tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

蓄電技術とスマート送電網

2016年07月10日 14時08分40秒 | 科学技術
蓄電技術とスマート送電網
 4月から電力の小売り自由化になって、我が家にも「いかがですか」といった売込みがあちこちから来ました。

 我が家は3年ほど前に エネファームを入れたので、電力料金はそれまでのほぼ3分の1になり、新制度で節約になっても知れたものだろうと思って生返事をしていましたが、エネファームを入れた東京ガスから「計算してみましょうか」という話があったので、お「願いします」といったところ、すぐに返事が来て、「今の電力使用量では、初期コストもあり、結果的にお得にはなりません」とのことでした。 
 エネファームを入れたとき一緒にソーラーパネルもと考えてのですが、屋根の形がうまく合わず、規定の発電量に達しないようなので、ということでやめていました。

 あの時つけていれば、当然発電量が余ることが多く、電力会社に買取を依頼ということになったのでしょうから、送配電網が対応しきれないなどと言われる現状では、設置しなくてよかったのかななどと思っています。

 再生可能エネルギー普及のネックの1つは送配電網の高度化(スマートグリッド化)、もう1つは蓄電池の高性能化でしょう。蓄電池については高価格というネックもあります。
 しかし、こうしたネックというのは克服するためにあるようなもので、本当に必要であれば、近い将来、順次克服されていくでしょう。

 最近は、蓄電というより、蓄エネルギーでしょう。揚水発電でも位置のエネルギーに変えて貯蔵しているわけですし、多くの電池の原理は化学変化の中に貯蔵することでしょう。最近注目される水素にして貯蔵するというのは、自己放電や劣化のようなロスも小さく、大変有望のようです。

 こうした技術開発の結果、電力でも地産地消型の方式も可能になるのでしょうが、最終的に重要なのは、誰かが、高品質の電力を切れ目なく安定供給するという責任を負わなければならないということです。

 かつて、イザヤベンダさんは「日本人は水と安全はタダと思っていた」と言いました。これからの社会では電力がまさに「湯水のように」使えなければ(タダとは言いませんが)成り立たないでしょう。

 今、電力の世界は大小、新旧の電力会社、配送電網(企業)、さらには益々多様化する蓄エネルギー技術が三つ巴、四つ巴の新たな競争の時代を迎えるようです。
 世界に先駆けて、どんな良いシステムができるか、日本の実力の発揮を楽しみにしていいのではないでしょうか。