リーダーと被害者意識
リーダーになるような人は立派な人だから、被害者意識など持っていないのではないかと思っていました。しかし、最近のいろいろな事象を見ていますと、どうもそうでないことが、結構多いように思われてなりません。
最初に気が付いたのがトランプさんの言動です。覇権国、基軸通貨国で世界に君臨し、時には日本に円の切り上げを迫り、「ハイ」といった日本を十数年にわたる長期不況にしたり、サブプライムローンという低信用の債権の証券化をして世界に売り、結果、世界中の金融機関などに大損させたり、その後は中国に人民元の切り上げを迫ったり、力を背景に勝手なことばかりと思っていました。
然しトランプさんは「アメリカは損ばかりしている。アメリカに損させる国はもう許さない」というので、「アメリカ・ファースト」を言い出したのです。
「ええ?」と思いましたが、トランプさんは本気です。
今回のイギリスのEU離脱も、ジョンソン首相の発言を聞いていると「EUに入っているとイギリスは損だ」「負担や制約ばかりで良い事はない」と徹底して強力に主張しています。
端から見れば、EUの一員でずいぶん便利なことがあるはずなのにと思うのですが、結果的にジョンソンさんの被害者意識に同調する人の方が多かったということでしょう。
アメリカにとって、「アメリカ・ファースト」が本当に良いのか、イギリスにとってEUから離脱することが本当に利益なのか、多くの国民に本当に解っているわけではないでしょう。
トランプ大統領やジョンソン首相ご自身ですら、その判断が本当に正しいかどうかは解らないでしょうし、それが解るのはかなり先のことでしょう。
にも拘らず、こうした被害者意識が往々にしてマジョリティーになりやすいのはなぜでしょうか。
一つ仮説を立てれば、加害者がいなければ被害者はいません。理論的には加害のトータルと被害のトータルと同じはずです。
しかし、現実には、加害者には加害者意識は少なく、被害者意識の総量の方がずっと大きい(例えば、いじめの例に見られるように)ということが多いようです。
この仮説が正しければ、被害者意識をベースにした方がより多くの賛同を得られる可能性が高いことになります。
民主主義がポピュリズムに堕してくると、「我々は被害者だ」と訴えた方が人気が出て、得票率は高くなるということが容易に起こりうるという事になりますね。
プーチンさんなどはロシアが伝統的に持つといわれる西ヨーロッパに対する被害者意識で政権を維持しているといった見方もあるようです。
(北方領土問題などはその八つ当たりの結果でしょうか。ゴルバチョフさんやエリチンさん時はそうではなかったようですが)
さて、ところで、この仮説がもし「当り」だったら、世の中あまり良くなりそうにもありません。この辺り、もう少し考えてみる必要がありそうです。
リーダーになるような人は立派な人だから、被害者意識など持っていないのではないかと思っていました。しかし、最近のいろいろな事象を見ていますと、どうもそうでないことが、結構多いように思われてなりません。
最初に気が付いたのがトランプさんの言動です。覇権国、基軸通貨国で世界に君臨し、時には日本に円の切り上げを迫り、「ハイ」といった日本を十数年にわたる長期不況にしたり、サブプライムローンという低信用の債権の証券化をして世界に売り、結果、世界中の金融機関などに大損させたり、その後は中国に人民元の切り上げを迫ったり、力を背景に勝手なことばかりと思っていました。
然しトランプさんは「アメリカは損ばかりしている。アメリカに損させる国はもう許さない」というので、「アメリカ・ファースト」を言い出したのです。
「ええ?」と思いましたが、トランプさんは本気です。
今回のイギリスのEU離脱も、ジョンソン首相の発言を聞いていると「EUに入っているとイギリスは損だ」「負担や制約ばかりで良い事はない」と徹底して強力に主張しています。
端から見れば、EUの一員でずいぶん便利なことがあるはずなのにと思うのですが、結果的にジョンソンさんの被害者意識に同調する人の方が多かったということでしょう。
アメリカにとって、「アメリカ・ファースト」が本当に良いのか、イギリスにとってEUから離脱することが本当に利益なのか、多くの国民に本当に解っているわけではないでしょう。
トランプ大統領やジョンソン首相ご自身ですら、その判断が本当に正しいかどうかは解らないでしょうし、それが解るのはかなり先のことでしょう。
にも拘らず、こうした被害者意識が往々にしてマジョリティーになりやすいのはなぜでしょうか。
一つ仮説を立てれば、加害者がいなければ被害者はいません。理論的には加害のトータルと被害のトータルと同じはずです。
しかし、現実には、加害者には加害者意識は少なく、被害者意識の総量の方がずっと大きい(例えば、いじめの例に見られるように)ということが多いようです。
この仮説が正しければ、被害者意識をベースにした方がより多くの賛同を得られる可能性が高いことになります。
民主主義がポピュリズムに堕してくると、「我々は被害者だ」と訴えた方が人気が出て、得票率は高くなるということが容易に起こりうるという事になりますね。
プーチンさんなどはロシアが伝統的に持つといわれる西ヨーロッパに対する被害者意識で政権を維持しているといった見方もあるようです。
(北方領土問題などはその八つ当たりの結果でしょうか。ゴルバチョフさんやエリチンさん時はそうではなかったようですが)
さて、ところで、この仮説がもし「当り」だったら、世の中あまり良くなりそうにもありません。この辺り、もう少し考えてみる必要がありそうです。