tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

消費者物価:何となく値上げの動きが

2018年12月07日 16時06分07秒 | 経済
消費者物価:何となく値上げの動きが
 安倍内閣や日本銀行が物価が上がらないと都合が悪いのでしょうか、相変わらず2%インフレ目標を降ろしません。そして現実に消費者・生活者の世界では、気付かないようなものも含めて物価はじりじり上がっているようです。

 今年に入って値上げの動きがみられたものは身近なところでいろいろあります。日本人の主食、米飯の加工品のパックご飯をはじめ、食卓に欠かせない塩、醤油、カツオ製品、それにお豆腐や納豆、いずれも加工食品です。スナックやお菓子の類も軒並み値上げの動きです、冷凍うどん・お好み焼き、ポテトチップ、アイス、ヨーグルト、チョコレート菓子などなど、値下げ競争もあった牛丼などにも値上げの動きが見られます。 

 中身の減量で、実質値上げにちょっと気付かないものもありますが、これも消費者物価統計には反映されているはずです。
 最新時点の10月の消費者物価の前年同月上昇率は1.4%で、10大費目では、異常気象で値上がりの生鮮食品が10.8%、エネルギー関連の水道・光熱が4.4%などがありますが、生鮮食品を除く食料(主に加工食品)も0.9%の値上がりです。

 長期不況の中で値上げを我慢してきた所も多いでしょう。海外原材料の値上がり、人手不足の深刻化もあり、消費者もある程度の値上げは仕方がないのかといった状況の中での動きという事でしょうか。

 生鮮食品はこの所の暖冬もあり、最近は値下がりしているものもあるようです。またエネルギー関連の光熱費、ガソリン代なども、原油安で下げに転じる可能性はありますが、日々の生活に直結する加工食品などの値上がりは統計上もコンスタントな動きとして見られるところです。

 ところで、今日、10月分の、毎月勤労統計の数字が厚労省から発表になりました。ちなみに賃金の方の動きはどうかとみてみました。
 事業所規模5人以上、パートも含む勤労者の産業計の数字を見ますと、対前年同月上昇率は、現金給与総額1.5% きまって支給する給与1.4%(内所定内1.3%、所定外1.9%)賞与など6.8%という事になっています。

 単純に物価と賃金を比較すれば、実質賃金は前年同月比僅か0.1%の上昇、マスコミ報道のように、そのせいで実質賃金は3か月連続で減少という事ですが、これは8月から異常気象続き、エネルギー価格も高騰という要因の消費者物価上昇の影響が大きく年末にかけては多少改善していくでしょう。
 
 しかしいずれにしてもまさにコンマ以下の数字の上下という事で、物価も賃金も限られた変化といった感じです。

 悪くはならない、ほんの少しずつ良くなっていくという状況でしょう。
 折しも世界経済は不安定極まりないといった状況です。少子高齢化の日本では、先行きの心配は更に厳しく、企業も家計も、不確かな将来に備えて、貯蓄に励むといったのが実態でしょう。

 この将来不安を放置して、物価だけ年2%上昇を目指したのでは、国民生活はたまりません。もう少し希望のある政策が出てこないものでしょうか。