tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

エスカレートする官製春闘、3%から5%へ

2018年12月27日 23時15分53秒 | 労働
エスカレートする官製春闘、3%から5%へ
 今日もまたビックリするニュースが飛び込んで来ました。昨日はIWC脱退という国際関係でしたが、今日のニュースは労使関係という国内問題です。

 昨日の経団連の審議員会に来賓として出席した安倍総理が、来賓挨拶の中で今年も「賃上げをして下さい」いったというニュースです。
 しかも昨年までは3%と言っていたのを、今年は「あくまで参考だが、平成元年は5%だった」と付け加えたそうです。平成元年はバブル真っ最中でしたね。

 官製春闘と言われて6年目ですが、「官製春闘」とマスコミが書くのは(言うのは)、もともと官製春闘は「異常なもの」という意味で言っているわけです。

 異常なことを6年も続けるというという執念は凄いですが、やっぱり異常は正常に勝てませんし、一国の総理が6年も異常なことを「効果もないのに」言い続けるというのは「何かが正常でない」という事の証拠かもしれません。要注意でしょうか。

 今年変わった経団連の中西会長は、「賃上げは労使が決めるものでナンセンス」といったとかとありましたが、画像では、挨拶の後、お互い、にこやかに握手していました。
にこやかさの中身は同床異夢でしょう。

 経団連やその構成企業はそれぞれに業績や労使関係などの事情があり、労使で責任をもって決めなければならないので、責任も権限もない第三者にとやかく言われるのは迷惑といのが本音でしょう。

 安倍さんが、「賃上げ、賃上げ」とおっしゃるのは、多分賃上げすれば景気が良くなると単純に信じているのか、それとも、なるべく高い賃上げをさせて、インフレになってくれないと財政再建が出来ないからインフレ待望なのかなどと勘繰らざるを得ません。

 このブログでも指摘し続けていますが、無理な賃上げは景気の悪化と物価の上昇を招き、国民の生活に迷惑をかけ、家計は将来不安感をますます強め、財布の紐を締め、消費不振が一層の景気の悪化につながる可能性が高いでしょう。
 
 政府の仕事は、国民の将来不安を少しでも安心感に変えるような、例えば格差社会化阻止に本格的に取り組むといった、政府にしかできない政策をきちんと取る事でしょう。
 「自分のやる事やらずに他人にものを頼むな」といった所ではないでしょうか。

 いずれにしても、安倍さん(安倍政権)の「思い込みの強さ」が、国民にとって危険な要素を孕むようになってきたことが気にかかる今日この頃です。