tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

アメリカ消費者物価高止まり、FRBは懸念?

2024年02月14日 14時39分47秒 | 経済

昨日、日経平均は1000円を越える上昇となり、バブル時の38000円台に一時載せたようです。(バブル時のピーク:38915円)

原因は、前日アメリカの株価が上ったからという事ですが、日本企業の好決算もあり、それに円レートが150円に載せる円安になったこともあるのでしょう。

アメリカはGAFAMといった巨大企業の好決算、マネーゲーマーの活躍でダウ平均は史上最高を続けていますが、実体経済は問題も沢山あるようです。

「インフレが収まったと思ったら不況が来た」というのは余りかにアメリカに住んでいる友人の年賀状でしたが、1月のアメリカの消費者物価は3.1%と予想を上回り、FRBのパウエル総裁は警戒感を示しているようです。

アメリカの消費者物価の1月の中身を見ますと下図です。

     米国消費者物価今年1月の主要内訳(対前年上昇率:%)

                資料:アメリカ労働省

総合指数は3.1%で予測の2%台に下がらず、対前月では10月の0.1%か11、12月02%から1月0.3%と上げ基調です。内訳はエネルギー価格はマイナスですがコアコア指数(食料とエネルギーを除く総合)が3.9%と下がりません。

コアコアは自家製インフレつまり賃金インフレが主因とされているものです。因みにコアコア指数の内訳を見ますとモノの価格は-0.3%、サービスの価格が5.4%でサービスのコスト上昇が主因です。ついでにサービス価格の中を見ますと、宿泊6.0%、運送9.5%という高い上昇率が見られます。つまりこれは生産性の上がらない単純サービス労働での人手不足でサービス料金が上がり物価が下がらない事を示しているのです。

という事でその結果が「物価がまだ下がり切らないとFRBが判断し、景気抑制の高金利政策を続ける要因になっているという事でしょう。

アメリカの高金利政策が続き、日本は異次元金融緩和が続けば、日米金利差は縮まらず、円安傾向が続く可能性が大きくなります。その間、円安による差益も含めての高収益で、日経平均は上がるのでしょうか? 当面、NISA拡充ははタイミングが良かったということになるのかもしれませんが問題はその後です。

時期がずれるにしても、いずれ金利差は縮まる方向に行くでしょう。アメリカの引き締めが行き過ぎれば、低金利政策になるかもしれません。激変は良くないでしょうから、こうした正常でない状態は出来るだけ早く是正された方がいいでしょう。

どうもリーダーシップは、アメリカの方にありそうですが、日本もアメリカ対応だけではなく、日本経済の主体性を維持するような経済・金融政策を確り考えないといけないような気がします。

当面、政府は裏金問題の泥沼で経済政策どころではないのかもしれませんが、経団連の十倉会長も言われるように、大事なのは実体経済ですから、民間が何とか頑張ろうという時に、邪魔にならに様にしてほしいものです