは、「何でも自分が決める」のではなく、腹を割って国民と気心の通じる対話をすることではないでしょうか。それが出来たら世の中変わるように思います。
日本は 伝統的に優れたコンセンサス社会です。コンセンサスがあって初めて日本社会は動くのです。